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2010.10.04

プランでは殺処分が、減らない!?(reflect on 中学論題:1)

 「ペットの売買を禁止しても殺処分は減らないのではないかと推測しています!」と言うと、今年の中学論題に取り組んでいた方々は驚かれます(^^;

 今年のディベート甲子園・中学論題での試合で、ペットの売買が禁止されると、捨てられたペットの殺処分が減る、という議論をよく耳にしたと思いますが、一旦考えて下さい。

 減るのは、犬ですか?ネコですか?ウサギや小鳥などの他の動物ですか?

 …実際のところ、今年のディベートで扱われたのは、犬・ネコのケースが多いですよね。

 さて、以下の4つのうち、最も殺処分されているのは、どれでしょうか?

  [ 子犬 ・ 成犬 ・ 子猫 ・ 親猫 ]

 どうぞデータを御覧下さい。

 http://www.city.sendai.jp/kenkou/doukan-c/pdf/001.pdf
 http://www.city.sendai.jp/kenkou/doukan-c/pdf/002.pdf

 http://www.pref.miyagi.jp/doubutuaigo/管理業務(H21).pdf

 犬とネコを比べたら、殺処分は、ネコの方が一桁多い数で行われています。
 統計的には、一桁違うって、有意な差だと思います。
 この段階で、メリットが「殺処分の減少」なのに「犬とネコとを一緒くたに扱っている議論」や「犬の例だけを挙げて現状分析を行って内因性の説明を試みている議論」は、怪しい、となります。

 さて次に、ネコはネコでも、親ネコと子ネコでは、子ネコの方が殺処分数が明らかにに多いですよね。

 さて、その理由を知っている人も、当然いるとは思うのですが、その「殺処分は子ネコに対して行われるのが最も多い理由」を“ネットや書籍のリサーチ”だけで知った人がいたら、是非コメントを下さいm(__)m

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 御存知の通り本校は、その理由を、仙台市動物管理センターの職員の方から伺って、初めて分かりました。

 

 そもそも「殺処分を待っている犬猫がいるのかなぁ?」と、仙台市動物管理センターを恐る恐る訪ねてみたら、「あれ?いない!」という点すら、大きなギャップです。

 そして、データーを見れば、素朴なギモンとして、殺処分数の減少に関しても「犬の殺処分数は相当減っているのに、ネコは中々減らないのはどうして?」と思いますよね?

 それに関して、「多いのは、子ネコ。ほぼ毎日殺処分が行われる計算…」と説明を受けます。

 その子ネコとはどういう子ネコなのか…
  それは、引取りの状況を伺わなければ分からない話
です。

 「朝起きてみると、物置の隅から猫の鳴き声が聞こえる。当然、うちではネコを飼っていない。どこのネコの子どもか、分からない。うちではどうにもできないので、引き取って頂きたい」というケースが多いのだそうです。

 動物管理センターとは、動物愛護法により、そのような動物を引き取らざるをえない施設です。(皆さん、動物愛護法を、そこまでチェックしていましたか?)

 そしてその担当の方は「できれば殺処分をしたくないのだけれども、子ネコ、特に生後間もないネコの飼育は難しい。そうすると、育てるよりは殺処分の方がその子ネコにとっては苦しくない…という判断に至る」のだそうです。

 骨折した競馬の競走馬を殺処分するのと似た様な考えかと受け取りました。

 ・・・この段階で、ある考えに至ります。

 「このような子ネコの殺処分を減らすために必要なのは、ペットの売買を禁止することではなくて、ノラ猫の避妊手術をすることですよね?」

 担当の方はそれに賛同してくれました。
 そして当然、行政として、そのような活動もしていることも付け加えて教えてくれました!

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 確かに、全国でもまだまだ数多い、犬猫の殺処分が、ペットの売買を禁止することによって、減少方向に向かうのかもしれません。
 しかし調べてみると、殺処分の数からしてその主要な要因は、ノラ猫の繁殖力の高さ、にポイントがありそうです。

 もちろん、そもそもネコが販売されない状態になれば、ノラ猫の数も減るのかも知れませんし、ペットの売買が禁止されることで、殺処分を待つ子ネコが引き取られる件数が増えるかもしれません。

 ですがそれを証明するためには、

 (プランによって変化するだろう将来的な)ノラ猫の繁殖力<子ネコの引き取り数

とまで言う必要があると考えます。
 更には、「本来子犬が欲しかった人が、子ネコを引きとってくれるのか?」とか、「血統書がない子ネコを引き取る件数が増えるのか?」といった要素も、検討しておく必要はあるかと思います。

#ペットを買う消費者が何を求めているのか、という傾向を掴む必要も…。

 要は
 「ペットショップでが販売されている。統計資料がある。」
 「が引き取られて、殺処分がなされている。統計資料がある。」

からと言って、ペットショップで販売されている猫と、施設に引き取られる猫とが一致しているわけではないのであり、それゆえ、“殺処分に対する”プランの効果はいかほどかは分からないよ、ということです。

=====

 なおこの話は、ペットの売買を禁止することのメリットがない、とも言っていませんし、殺処分が全く減らないとも言っていないことを、念を押して伝えておきます。

 こちらのBlogで、ディベーターが「現場を見る」ことのメリット・デメリットが論じられていますが、メリットのうち「第一に、大きく的を外れた議論を簡単に見抜く」と書かれています。
 そこが、特に社会について十分な視野の広さを持っているとは言えない中学生にとっては大事だと思っています。

 社会見学は、大事です。
 生徒にとっても、教員にとっても

 見学せずとも、視野は広がるかもしれませんが、現場だからこそ学べる情報が、あったりします。

 尤も、見学をすれば、勝てる、とは、限りません
 見学をした上で、どれだけ考えて、自分の意見を育てるに至るのか、は、また別な要素が多くありまして…(^^ゞ

=====

 さて話を戻しまして、現状には、ペットを虐待する人、ペットを安易に捨てる人、が、いることも間違いではありません。
 問題は、存在します。

 そんな中、ペットを大切にして殺処分を減らそう、という動きがあって、実際に効果を挙げていることは、貴いと思います。

 ちなみに、ふと考えてみると、ノラ猫は依然多いですが、ノラ犬って、昭和の時代と比べると、ほとんど聞きませんよね。
 どうしてだと思いますか?
 そのあたりが、殺処分数で、犬のほうが少ない理由に繋がっているようですよ。

 この論題、調べると、奥が深いです。

 以下、次回に(^^)/

#高3の担任でもあり、記事を作成するゆとりがいつ生じるか分からない、という
#実情であることもお伝えしておきますm(__)m

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コメント

ブログじっくり読まさせていただきました

明日、ディベートがあるのでとても参考になりました。ありがとうございます。

投稿: ニコル | 2013.02.14 18:03

>ニコルさん
 お読み下さり、有難うございました。
 ディベートに取り組んでくださることにも感謝です。
 有意義なディベートが体験できること、お祈り申し上げますhappy01

投稿: NAKO-P | 2013.02.18 00:25

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