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2008年11月23日 - 2008年11月29日の5件の記事

2008.11.27

知恵がお金を上回る最先端物理の探究:カムランド

 今日は出張で、今年度の宮城県高等学校理科研究会物理部会秋季総会・研究発表会に参加しました。
 午前中に行われた講演、東北大学理学部教授・ニュートリノ科学研究センター長の井上邦雄先生から「ニュートリノで解き明かす地球・太陽の謎」を拝聴しました。

 いやあ、刺激的に学べました!

 仙台で物理教員をしていると、東北大学の取り組みやカムランドでの研究成果、そして、物理学の最先端の素粒子物理学が前進している様子が、時々伺えます。
 でも、僕の想像以上に、井上先生のビジョンは進んでいました!

 ノーベル賞を受賞した小柴先生の取り組みに端を発し、やはり東大には多くの科研費が集まります。
 そこで「お金はないけど頭脳はある」と、知恵とアイディアで更なる発見を掴んだ東北大のチームは素晴らしいです。

 今回学んだことをダイジェストでお伝えすると

  • ニュートリノ振動は、異なるニュートリノの物質波の“うなり”のような現象
  • マヨナラニュートリノの存在と右巻きニュートリノの振る舞いを確定させるための現象をカムランドが観測できると、大統一理論に道を開くかもしれない。
     すると「CPの破れ」を越えて物質が残っているという、「なぜ私達は物質としてこの宇宙に存在するのか」という哲学的な問いに答えを出す!
    今年ノーベル賞を受賞した小林・益川理論は、出だしの考えとしては画期的な理論であるが、現状の宇宙における物質の存在については、16桁もズレが生じていて、修正理論の登場が待たれている。もちろん、東北大がそれを狙っている!)
  • 今話題の「ダークマター(暗黒物質)」の存在を、カムランドの施設を応用させることで、観測できるかもしれない。(お金が…)
    #井上先生に質問させて頂いて、ダークマターの概要と、どのように観測できるのか、ということが理解できました。
  • 地球ニュートリノの観測によって、地球内部の熱源(核分裂)の分布やマントル対流のあり方、その核分裂が自然に開始したり止まったりの仕組みなどが解明されるかも。
    #自然に核分裂が起きた証拠がアフリカの鉱山にあった、という話を、初めて聞きました。いやぁ、地質学鉱物学科出身なのですが…σ(^_^)
    #でも、この話が、地磁気の反転など、私が大学生の時からの謎=研究の最先端の話題を解決するかもしれない、という話にはワクワクしました!
  • 太陽ニュートリノの観測により、太陽での核融合の在り方が分かるかも。
  • カムランドの改良(機器の精度向上)により、スーパーカミオカンデでは可能で(ラッパ状に広がるチェレンコフ光の特性により)、現状のカムランドでは不可能になっていた(全方向に広がるシンチレーション光の特性により)“ニュートリノの飛来方向の特定”も特定できるかも。
     これにより、ニュートリノの振る舞いの原因(=何によってつくられたニュートリノががやってきたデータなのか)を特定できるので、更に精度の高い研究成果が生み出されるかも!
    #カムランドが、スーパーカミオカンデの建設によって払い下げられた旧カミオカンデだったとは知りませんでした…。

 上記に全て答えが与えられるとすると、ものすごくわくわくしますね!

 ちなみに、研究発表会の終了後、ニュートリノ科学研究センターを見学しました。

20081127155341

 

 

 

微弱な光を回路で検知可能な電流に増幅する装置(右側)について説明して下さる井上先生

 

20081127155812

 

 

 

 IBMのサーバー、800TB・・・すげぇ。

 

20081127160312

 

 

 

でも、そのサーバーを冷やしているのは…何年前の扇風機(^_^;)?
お茶目でした!

 

そうそう、ニュートリノ科学研究センターで研究している学生の3分の1が女性だとか。理科離れが言われている中、女性の研究者が多いのも特徴だということで、雰囲気的に知的な方々かなぁ、というオーラが漂う方々が見受けられました(^^)
 #あぁ、嫁さんに叱られる…ナンチャッテ(爆)

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 この職業をしていると、年に何度か、「この人は天才だよなぁ」と思える人に出会えます。本当に刺激になります。自己向上に限度なし!自己研鑽を続けようと意欲が湧きました。

 また、東北大理学部に向かうバスの中で一人、昼休みに入った理学部食堂で一人、本校の卒業生に会いました。
 こうして、(東北大学に限らず)先端の学問を学ぶような卒業生を社会の各地に送り出すことができるという仕事をしていることに、誇りを感じました。

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〔コネタマ〕「ピー太」って名前でした!

