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2015年8月23日 - 2015年8月29日の1件の記事

2015.08.23

(教員免許更新)生徒指導8:生徒指導のサポートネットワーク

『現代の生徒指導』
第8章 生徒指導のサポートネットワーク

今津 孝次郎(愛知東邦大学教授)
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1.生徒指導の核としての子ども理解と教師の基本姿勢

|速やかな問題解決を急ぐと陥りやすいのが、「教師中心」
(teacher centerd)の指導になって、肝心の子どもの現実を
的確に理解することが疎かにされてしまうこと。
|「教師中心」の指導では、教師の思い込みで働きかけ過ぎる。
|→現状を落ち着かせるために、管理主義的な教育に!
|⇒「生徒中心」の指導を!

|上記のためには《生徒の成長・発達》を理解が重要
小学校高学年~高校までの《思春期》《青年前期》の理解を

|かつ、最近の子ども達は、思春期に攻撃性等を表さず
内にこもる傾向。すると教員が気づかずに、子どもの内部の変化を
見過ごす(=生徒理解に失敗)ことも

一人で抱えず、より多くの目で多面的に子どもを眺め、理解する。

2.保健室からの子ども理解

|保健室は子どもたちが、教室では観察出来ない様々な素顔を見せる場。
|保健室で観察できる現実は、生徒指導にとって見落とせない重要な側面。
養護教諭の子ども理解に関する知見は、学校全体でいっそう共有すべきもの。
|(養護教諭は、生徒に学業成績を付けない点が特徴的
|(スクールカウンセラーもいるが、守秘義務が強いので、
|情報共有できない部分も)

※ゲストは、愛知県の高校の養護教諭
|以前と変わらないのは、「理想の自分」と「現実の自分」とのギャップ
|変わったのは「理想の自分」のあり方。先に諦めがある。大きな夢は
描けない時代。「これ以上下に落ちたくない」ので、小さなイベントを
盛り上げるなどで毎日に変化をつけ、現実との折り合いをつける
|現在の理想像は「人を傷つけない、盛り上げ上手」←これが縛りに…
理想通りではない側面(家庭環境の悪い面等)を、担任の先生に話せない
|保健室で初めて相談できる・助言が聞ける場合も!
|理想通りを貫こうとして配慮すると、生徒間でわだかまりが生じる場合も。
|その配慮が気付かれず、悪い態度で表に出る。周りは「どうしたの?」と…
|恋愛でも…。不安が伝えられない。 「察してちゃん」
保健室と担任の連携を。担任の「心配してくれてる」という態度が伝わる
各先生の特徴をとらえて、守秘義務を守れるような形で情報を伝える
|保健室には、子どもの周辺情報が集まる。これが、子どもの行動を解釈する
ヒントとなる

3.スクールソーシャルワークの目的・内容・方法
(1)スクールソーシャルワークの意味と歴史

「 近年,スクールカウンセラー(以下,SCr と略記)では十分に対応できない生徒指導上の諸課題に関心が集まるようになった。それは,貧困,失業,児童虐待,両親の不和,離婚・再婚など,家庭に潜む諸問題に目を向けなければ子どもの問題行動の理解も解決も難しいことに注意が向けられるようになったからである。」

→「学校ソーシャルワーク」とも表記される「スクールソーシャルワーク」(以下,SSWと略記)が全国で新たに取り組まれるようになった。
《SSWとは》
(1)子どもの問題行動を教育面だけでなく広く福祉の観点からも捉える
(2)子どもの環境改善にはたらきかける
(3)地域の専門家や諸機関と適切な情報やサービスをつなげていく連係活動
 ※連携相手は様々で多岐にわたる。

「 SSWの歴史は,19世紀末から20世紀初頭にかけてのアメリカで,いくつかの都市で移民が増大するなか,貧困家庭に伴う不就学や児童労働といった問題に対応するために,20世紀冒頭に始まった「訪問教師」活動が源流である。」

|日本でも、リーマンショック以降、SSWの役割が重要に!

(2)目的と内容

|子どもの生活諸条件を整えるのみならず、子どもの自己実現をゆたかに
|するために将来の進路を見通した生活と教育を保証するため、教育と
福祉を結びつけたより深い次元での支援を、関係者が協働で改善を図る。
|「ウェルフェア」から「ウェルビーイング」へ
|(例:不登校がカウンセリングによる心理療法だけで解決はしない場合も)

(3)方法

|役割の非限定性と柔軟性
|教師と保護者の両方に寄り添う。両者の対立をほぐすような役割も。

「 学校と環境に関わる関係者の調整で重要なのは「支援ケース会議」(ケース・カンファレンス,連係会議)である。出席者は,ケースの内容によって異なるが,一般には担任・生徒指導担当教員・学年主任・養護教員・SCr・校長・教頭などであり,SSWr(←カウンセリングワーカー)は外部の専門家や諸機関との情報交流の窓口となるとともに,この会議でのコーディネーター役を期待される。「支援ケース会議」を柱とする「支援の過程」は五つのステップを踏む。
(1)問題発見・情報収集・アセスメント(状況分析としての事前査定)
(2)問題要因改善に向けた短期的・長期的支援計画の立案
(3)関係者の役割分担に沿った支援計画の実行(介入)
(4)支援計画実行過程のチェック(モニタリング)と微調整
(5)問題改善に向けた支援の分析と評価に基づく支援継続の検討や諸機関との連係確認。」

4.生徒指導をサポートするネットワーク

「一般に生徒指導は実際場面では次のような弱点や限界が現われがちである。
(1)不登校・いじめなど子どもが示す問題行動を類別してそれぞれの対策を講じる傾向が強く,個々の子どもの発達をその子に即して支援するという観点からの発想が弱かった。
(2)クラス内での児童生徒の観察に基づいて学校内での指導に終始するから,観察が一面的で,クラス外や家庭・地域での表情を把握するには至らない。
(3)カウンセリングマインドが叫ばれてはいても,学校での集団生活のルール順守を前面に出し過ぎ,教師側の価値観や方針を一方的に児童生徒に押しつけるような場合がないわけではない。」

⇒「SSW は,第一に養育困難・虐待などに対する「家族支援」,第二に発達障害・子育て不安・就学援助などに対する「発達支援」,第三に低学力・学習遅滞に対する「学習支援」,第四に進路選択などに対する「進路支援」という総合的な基本的立場から,「子どもの最善の利益を守る」ために生徒指導を背後から援助するという幅広いサポートとしてもっと注目されるべきである。」

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