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2015年8月16日 - 2015年8月22日の6件の記事

2015.08.22

(教員免許更新)生徒指導7:情報メディア社会の生徒指導

『現代の生徒指導』
第7章 情報メディア社会の生徒指導

今津 孝次郎(愛知東邦大学)
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1.情報メディアとしてのスマホ
1)高度情報社会とメディア

|「情報メディア」←機械化された情報媒体,「メディア」と略記
|(直接面接する伝統的な「ヒューマン・コミュニケーション」とは
| コミュニケーションの形態が違う)
|「マスコミュニケーション
| ↑印刷機大量印刷された新聞、電波を使ったラジオ・テレビ
|  これまでのメディアの代表格
|「メディア・コミュニケーション
| ↑文字だけでなく、音声や映像を含む多様で多くの情報を瞬時に交流

「メディアの技術変化は驚くほどの速度で進むが,使用する人々のメディアに対する態度はそれに適切に対処できずに混乱が見られ,人間にとってメディアは果たして「進化」しているのかが問われている。」

2)「青少年とスマホ」問題

「 なかでも青少年が犯罪に巻き込まれるケースが増えたり,メディア使用による生活リズムの乱れなどのために,スマホが生徒指導の新たな課題になっている。私物メディアの管理責任者は保護者であるが,保護者はその立場に対する自覚が弱く,しかも新しいメディアにはうとく,学校に指導を委ねる事態もめずらしくない
 そこで,改めて人間社会のコミュニケーションのあり方という広い視点からスマホを位置づけるとともに,ネット時代に守るべき「ネチケット」(インターネット+エチケット)の観点からメディアについて検討する作業が要請されている。それはメディアに関する知識や技術・価値判断・基本的態度を学ぶ「メディア・リテラシー」の学習課題にほかならない。」

2.スマホのリスク (←便利なメディアに伴うさまざまなリスク
1)「ネット依存症」

「 「ネット依存症」は人間がメディアのとりこになって人間の自律性を失い,一種の機械中毒症状を呈する心の病気である。長時間使用することにより,スマホ無しでは生活できないとか,スマホでやりとりしていないと不安である,というようにメディアに支配された病的状態である。この状態に陥ると,日常生活リズムの乱れや心身の失調,さらに学力低下を引き起こしやすくなる。」

|テレビも普及に伴って、長時間視聴と生活習慣の乱れ+学力低下が問題に…

2)「ヒューマン・コミュニケーション」学習の弱体化

・「ヒューマン・コミュニケーション(人と人)」→「マスコミュニケーション」→「メディア・コミュニケーション」と変化した。

「ヒューマン・コミュニケーション」の際に大きな役割を果たしていたのは、ノンバーバル(非言語,表情や身振り手振り)コミュニケーション
 →ノンバーバルで豊かな表現があった!
学校では「ヒューマン・コミュニケーション」を学習する場であるべき!

|動画では、ゲストの養護教員から、ネットに関する小・中有学生の
「素顔」についての話。(学校内で保健室が貴重な「素顔」を見せる場
|ありのままの自分を受け止めて欲しい子どもたち。
|しかし、以前と変わらず、一歩でも前進したい、成長したいという気持ち。
|その成長を認めてもらいたい。
|子どもたちのスマホは、保護者のスマホから。「スマホでの子守」
考える機会がないままスマホが与えられる。ルールがなくてスマホが
与えられて、問題が生じてからルールを与える、では上手くいかない。
|大人の姿から、スマホは大事なものと認識(子どもよりも大事?)
|トラブルも、直接当事者でなくても悩みの原因や、新たないじめに…
|こちらの思いを正確に伝えにくく、また、相手の思いを受け取りにくい。
|一方で、子どもを躾けられない(躾の仕方がわからない)保護者が増えた。
子育ての失敗を恐れての、指導の先送り。
保健だよりに、子育てに関するコラムそれを見た保護者が元気に
|一方で相談も。学校は子どもについてリアルに相談できる貴重な機関
|保健室・クラス・学校が一緒になって子どもを受け止め、自立を促す。
日々変化するメディアに関する課題の答えを大人が用意するのは不可能。
自ら考え、課題を解決する力を育てる。時には大人への相談も1つの手段。