 桜文鳥の「ピー太」君を飼っていました。

 昨年、天に召されましたcrying

 桜文鳥って「ピッ」って鳴くので、最初妻が「ピーちゃん」って呼んでいたのですが、「幼鳥ながらこれだけ元気なんだからきっとピー太君(=オス)だ!」と、駐車場を歩いているときに僕が言ったのが由来です!

 今でも天の国から僕らを見守っていてくれているはずです!

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2008.11.25

世界の流れと私達と日本(1)-サブプライム破綻は必然!

 去る23日(日)、9条を守る加茂の会の4周年記念のつどいで、川端純四郎先生のお話「世界経済と日本の進む道」を伺いました。

 先生のお話で、ニュースを賑わす世界の大きな諸問題が、関連して起こっているその流れを理解することができました。

 知らない、ということはいかに怖いことか、学びはいかに大切か、報道のニュースだけでは大局的な視点を持てないものか、ということを実感しました。

 ここで、メモを頼りに、先生のお話の要約を作成してみます。

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#タイトルは私が付けています。

サブプライムローンによる破綻は、必然の結果!

 経済の世界的な悪化を招いた『サブプライムローン問題』ですが、「何故アメリカは、このような大きな問題になることをしたのか?問題は回避できなかったのか?」と、素朴な疑問が湧きますよね。

 そこに至る大きな流れがあった、ということです。

 根本的な問題は、アメリカの産業の衰退、なのですが、それが何故引き起こされたのか、というと、長期にわたって貿易赤字を膨らませてきた結果です。

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ここ30年ほどのアメリカは「輸出に頼らず、輸入できる大国」であり続けた

働かなくても買い物ができる

国内産業が発展しない
-----

という流れです。(本当に簡単に表現していますが)

この流れに、日本が関わっていることも分かりますよね。
◆日本は「アメリカが買ってくれることを前提」に国力を維持していたわけです。
◆今後も「アメリカに買ってもらう」ための外交政策を続けられるのでしょうか?
“永遠に買い続けてもらう”のは、無理なんです。
◆ だから、破たんの兆しが感じられるのです。
◆ …どうしましょうね?また、どうするのでしょうね?>麻生さん、政治家の皆さん

 国内産業が衰えているアメリカの銀行は、結果として利子分のお金を生み出すことができない状態となります。
 そこで、まずは『株投機』を行いました。

#世界中の会社は、その会社の業績に関係なく、株価が大きく上下しました。
#“振り回された”形です。

 ですが、それでもダメ(=利子分のお金を生み出せない)ので、『為替投機』、石油や穀物への『先物取引』を行います。

#これはNHKの特集でも見ました。
#とにかく「お金が増えるところ」に、多額の資金が集中するのです。
お金が増えれば、喜ばれるのです。
#…同時に、穀物や石油価格の高騰、という形で、私達の生活は大打撃を受け
#ました!

 そして最終的に、アメリカ国内の(正確ではありませんが簡単にいえば“貧乏な”、もう少し正しく言えば“ちゃんと返済してくれる可能性が低い”)人にお金を貸し、その借用証書(いずれ利子を付けて返済してもらう)を証券にして売りさばく、という『サブプライムローン』という形で、銀行は利子分のお金を生み出そう、とする訳です。

 ・・・> 破 た ん しますよね!

 最終手段の『サブプライムローン』というもの自体が、儲けがあるとは限らないものだ、と素人目で見ても思いますが、その背景は「アメリカの銀行は、何をやっても利子分のお金を生み出せない」=「アメリカの国力は、持たない!」という流れです。

 これは、1国、2国で止められるような流れではありません!

 なお、銀行が投機にお金を使うということは、銀行からお金がしょっちゅう出入りする、ということです。
 「銀行は、皆さんから預かったお金をただ金庫に入れている訳ではないのですよ」との先生のお話。銀行とはいかなるものか、も分からないと、この話は把握できませんね。

 ところが銀行は、万が一「お金を下ろしたいです」という人がたくさん来た場合を想定して「自己資本比率8%」という決まりごとを設けています。
 上記の各投機が順調でない、ということは、銀行側の手持ちのお金が徐々に減って不足する、ということですので、「これ以上お金は出せない」という状態になります。

 そこで、「貸し渋り」「貸し剥がし」ということが起きます。

 景気が悪くなる、大きな流れがそこにもあります!

