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2015.08.05

(教員免許更新)学校経営7:学校の危機管理とリーダーシップ

『学校経営』
第7章 学校の危機管理とリーダーシップ

星 幸広(元・千葉大学大学院非常勤講師)
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1.緊急時に重要なのはリーダーの決断と行動力
1)小中学生の99.8 パーセントが助かった「釜石の奇跡」

・'11.3.11、釜石市の14の小中学校には、5人の不在校者を除いた2,921人の児童・生徒がいた→津波に巻き込まれた児童・生徒は5人

2)釜石東中学校の震災当日の避難行動

・校内に212人の生徒と16人の教職員

・「陣頭指揮をとっていた副校長は、地震の強さや揺れた時間の長さなどか
ら、直感的に「どうも今までとは様子が違う。
本当に大津波がくるのではないか」と思い、「このままでは危ない」というとっさの判断で、学校の中で一番若い教師に向けて次のような指示を出した。「整列も点呼もしなくていい。悠長なことをしていたら、津波に飲み込まれる。大きな声で『逃げろ、早く逃げろ』と叫びながら駈け出してくれ。」
 この教師が避難の流れを作ったことにより、全員がこれに続き、隣接の小学校の児童をも巻き込み、全員が安全な高台まで逃げることができたという。」

3)リーダーの決断と迅速な行動の大切さ

・石巻市立大川小学校には、全校児童の約7割にあたる74人と教師10名が死亡または行方不明

・「釜石東中学校も大川小学校も「その時」、校長は不在で、指揮を執ったのは副校長であり、教頭だった。片や状況に敏感に反応し、具体的で明確な避難指示を出し、片や教師の意見を集約できず、50 分という時間を浪費してしまった。

・「 津波が押し寄せてくる恐れがあるときは「一刻も早く、1センチでも高い場所へ逃げる」という先人の教えを知らなかったはずがない危機管理とは、知っているかどうかではなく、やるかどうかである。理屈ではなく、行動なのである。」
100点満点でなくてもいいから、まず行動する!
|(誤りがあっても、それが社会的に許されるかどうか、がポイント

2.防災カリキュラム~理想的な防災対策とは
1)先進的な釜石市の防災教育プログラム

・「1933年にこの地を襲った「昭和三陸地震」と、それに伴う大津波の写真、2004 年のスマトラ島沖地震・インド洋津波の動画を利用して、津波の威力を実感できるよう、さまざまな工夫」

2)釜石東中学校の全校防災学習の取り組み

「 同校の防災教育のねらいは、次の3 項目である。
(1)「自分の命は自分で守る」~地震・津波の知識を身につけ、避難できる生徒の育成
(2)「助けられる人から助ける人へ」~家庭・地域の一員としての自覚を高め、行動できる生徒の育成
(3)「命てんでんこ」~地域の防災文化の継承者の育成」

⇒「単に災害が発生したときにどう行動するかということだけでなく、大人になってもどこへ行っても何事にも適切に対応できる「人間としての」基礎力の育成をも視野に入れた、厚みのある活動

3)防災教育の重要性

・「先般の東日本大震災規模ともなると、何百年に一度というものであろう。
そして、来ても一瞬で終わる
。」

⇒「 釜石市に学ぶべきであろう。地道な防災教育の積み重ねが【いざ】というときに力を発揮するということを。」

3.危機管理マニュアルについて
1)マニュアルの重要性

「 マニュアルは、何か事故・トラブルが発生した場合、法的に見て正しい根拠に基づいて仕事をしていたという証明のためにも、絶対に必要なものである。」

2)急速に見直されるマニュアルの社会的価値

・以前は「マニュアル人間」と、否定的な捉え方をされていた

・しかし、「 大規模災害から企業等の日常の業務内容に至るまで、適切な手順で対応していたことを証明できるのは、明文化されたマニュアル以外にないということを正しく理解されるようになり、その社会的価値は大きく見直されている。」

マニュアルがないことで、「(口頭で)指示があった」とは証明できず
|辞任に追い込まれた、2007年の洋菓子メーカーの社長の事例
|…以降「マニュアル人間」という言葉も聞かれなくなり。。。

3)マニュアル作成と活用のポイント
(ア)シンプルであること
(イ)実情に合うよう、常に最新の状態にしておくこと
(ウ)訓練を徹底し、職員の錬度を高めておくこと

⇒「2~3人でも集まったらマニュアルを話題とし、イメージトレーニングするだけなら『誰でも、いつでも、どこでも』できる。これでいいのだ。

4)今がマニュアル作成の絶好のチャンス

・これほどの大震災が起きたからこそ!経験から学んだ今が好機

「 『勤務校にはまだ危機管理マニュアルがない』『震災時の避難マニュアルがないので不安だ』など、このような現場の教師の声がたくさん寄せられている。」

……………

〔追加〕いじめについて

・少なくとも、いじめと自殺の繋がりは断絶すべし!

本質(実態)を正しく理解する。
・いじめは「掘り起こせばでてくる」もの(「掘り起こさなければ出てこない」)
・(対応する側が)「ウソはつかない」こと(←責められるのは「その後の対応のまずさ」

・(震災から学んだ対応をすることと同様に)痛ましいいじめの事例から学んだ対応を!(学校はできないのか?いや、誠実に向きあえば、危機に対応できる(いじめと自殺の繋がりは断絶できる))

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追伸・感想

 釜石の事例について、詳しい点を初めて知りました!
 教員が~~しなさい、と指示をしなくても、揺れが収まると生徒たちは次々とグラウンドに集合して整列・点呼をしたそうです。すごいですね。
 その生徒たちに「地震の規模が違うから、即座に逃げろ」ということが、+αの成果に繋がったのですね。スゴいです!

 大川小学校の事例は、現在の段階では、保護者との話に決着がついていない様子ですので、コメントを控えますm(__)m

 「マニュアルが存在する」ということ自体に意味がある、という世間的の見直しが…
(確かに、学校現場以外の裁判に関連しているケースもありそう…)

 確かに「マニュアル人間」という言葉を聞かなくなりましたね。

 また、いじめへの対策・対応こそ、マニュアル通り以上の適切&誠実な対応が大事ですね!!

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