3.「青少年とケータイ・スマホ」問題への対処法
1)規制主義

「規制主義は新メディアへの注意を喚起する一定の効果がある半面,落とし穴もある。
(1)フィルタリングが十分な実効性を挙げているとはいえない。
(2)所持規制より以前にスマホがすでに広く青少年に広がってしまっている。
(3)所持規制対象は義務教育段階の小中学生で,高校生については念頭に置かれていない。それだけに,中学生が高校生になったとたんスマホを所持する場合,身につけておくべきスマホに関する知識や技術・価値判断・基本的態度つまりメディア・リテラシーをどのように培うのか。つまり,「規制主義」は教育的配慮のように見えて,実は真の教育になりえてはいない。
(4)ケータイの実態とそのリスクに注目し過ぎ,人間世界のコミュニケーションという基本的で大きな視点からスマホの位置づけがなされていない。
(5)もっぱら大人の立場からの議論であり,当事者である青少年の立場が反映されていない。」

2)自己規律主義

 子どもの高い所持率を踏まえ、彼ら自身が根本から検討し、スマホとどう付き合うのかを、ネチケットやリテラシーを踏まえて考えさせる(内発的動機付け
教員は側面からの援助

4.子どもたちの自己規律を高める諸方法
1)生徒による「ケータイハンドブック」制作を通して得られた知見

(1)生徒の実態を細部まで知る必要がある。生徒は実際にはメディアとのつきあい方について密かに疑問や不安を抱いている。
(2)自己規律主義に基づく『ハンドブック』は新入生や保護者,教師に対する基本資料として活用されており,学校構成員全体の取り組みにも広がる成果を
上げている。
(3)スマホに詳しいのは大人よりも子どもたちであり,「生徒中心」の学校文化を構築していく視点を確立する必要がある。」

2)生徒・保護者・学校の三者による協働の取り組み

|そもそも私物であるケータイ・スマホのルール作りについて
|家庭でも話題になり、保護者の研修会が開かれ、学校がそれを支援する。

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2015.08.20

(教員免許更新)生徒指導6:生徒指導と学校・学級づくり

『現代の生徒指導』
第6章 生徒指導と学校・学級づくり

伊藤 亜矢子(お茶の水女子大学)
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1.学級づくり・環境づくり
(1)環境という要因
(←この項全文引用)

「 不登校の発生には,その子ども個人の課題と同時に,クラス全体が落ち着きを失っていたなど,学校・学級環境に関わる要因が重なっていることが少なくない。第5章で見たように,いじめの発生率も,学級によって左右されるという調査結果もある。また海外では,レジリエントな学級や意欲的な学級のように,学級全体を好ましい状態にすることで,子ども達の学習意欲や社会的コンピテンスなどを向上させる発想も数多く提唱されている。学校には学校だから可能な学校ならではの支援(伊藤,2009a;2011a)がある。問題解決だけでなく,予防・成長促進のためにも,学級や学校の整備が重要である。」

|環境という要因は、物理的な側面のみならず、心理・社会的な側面
(きっかけなど)も注視すべき。

(2)学級の心理社会的な性質(学級風土)とその影響

「 明るい学級,大人しい学級など,学級環境にも心理社会的な個性がある。この心理社会的な個性は,学級風土(classroom climate)と呼ばれ,さまざまに研究されてきた。」

|民主的・専制的・放任的なリーダーが作る風土についての研究有り。
|(古畑:1983) ※理想的なのは民主的なリーダー

環境と個人のマッチングについても影響あり

(3)レジリエントな学級と意欲的な学級(←この項全文引用)

