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2014年4月6日 - 2014年4月12日の1件の記事

2014.04.08

現状よりも『反転授業』は望ましい。ただし環境と工夫が必要

 下記の文章は、今から12年前に書かれた文章ですが、「今でも変わらずその通り」と思われますか?「既に現状は違う」と思われますか?

2002年初版発行 奈須正裕 著『やる気はどこから来るのか~意欲の心理学理論~』より
---------- p.27~29 ※中略なし
 ためしに、最も一般的な授業形態である一斉指導を考えてみましょう。小学校のころを思い出しながら読んでみてください。
 一斉指導は先生の指示と命令によって進行します。「はい、◯◯ページを読みなさい。5分で読みなさい」「終わりましたか。終わっていない人も鉛筆をおいて。それでは答えてください」といった具合です。どうですか。こんな授業を受けた経験、あるでしょう。
 さて、この一斉指導で頻繁に現れる「終わっていない人も」という言葉、一見何気ないようですが、じつは当の終わっていない人、すなわち作業中や考え中の生徒にとっては決定的な意味を持ちます。だって、このひとことで彼らは取り組み中のすべての活動を断念しなければならないのです。そして中途半端なまま、指示された次の活動へと向かうことを強要されているのです。この瞬間、それまでの努力もむなしく、学習は破綻します。
 さらに、ある活動を中断させることは、次の活動への実質的参加資格も奪いかねません。読み終わってないのに問題は解けませんし、解き終わっていないのに話し合いに加わるなんてこと、どう考えたって出来るわけがないじゃないですか。
 そこで「きりのいいところまでやってしまおう」とノートに向かっていると、こう言って先生に注意されるんですね。「鉛筆をおいてこちらを向きなさい。今は話し合う時間です
 みんな「授業ってそんなもんだ」と思い込んでいるのでしょうが、よくよく考えてみれば、じつに不合理で不条理ではないでしょうか。しかも、それが毎時間、毎日繰り返されていくのです。
 これじゃあ、どんどん意欲がなくなっていくのも無理はないと思います。だって、行動と結果の随伴性のあるなし以前の問題として、十分な行動をとる時間さえ完全に保証されていないんですから、これでは、望む結果もなかなか得られないでしょう。
 要するに、できるように、わかるようにならない。さらに、これを毎時間、毎日繰り返していくわけですから、わからないことが雪だるま式にどんどん増えていく。すると、ますます授業がわからなくなる。先生は「為せば成る」といいますが、「為す」のに最低限必要な時間的要件さえも保証してもらえないんじゃあ、とても信じる気にはなりませんよね。
----------

●「今でもその通り」と思う方の中で、「私も小学校時代はそうだった」と思う方は多いと思うのですが、現役小学生の方でなければ、すいませんが、それは何年前の小学校時代でしたか(^^;?
 お子さんが今小学生だ、など、現状の小学校のことを把握した上で考えを進めたいと思います。

●ここで「一斉指導」と「一斉授業」の違いにも着目してください。
 教員一人で生徒が多数の「一斉授業」であっても、引用にあるように、全員に同じタイミングで同じ行動を強いる「一斉指導」をしていないケースと区別しましょう。

●「既に現状は違う」とお考えの、現場の先生方も多いことでしょう。
 上記デメリットを改善する方法が当然、多様に多数あるわけで、既に実践済みの方も多いはずです。

*ですが、上記のデメリットが、既存の授業に“要素として残っている”のであれば、既存の授業は改善の余地があるわけです。特に
 「ふつう」と考えられる時間しか与えられず、毎授業ごとに落ちこぼれる
 ★(正当な)意欲があっても、指示に従うように注意される。
 
★分からない授業を恒常的に体験させられることによって、
  学びの意欲が失われた児童・生徒が次々と生み出される。
(・答えさえあれば時間不足の問題は回避できる」と、ネガティブな学びのスタイルを体得してしまう児童・生徒が次々と生み出される。)

*仮に、小学校のみならず、中・高・大(教養)の授業において、昔の授業の思い出が強く残った状態の先生方が、こうした問題点を改善せずに、新しいタイプの授業ができないとしたら、深刻な問題ですよね。

◯「学習権の侵害」という批判もありますが、現状維持にこれだけの深刻な問題につながる要素が残っているのなら、分かるまでの時間を多く取れる『反転授業』の形式も一理あると思いました。
 私も、環境等の条件が整うのであれば、実施してみたいと思っていたのですが、上記の本の記述を読んで、心理学的な観点でもメリットが有ることを知り、『反転授業』に踏み込みたい思いをますます強まりました。

 ただし、同じ本を読んで、“反転のさせ方”にも一工夫必要だな、と思いました

---------- p.95~
 もう1つは、成功なり失敗の程度よりも、その原因を何に帰属するかによっておもに引き起こされる感情です。以前から問題にしてきた誇りや恥もそうですし、例示した驚きや怒り、さらには成功時の有能感、自信、満足、感謝、失敗時の無能感、あきらめ、絶望感、後悔、くやしさなど、じつにさまざまな感情が原因帰属に依存して生じているんじゃないか。そのいみで、これらを帰属依存の感情とよびます。
(中略)
 ちなみに、代表的な帰属依存の感情について、原因帰属、あるいは原因次元との関係を整理すると次のようになります。
(以下、(1)自尊感情、(2)怒り、(3)感謝、(4)絶望感、を中略)
(5)驚き:驚きは、結果のポジティブ、ネガティブに関係なく、それを運を典型とする外的原因に帰属した場合に強く感じられます。
… … …
 ※( )は本来丸数字
----------

 『反転授業』をする際には、家庭学習用に動画を準備するケースが多いのですが、その動画は「見たい」という気持ちを引き出すために“分かりやすく面白い”ものがいいと思っているのですが、“驚き(びっくりドッキリ)”の要素は、学校の授業にとっておくのがいいのかも、と思いました。
 実験や「普段、みんなこう思いがちだよね。実は~~!」という内容は、周りの生徒もいて“外的要因”が多くある、学校での“ライブ”の授業で提示したほうが良いのかもしれません。
|学校に来たい、と思える方がいいですよね(^^;

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追伸:ですが実情では、すぐには反転授業には踏み出せませんよね。

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