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2015.08.05

(教員免許更新)学校経営6:学校評議員制とコミュニティ・スクール

『学校経営』
第6章 学校評議員制とコミュニティ・スクール

浜田博文(筑波大学教授)
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1.学校と地域社会の関係―“開かれた学校”の社会的要請

「 学校と地域社会は、切っても切れない関係にある。戦後、1970 年代までの両者の関係の在り方は、1930 年代末~1940 年代アメリカの「コミュニティ・スクール(community school)」論に依拠していたと言えよう。それは、学校の教育活動の内容・方法を地域社会の自然・社会・生活に基づいて構成し、学校と地域の相互結合関係を強化しようとするものである。」

・「6・3・3・4」の教育制度が急速に変貌。
 最も変わったのが、高校への進学率。進学先や就職先も変貌。都市への集中

→「地域の教育力の低下

・1980 年代以降~1998 年頃→「開かれた学校」の推進について5点
1:学校週6日制から週5 日制への移行過程で学校と地域との連携が関心の対象
2:「生きる力」と「ゆとり」を掲げた教育課程改革。
 「生活科」の新設(1989 年)、そして学校週5日制に伴う教育内容の厳選と授業時数の縮減の議論過程では、教科横断的な学習や体験活動などが推奨
3:児童生徒の問題行動への対応。
 校内暴力や生徒間暴力、陰湿ないじめや不登校児童生徒の増大などに、学校だけの力で対応することは困難だという認識が拡大
4:生涯学習への関心の高揚と条件整備の進展。
 臨教審以後、生涯学習体系への移行を目指す条件整備は着実に進展。
5:地域社会の活性化を推進する中核機関としての学校という見方の広がり。
 子どもたちの問題行動や教育課題は家庭での生活環境や地域社会の状況変化など様々な要因が背景。そうした中で、地域社会の地縁的な結びつきを学校と地域の連携によって回復させようという取り組みの実施。

→人々の地縁的な繋がりを紐帯として「地域性」と「共同性」を一体化するという指向性コミュニティの再生

2.地域社会の人々による学校運営への参画―選択、参加、評価

・1990 年代末以降、規制緩和・地方分権の行政改革は、学校と地域社会の関係にもたらした大きな変化
1:公立小・中学校における学校選択制の導入と広がり
2:学校運営における地域・保護者の参加の制度化

・学校運営協議会をもつ地域運営学校(コミュニティ・スクール)が制度化(2004年)

学校運営協議会の権限
(1)教育課程編成その他の学校運営の基本的方針について承認する。
(2)学校運営について教育委員会または校長に意見を述べる。
(3)教職員の任用(採用・転任など)等について、任命権者に意見を述べる(その場合、任命権者は述べられた意見を尊重するものとする)。

・コミュニティ・スクールは、2012 年4 月現在、38 都道府県1,183 校
(戦後にアメリカから紹介された「コミュニティ・スクール」とは意味が異なる)

・「2007 年6月の学校教育法改正により、学校運営に対する教職員による自己評価の実施と結果公表ならびに保護者等の学校関係者による評価の実施と結果公表等が各学校に求められることになった。2008 年度現在、学校関係者評価は公立学校の81%で実施されている(文部科学省調査)。」

3.「ガバナンス改革」の中の学校と地域社会

 過去20 年足らずの間に、学校は保護者を含めた地域住民、さらにはマスコミを含めた社会から、様々な要求を受け、それらに応じなければならない存在になった。
(例えば医療の世界では「インフォームド・コンセント(説明と納得に基づく合意)」という概念が重要視

・(地域住民や保護者の)「運営参加」の制度化と進展(結果の公表等)

・学校にも「説明責任」があるが、説明すべき情報の重要な部分をすべて数字や文字だけで表現することは難しい。→一時的な「説明」がすぐに保護者や地域住民の合意をもたらすとは限らない

学校の「説明責任」とは、「教育活動を継続的に改善することに取り組む責任」と考えた方が実情に合っている

「学校ガバナンス改革の一環であり、「地域における(による)ガバナンス」を軸とする学校と地域社会との関係の転換という要素を含んでいる。
 「ガバナンス(governance)」とは、企業や自治体などの管理運営を、その活動に様々な関係をもつ関係当事者(stakeholder)の相互利益の実現を意図して当事者自身(つまり「民」)による参加と協働によって行うことである。」
(学校支援の活動やボランティアを奨励・促進)

⇒「様々な立場の地域住民、多様な保護者、そしていろいろな教育実践に取り組む教職員のそれぞれが、児童生徒を中心にして互いにどのように結びつき、連携し、協働するか。「学校」の中の多様性や「地域社会」内部の異質性などをも視野に入れながら、よりよいガバナンスの在り方を切り拓いていく必要がある。」

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追伸・感想

 なるほど、義務教育ではない高校にほぼ全入となるような社会情勢の変化が、一極集中的な都市化&地方の人口減少と関連が有り、地域と学校との新たな関係を築くことが地域の課題となったのですね!

 「学校開放」という言葉を聞くようになったのは、僕が小学生の頃です。
 体育館を子ども達の遊び場として開放する、ということが行われました。

 コミュニティースクールという形での、1条校以外の学校教育のあり方については、もう少し進展があったほうがいいかもしれませんね。

 ただ、学校教育と地域社会の、更に新しい関係性がより良く築き上げられたら、衰退する地方で新しいイノベーション的動きが生じてくるかもしれないな、と思いましたhappy01

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