「 レジリエンスとは,困難やリスクからの回復力・弾力性・頑健性(打たれ強さ)である。学校・学級環境においても,レジリエンシイを養い,自ら学ぶ意欲を育む環境を醸成する主張がある(Doll,2010)。ベナード(Benard,1993)は,レジリエントな資質を「社会的コンピテンス」「問題解決スキル」「自主性・自律性」とし,これらを育む環境要素に,
(1)適切な教師の配慮と子ども達相互の気遣いによる「ケアとサポート」,
(2)学習への期待や優れた教材や施設など「肯定的な期待」,
(3)意味のある問いや活動・役割など「意味のある参加の機会
を指摘した。
 またマクリーン(McLean,2009)は,意欲的な学級の鍵を,所属感・有能感・自律感(主体性)とする。子どもの性格特徴を考慮しながら,各自が学級内で,所属感や有能感を感じられるようにすることが意欲的な風土を育むという。
所属感を養う「取り組み(engagement)」を促すこと
有能感を養う適切な「フィードバック(feedback)」を行うこと
自律感に繋がる「構造(structure)」のある教育活動を設計すること
・それら全てを促進する「刺激(stimulation)」を投入すること
が,教師の役割であるとマクリーンは述べる。」

2.学級環境のアセスメント
(1)アセスメントのツールを活用する

|・Q-U 学級満足度尺度(河村,2000)
|・学級風土質問紙(伊藤,2009a;伊藤,2009b;伊藤・松井,2001)、など

|集計結果だけを見るのではなくて、生の回答や個別のデータを
確認してみるなどで気付くこともある。
学級全体と個人との両方を視野に入れながら支援策を講じよう。

(※(2)以降はありませんでした(^^;)

3.組織的な対応

担任一人では難しいことがたくさんある。
学年や管理職の理解と協力が必要。組織的な取り組みの力は大きい!
ノウハウを蓄積すると、後続の事例にも活かせる

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2015.08.19

(教員免許更新)生徒指導5:いじめへの対応

『現代の生徒指導』
第5章 いじめへの対応

伊藤 亜矢子(奈良女子大学)
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《本章のねらい》
「 いじめ防止対策推進法も制定され,いじめの予防や指導は今日の児童・生徒指導に欠かせない。いじめ対策には,当事者個人だけでなく,学校・学級環境全体の取り組みや改善が必要になる。」

1.いじめを理解する

「いじめは「当事者に原因がある」という見方も根強いが,実際は,学級のあり方もいじめ発生には大きく影響しており,人権や他者尊重の観点からも,学級にいじめを防止する良好な風土を醸成することが重要である。」

(1)いじめとは

『「いじめ」とは,「当該児童生徒が,一定の人間関係のある者から,心理的,物理的な攻撃を受けたことにより,精神的な苦痛を感じているもの。」とする』(平成18年改訂)

『個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は,表面的・形式的に行うことなく,いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする』(文部科学省,n.d.)。

繰り返し,長期にわたり一人または複数の人によって拒否的行動にさらされる場合
&『それによって,相手から自分を守ることが難しくなる』状態(Olweus et al,2013)

(2)いじめ被害の深刻さといじめの構造

・いじめの四層構造(森田洋司,1994)
 -被害者-加害者-観衆-傍観者-

「 いじめの被害が深刻な原因の一つは,被害が繰り返される点や,他の生徒達からも傍観によって被害を見逃されることや低い評価が懸念されるなどから,抑うつや絶望感,自己評価の低下につながるである。人格形成期にそのような悪影響は大きい。よくあることと見過ごされる小さな悪意の蓄積がトラウマを生むことも不思議ではない。学校での指導の前提に,いじめは大人が考えるより深刻な悪影響を及ぼすことを理解したい。」

2.いじめの予防
(1)いじめ予防対策推進法

学校設置者と学校の基本対策
(1)道徳教育等の充実
(2)早期発見のための措置
(3)相談体制の整備
(4)インターネットを介したいじめへの対策推進
国及び地方公共団体の基本的施策
(5)いじめの防止等の対策に従事する人材確保等
(6)調査研究の推進
(7)啓発活動について定めること,

