授業や講習の際に録画していた私の動画を、図書館で視聴できるように設定して頂きました!
早速、1人の生徒が、動画を見て学んでくれました。

動画配信の仕組みを設定してくださっている、本校の情報システム部主任に感謝です!
このPCは、古くて使わなくなったマシンを、動画を視聴する機能だけに特化して使っています。
(その他のソフト等をインストールしないので、マシンの動作が軽くなります)
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動画は、生徒の学習、特に“試験勉強における学びの手順の逆転”をもたらします。
物理の授業を受けていても分からない、という生徒であっても、問題演習から始める。
《1》わからないところ(小問)だけを視聴する。イントロ等の分かっている部分は、早送りして飛ばす。時間の節約!
また、物理は“全てがわからない”わけではないケースが多く、分からなかったその一部分が分かれば、以降最後まで解ける、というケースも多い。
《2》それでも分からなければ、最初から見る。途中のわからないところがあった時には
(1)少し巻き戻して、何度も見る
(2)一時停止して、じっくり考える
⇒その箇所は、「自分の分からない箇所」である!
⇒教員が指摘しなくても、自ら「どこが分からないのか」に気づける!
(今までは教員が「ここは分かる?」「そこはどう?」と、生徒の様子を見ながら問いを発することで、「どこがわからないか?」を見出す作業をしていた。その負担の軽減は、生徒にも教員にも大きなメリット!)
《3》「自分が分かっていない箇所」に気づけたら、友達や教員に、質問できる!
《4》更に、問題集の関連する授業内容も録画していて、今回公開しているので、問題が解けなければ、授業の解説を視聴して、物理現象を把握・理解する
⇒既に分かっている部分は見直す必要がない&動画を自分のペースで見る(早送り・一時停止・巻き戻し)ことで、自分の理解速度の合わせて学習する、ということで【個々人に合った時間配分で学べる】ことが可能となります。
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しかしながら、そうは問屋がおろさないのです。
生徒に聞いてみると
◾そもそも図書館に行くのが面倒くさい
のだそうです!
また、「そもそも物理という難しい内容の動画を、わざわざ見ようという気にならない」のだろうと思います。
(『半沢直樹』や『宇宙戦艦ヤマト2199』に、完全に負けます(笑))
実はYoutubeでは既に、何人の方が、物理の授業の様子をUPしています。当然、無料で試聴できます。(Youtubeを検索してみてください)
NHKのEテレでも、そういった番組を配信していることでしょう。
だからといって、物理がわからない生徒が自主的に、そのような動画を見て、“自主的・自動的に物理がわかるようになる”とは、正直全く思えないのです。現に授業へ行くと「物理がわかりませんよ~」という生徒ばかりで、「先生が授業をする前に(そのような動画を利用して)理解してきました(^_^)」という生徒は、ごく稀です!(ゼロではないのですが…)
「ICTがあれば自動的に、生徒のやる気を喚起できる、わけがない」のです。
最近注目を集める「反転授業」と呼ばれる授業形態があるのですが、それは担当する先生の授業動画を見るという“(独学に比べると)質が高い予習”をする、というカラクリです。
ですが、「(部活動等や遠距離通学で)自宅学習の時間が取れない(更に複数教科で「反転授業」の予習が課されるとなると大変…)」「そもそも難しい内容の動画は見る気が起きない」のが生徒達の正直な本音かもしれません。
ICTの力を借りる「反転授業」も、結局授業です。生徒のやる気を換気することと、学習内容を生徒本人の中での理解に繋げる仕組みを施すことが大事になってくるでしょう。
|ただし、ICTがもう少し進歩し、ICTが今以上に生徒にとって身近なものとなった
|場合、更に僕のすべての授業の動画が手元に揃ったら、僕でもうまく反転授業が
|できるのかもしれません。
|反転授業でもなお、うまく学べない生徒の対処がどのような生徒かを知り、その
|生徒への対処のノウハウが蓄積されれば、更に違った展開の仕方があるのかも。
|まさに反転授業の原語《Flipped》的転換が、教員にもたらされるのかも!?
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|「『反転』という訳はおとなしすぎる。『大どんでん返し』と訳さなきゃ♪」
| (私立学校研究 (c) ホンマ ハヤト)
| http://pschool.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/62-0c38.html
… … …
結局、ICTはあれば便利ですが、ICTがあっても結局、生身の生徒に「勉強しよう」と思ってもらうために、教員は生徒へ心をくだき続ける必要性はなくならない、というアタリマエのことを忘れてはならない、と実感します。
生徒のアンケートで「動画は分かりやすくていいのだが、動画の中の先生は質問に答えてくれない」というのがありました。
ICTで理解に至った、というのはラッキーな事例で、本当は「実は少しわからないことがある」「あとすこし確認して、理解をより強めたい」というのが、生徒の“人間として”のアタリマエな欲求なのではないかと思います。
それに、ICTコンテンツに不足している点があってもアタリマエだと常に意識して、それに対してできる限りきめ細やかに対応できる教員であることが、ICTを活用した教育のできる教員なのだろうと、今現在思っております。
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なお「授業の様子を録画する」ことは、大したコストはかかりません。
私の場合、動画を録画できるデジカメに背の高くない三脚を付けて、一番前の席に設置し、録画できる範囲で授業をする、というだけです。たまに生徒に「カメラを右に動かして」と指示しますが、それ以外は、生徒も私も、既存の授業と同じスタイルでやっています。
また多くの先生方が「自分の授業を録画するなんて恥ずかしい」と思われるのではないかと思いますが、動画をネットに上げて不特定多数に視聴させるのではない今回の私のケースは、結局普通の授業も動画の授業も同じもので、同じ生徒が見ることに変わりないのなら、恥ずかしいも何もない、ということに気付きました!!
(確かに、自分の授業を自分で見ることは、あまりないですよね(^^;)
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