「学校では,いじめ対策に,複数の教職員,心理,福祉等の専門家その他による組織設置が定められた。」

(2)いじめアンケートと予防プログラム

「 多くの自治体や学校で実施される「いじめアンケート」では,問いの設定や表現によって,得られる情報が異なり,その効果も活用法によって異なってくる。」

・海外では,いじめ予防に多様な予防教育が行われる(山崎・戸田・渡辺,2013 など)

「 また,同プログラム(=オルヴェウスのいじめ防止プログラム)では,安全な学校環境を形成しいじめを防止する責務は第一に大人にあると強調する。
(1)大人の人間的な温かさや前向きな関心,関わり
(2)許容できない行為の明確な線引き(=「ダメなものはダメ」)
(3)ルールが破られた時には,非身体的で敵意のない否定的な結果が一貫して用いられること(=ブレない
(4)(権威主義でなく)権威あり前向きな役割を果たす大人の存在が不可欠であると述べている。」

3.いじめへの対応
(1)いじめ対応のポイント

|河村(2007)のQ-U学級満足度尺度を用いた研究でも、
|いじめの発生確率が学級のタイプで異なる。

・いじめ防止対策推進法では学校が講ずべき措置などを指摘している。

(2)保護者対応のポイント

「 いじめに直面すると,保護者は大きく動揺することが多い。学校や教師を過度に責めと見える場合も,多くは動揺と事態改善への焦りであるが,学校側も身構えるので,家庭と学校が対立しやすい。しかし解決には協働が不可欠である。落ち着いて保護者からの情報に感謝し,計画や記録を共有して,継続的に連携する必要がある(Roberts,2015)。」

4.SC(スクールカウンセラー)との協働や組織的対応
(1)校内で,チームで対応することの大切さ

・SC(スクールカウンセラー)はコミュニティアプローチ(地域援助)に基づき,いじめ予防を含む学校全体のメンタルヘルス向上をめざす。

互いを尊重する学校風土の醸成

(2)地域資源との連携

児童館、民生委員、児童相談所、警察など、地域支援を有効に活用する積極的
なチーム支援
が,児童・生徒指導には欠かせない。

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2015.08.18

(教員免許更新)生徒指導4:不登校とその支援

『現代の生徒指導』
第4章 不登校とその支援

伊藤 美奈子(奈良女子大学)
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1.不登校の多様性

|《変遷
|「学校恐怖症」:心の病という位置づけ
|→「登校拒否」:数の増加とともに教育問題に。学校の管理体制批判
|→「不登校」:量的増加・質的多様化。「どの子にも起こりうる」

「ここ20 年ほどの間に,不登校の中身そのもの(質)は,複雑化する社会問題・教育問題を映し出すように,どんどん多様化する一途にある。」

(1)いじめと不登校(←この項全文引用)

「 不登校のきっかけとして多く挙げられるのが,いじめを含む友だち関係である。小・中学校の現場ではさまざまな形でいじめが存在し,子どもの心に傷跡を残している。それらのなかで最も緊急の支援を要するのが「いじめ被害者」である。殴る・蹴るなどの身体的ないじめは年齢が上がるとともに減少するが,それに替わって深刻化するのが,誹謗中傷や仲間外しに代表される心理的いじめであろう。一方的にいじめに遭うことにより,自分の居場所であるべき教室が地獄と化してしまう。ネットの普及とともに急速に広がったネット上でのいじめは,その匿名性,かつ不特定多数という性質により被害者が受けるダメージは大きくかつ深い。しかし「いじめ加害者」も決して“勝者”ではない。ほんの些細な一言をきっかけに一気に形勢が変わり,クラス全員から無視されることになるという逆転劇も起こりうる。いじめる側に回ってしまう子どもたちの中には,その子自身の自尊感情の低さや歪んだコンプレックスが潜んでいるような事態も少なくない。」

(2)発達障がいが背景にある不登校

「 近年,発達障がいとみられる子どもたちに出会う機会が増えてきた。障がいによる特性ゆえに,<友だち関係がうまくいかない><コミュニケーションが苦手><学習のつまずき>という生きづらさを抱えるだけでなく,それら障がいへの理解や支援が十分になされないがゆえに学校不適応になるケースもある。」

・自分の気持ちをうまく表現できないために,SOSの発信が出せない
・SOSの発信を出していても受け取られにくい
周りの理解が十分ではないことによる弊害

「障がいそのものが不登校に直結するのではなく,障がいゆえの二次被害による不登校が問題」

(3)怠学・無気力と不登校

「学校現場にかかわっていると「怠学傾向の不登校」や「無気力型不登校」と言われるタイプに出会うことは多い。」

「怠学の背景にある“根源”に迫っていくと,厳しい親子関係や部活動でのトラブルなど,無気力を引き起こしている“真の理由”が見えてくることがある。」

⇒無気力の背景にある問題を見つけ解決していくような支援が必要

(4)不登校の背景にある家庭・社会の問題

「 これら以外にも,実際の臨床ケースからうかがえる最近の特徴としてあげられるのが「社会問題」という波をかぶった不登校の多さである。その一つが,家庭に根っ子がある不登校である。」

保護者の虐待(とくにネグレクト(養育放棄))
保護者の精神的な病理(鬱病や精神障がい
・子どもの自立を阻害するような過保護・過干渉
・(子どものキャパシティーを越えるような)過剰期待
経済格差
非正規雇用の問題やワーキング・プア、親のリストラなど)
(→「子どもが安心して学校に通えない」状況

教育と福祉の連携がますます急務!

・不登校と「思春期
→社会化と個人化という二項対立的課題
クラスという集団への同一化 VS 自分探し

・不登校と中1ギャップ
→その背景にある<小学校から中学校への移行>
 (人間関係・担任制・学習内容の変化、受験等のプレッシャー、等

2.不登校の変遷と不登校に対する基本的な考え方
(1)関係を構築しつつ適切に関わることの大切さ

|文部科学省「不登校へのあり方について」

「待つこと」ことが必要なケースもあるが
「待ってはいけない」ケースも(いじめや虐待
・「待つ」のみではなく,専門的なアセスメントが求められるケース

・<多面的理解>(一人の子どもを複数の教職員で見る)
・<多面的関わり>(多様なメンバー(担任だけでなく,養護教諭や生徒指導担当,カウンセラーなど)が分担)

担任教師一人が抱え込むのではなく,チームで互いに支え合いながらの連携・協働

・校内での情報共有の方法→不登校児童生徒についての個別の指導記録の作成

「心の問題」重視から「進路の問題(生き方支援)」へと広がり
 (多様な支援は必要←教育的、心理的、医療的、福祉的、司法矯正的支援)

(2)不登校対応に必要な連携ネットワーク

「 根深いいじめや虐待,発達障がいなど,校内だけでは十分に対応できないケースについては,教育センターや教育支援センター(適応指導教室),児童相談所や警察(少年課)などの公的相談機関,民間施設やNPO 等とも積極的に連携し,相互に協力・補完しつつ対応にあたることが重要である。」

「 こうして,本人に必要な専門機関が見つかった場合,本人の了解だけでなく,保護者の理解と協力が必要になる。そのために不可欠とされるのが,インフォームド・コンセントと言われる丁寧な説明である。」

不登校の子どもを抱える保護者の心理(不安、焦り、自責、怒り、不満)を
把握し、保護者を支えることも必要

不登校児童生徒のみならず,すべての児童生徒にとって学校が居心地のいい場所、魅力のある学校となるような努力を続けることが,今,学校現場に課された大きなテーマ

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2015.08.16

(教員免許更新)生徒指導3:思春期の人間関係

『現代の生徒指導』
第3章 思春期の人間関係

伊藤 美奈子(奈良女子大学)
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1.思春期とは?(←この項全文引用)

「 思春期の最も大きな特徴は,「子どもとおとなの境界線上にある過渡期」ということである。年齢的には小学校高学年頃から中学・高校生くらいまでを含み込む。身体的には親を追い越すくらい大きく成長するが,精神的にも社会的にも,まだ大人とは言い切れない未熟な側面を併せ持ち,成長と成熟のアンバランスと,そこから生じる不安定さを特徴とする。周りの大人たちによる扱いも微妙である。時に応じて「まだ子どもなのだから,~してはいけません」と言われるかと思うと,「もう大人なのだから,自分で~しなさい」と急かされることもある。子ども本人も「もう一人前なのだから放っておいて」と突っ張るかと思うと,「まだ一人では頼りない,甘えたい」気分になることも多い。そんな不安定さを助長するのが,以下に述べる身体と意識の変化,そして周りの人々(親,友だち,先生など)との関係性の変化である。」

|「思春期」=身体の変化や生物学的な変化に注目した区切り方
|「青年期」=心理・社会的な変化に注目した区切り方

2.身体的変化と自己意識

「 思春期の始まりを第二次性徴に見るように,思春期と身体の問題は切っても切れない関係にある。第二次性徴の受け取り方も子どもによって個人差が大きい。」

○身体の変化
・我が身に訪れる時には突然
・その変化が自分の意志や力で調整ができない
・周りの子どもたちとのずれ(早い・遅いという個人差)も悩みの背景

○意識面の変化
・自分に対する意識が強まる
・自分のことを客観的に眺めたり自分を振り返ったりする
「自分って一体,何ものなのだろう?」という実存的な問いに心が開かれ始める
・自己意識とともに他者に対する意識も高まる
 (「他者の目」を通して自分を眺める)

3.親子関係-反抗期

「思春期になった子どもにすれば,身体も大きくなり何でも一人でできそうに思えるのに,親から指図されたり上から押さえつけられたりするのは苦痛なものである。とはいえ,まだ本当の力(経済力や社会的地位)はない。そういうときに子どもが取る手段が「反抗」である。」

「ところが近年,「友だち親子」を理想とする声をよく耳にする。それと同時に増えているのが,反抗期の遅れ・消滅という現象である。」

・「早期に親が子どもの人格を認め,「対等な大人」として扱っている場合は“反抗”というイニシエーションは必要ない。」

⇒「現代という少子化社会が,いつまでも子どもを保護し続けることを可能にし,関係の変容を遅らせているともいえる。」(←“子ども同士な友達親子”)(=親が子どもの視点に下がってまでの横の関係となっている)

4.思春期の友人関係

「 ところで,近年,友だちとのつきあいに疲れている子どもたちが増えている。本来なら一緒にいて楽しいはずの親友にも気を遣う子どもたち。一人になることを恐怖し,「いじめられる関係」でもいいからともに過ごせる仲間を求める子どもたち。「一緒にいたいけれど,いつも一緒は疲れる」「一人でいたいけど人の目が気になる」,そんなジレンマの中で人との関係に疲れ果てていく子どもも少なくない。その関係をより複雑にしているのが交流手段の変化である。ラインやチャットなど,ネット上のつきあいがさまざまなトラブルを生んでいる。」

「友だちだから」気を使う→スマートフォンが手放せない
| その背景に「嫌われたくない」「外れたくない」心理

|背景にある気持ちを、言葉として(誰かに)伝えることが出来ない&避ける!

⇒(そのストレスが)「行動化」や「身体化」という形で表現される

5.群れと孤独

「 このように,流行を追い求めたり周りの友だちに合わせることにも神経を遣ったりするけれど,人とはちょっと違った「自分らしさ」も大切にしたい。そんなアンビバレントな思いの狭間で揺れ動くケースも少なくない。つまり思春期というのは,人との関係性を結びながら,その一方で自分の世界を構築するという「二重の課題」を背負った時期であるといえるだろう。ただし,自分自身を見つめ自分らしさを発見するには,自分と向き合う「孤独な時間」が必要である。孤独は淋しさや辛さを伴うが,独りになることで本当の自分に直面し,そこでの気づきが“ありのままの自分”に戻るための契機となることもある。」

|《思春期とのつきあい方
|・揺れに付き合う(←ただし「共揺れ」は禁物!
|・発達というプロセスの中で理解する(心の成長とともに変容していく可能性
|・向き合い方(言葉以外のチャンネルを持つこと・合わせること、の大切さ
| (真正面より「ななめ」の位置)
|・根気強さ(大人にとっては「問題」でも、(本人には)必要な時間

⇒「この子どもたちに,「ぶつかっても大丈夫」という基本的な信頼感を持たせるためには何が必要かについて,しっかり考えるべき時代が到来しているといえよう。」

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(教員免許更新)生徒指導2:子どもの問題行動と教師集団の対応

『現代の生徒指導』
第2章 子どもの問題行動と教師集団の対応

住田 正樹(放送大学客員教授)
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(※重要につき、引用部分が長いのですが、ご容赦をm(_ _)m)

1.子どもの問題行動
(1)子ども期から大人期への過渡期
(←この項全文引用)

「 小学校中学年から中学生・高校生にかけては子ども期から大人期への過渡期(移行期)にあって,子ども社会と大人社会の両方に所属し,あるいは両方の時期の中間(境界)に位置しているところから「マージナル・マン」(境界人)と言われている。マージナル・マンとは文化が異なる複数の集団に同時に所属しているために,いずれの集団にも完全に所属することができず,複数の集団の境界上に位置する人間を意味する。そのために統一的な価値規範や行動基準を持つことができず,つねに内面的葛藤や緊張状態にあって情緒不安定になりやすい。子どもと大人の中間(境界)に位置する,この時期はまさにマージナル・マンであり,情緒不安定とそれ故の過敏な反応を特徴とする。加えてこの時期は第二次性徴が出現する時期であるが,近年の生活水準や栄養状態の向上によって身体的には早熟となり,その一方で親の過保護や過干渉,教育期間の延長などによって自我の確立といった精神的成熟は遅くなり,また自立した社会人としての役割と責任を担うといった社会的成熟はさらに遅くなっている。身体的成熟,精神的成熟,社会的成熟のアンバランスが平衡を失った行動を誘発し,暴力的,破壊的,誇示的な極端な問題行動に駆り立てるのである。」

|まずは児童・生徒の理解が大事(小学校中学年から高校の時期)
|児童・生徒は、子ども期→大人期の過渡期(移行期)
|そのため、子ども社会と大人社会の両方、或いは中間に位置
|加えて第二次性徴が出現し、身体的,精神的,社会的成熟の時期に
|自分の意志とは関係なく生じる変化が、不安や、好ましくない行動に
|それが更に、個人差があって集団的にもアンバランスな状況
|→大人としての判断力を持ち、ひとり立ちして行動できるまで続く

(2)子どもの問題行動と生徒指導

・ 問題行動は「反社会的問題行動(社会に対して反抗的)」と「非社会的問題行動(逃避的行動、神経病的行動、引っ込み思案行動)」とに大別

「 生徒指導は問題行動の対策や防止・治療といった「消極的生徒指導」だけではない。全ての子どもの人格的発達を促すという「積極的生徒指導」もある(規範的文化の形成)」

|まずは(生じた問題に対する)消極的生徒指導を考えることになるが、
消極的生徒指導で子どもの問題行動の原因や対策を考えることは、
積極的生徒指導の有効な方策のヒントになるケースも
|(一般的な子どもに現れない潜在的な問題に繋がる場合も

子どもの問題行動には今日の一般の子どもが置かれている社会状況の問題が集約的に現れているといってよい。

2.子どもの問題行動と教師集団の対応
(1)少年非行と疎外感

|「非行」の定義→少年法三条より、犯罪、触法、虞犯

「 少年非行の原因についての有力な考え方に疎外論がある。」

疎外「社会の支配的な価値・規範から疎遠にならざるを得ないような状況」
| →自分を否定的に評価
| →自分に対して否定的な意味しか与えることができない

|被受容感:自分はみんなに受け入れられているのだという意識や感情
|被拒絶感:自分は無視されている、軽蔑されているという意識や感情
|→学校において、被受容感を感じられない=【疎外

|《学校において
学校での評価基準は学業成績が中心(支配的な価値・規範)になりがち
|→学業不振の子はあまり評価されない・軽く扱われる
|→教師もほかの子も、肯定的には評価してくれない。誰も認めてくれない
|⇒【疎外】(←非拒絶感を感じる(無視・軽蔑)

|《社会において
学業成績重視の考え方は、社会一般に支配的・規範的な価値として
広がっているので、学業不振が将来の可能性を期待できず、希望を持てず、
|将来が閉ざされたような感じを生む→失望・不安・疎外的な状況
|⇒一時的であっても、阻害的な状況からの即刻な開放を求めて、また学校や
|社会に対して、反抗的・攻撃的になる。
|⇒反抗的・攻撃的な行動の中に現在の【自分という存在を確認】し、
| そのような【現在の自分を確認してくれる】同じような仲間を求める

|《家庭において
親子の愛情という感情的な関わり合い=情緒的に安定した世界
|→親の態度や、夫婦関係という情緒的な関係が、子どもの安定に大きな影響
|→しかし親が子どもへの愛情を持たない、無関心、子どもを放任すると
| 子どもが親の愛情を感じない=情緒的な安定化の世界を体験できない
|→「親から愛されていない」「自己嫌悪」【疎外感
|(親が愛情を持っていても伝わらない場合(伝達不足)も同様
|(突き詰めると親の労働条件や経済的条件のために子どもを構う余裕が無い
|→被受容感を感じることなく【疎外感】→暴力的、破壊的、誇示的な問題行動

(2)子どもに対する教師の共感的理解(←この項全文引用)

|キーワードは【許容的な態度】と【共感的理解】

「 子ども自身に自分の問題行動を認識させ,子どもが自身で解決していけるように指導・援助していくのが生徒指導である。そのために教師は許容的な態度で子どもに接し,子どもの立場に立って子どもの考え方,感じ方,気持ちといった内面を理解しなければならない。「共感的理解」である。端的に感情移入による理解である。但しそれは感情次元での理解であり,共感であって,行動次元,つまり子どもの問題行動を許容したり容認・肯定することではない。教師は問題行動に至った子どもの感情を理解し,その感情に共感するのである。感情の共有である。その上で子どもの将来の可能性を共通の目標にして子どもと共に現実的な対応を考えていくことが教師の共感的理解による指導である。」

|児童・生徒に【関心を持つ】(まさに心を関わらせる)ことが出来るか?

(3)教師集団の統一的対応

|第1回で解説したP機能とM機能と合わせて、個々の子どもへ
|教師全員が共通理解をして、同一歩調をとって教師集団として統一的に対応

「子どもの行動が行動基準に沿った規範的な,望ましいもの(同調)であれば是認し,行動基準から逸れた望ましくないもの(逸脱)であれば否定する。このようにある行動を励まし,ある行動を思いとどまらせる手段を「サンクション」(sanction)という。サンクションには同調的行動を奨励する積極的サンクション(賞賛・報酬)と逸脱的行動を抑制する消極的サンクション(罰則・処罰)がある。学校場面では「褒めることと叱ること」である。褒めることによって望ましい行動を強化し,叱ることによって望ましくない行動を消去しようとする。」

統一型の教師集団の学校ほど生徒指導体制は確立しており,また(指導の効果として)校内暴力はない(51.4%)として,教師集団としての統一的対応の有効性が示されている。」(住田 正樹,2014)

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