 一方で銀行は、投機に大々的に資本を活用することも、できなくなってきました。
 その結果として、最近の小麦の価格、石油の価格が安定しつつあるのです。

====================

 今回はここまでです。
 世界の流れ自体が、国家を超越するような大きな流れなのですから、先生の話は多岐に渡っていて、しかもそれらが関連づいているのですから、どれをどういった順番でまとめたらいいのか、悩みつつも、このお話を聞けなかった友人から「後で内容を教えてね!」と頼まれていますので、連載という形で、自分の考えも整理しつつ、内容のまとめを作成する次第です。

 この多岐にわたる内容を、僅か1時間20分で説明して頂いたわけですから、「詳細は5分10分では説明しきれないのですが、簡単に言うと…」というお話が多いのも仕方ありません。逆に、簡単に表現してもらっているお陰で聞いている私達の側は理解できるのですが(^^ゞ、要約の内容があまりに簡略化しすぎているかもしれません。その点はご了承願います。

 まとめながら生じた疑問点は後程、川端先生に質問したいと思います。

 こちらをご覧の方の、学びの参考になればと思います。

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2008.11.23

進化する“ディベートde総合的な学習”

 以前、岩手県立盛岡第三高等学校の総合的な学習(略して“総学”)で行うディベートに関して協力していることを書きましたが、実は様々な助言は続けさせて頂いていて、困難を乗り越えつつ進行しております。

 特に、ディベートを授業やホームルーム等で導入したことのない私にとっては、現場の声を率直にお聞かせ頂けていること自体がものすごく貴重な経験となっています。

 また、NADEのディベートに、ある程度長く主体的に関わっていると、そういった困難を乗り越えるためのノウハウが幾つも思いつくのです。

OBOGの皆さんにも、そのノウハウがあるはずですので、地域でのディベートの取り組み
#に困っている方がいらっしゃったら、ご協力・ご助言のほど、よろしくお願いします。

 その中で、2つのアイディアが生まれました。

1:定義とプランが提示された論題の提供

~~《佐々木先生宛のメールより》~~

>今日生徒の方から、
>
>「『夫婦別姓』って具体的に何を指すのか定義がはっきりしないと議論にならない
>んですけど、配布された資料(ディベートアゴラのモデル立論です)の定義をその
>まま使っていいですか?」
>
>「少年犯罪の実名報道については、具体的に何歳からこんな条件で、って区切っ
>てもいいんですか?でないと話が広がりすぎて収拾つかなくなりそうで」
>
>お~君たちはなんてかしこいんだ!
(中略)
> ガイダンスのときから、できるだけ専門用語を省いて説明してきたので、立論
>シートも定義とかプランとか、書く欄をきちんと設けていなかったのですね。
(中略)
> やはり「定義」とか「プラン」とか、教えることを面倒がらずに、きちんと形式に
>のっとってすすめるべきでした・・・。

 これは僕も勉強になりました。
 議論をかみ合わせるためには、前提条件を共通にしておく必要があって、それが「定義」及び「プラン」なのですよね。
 大学生以上のディベートですと、「定義はそれでいいのか」という点もディベート上で争われるのですが、中学生以下だと、最低限の定義とプランを付帯文で定義してあげておいた方が親切だ、と言われています。
 高校生ですと、例えば夫婦別姓にも様々な形式があって、今回のディベートでは~~を認める、と考えることも学習でしょうから。
 そうすると、定義やプランを決めるのが、議論を始める前に必要なんだよ、という指導が必要なのだなと。

… … (別なメール) … …

> 論題と決めるときに、今回は中学生のように定義とプランをこちらで提示すること
>にしよう・・・と思って立論シートに記入欄を設けず、あえて説明もしなかったのです。

 なるほど。他校にディベートの論題を薦める際には、少なくとも定義に関する解説を付しておく必要があるのですね(^^)。

#例えば、「積極的安楽死」と「消極的安楽死」「尊厳死」との違いや
#夫婦別姓のあり方、など、教員側も知っておいた方がいいですよね。

~~~~(引用終了)~~~~~~

 ディベート甲子園要に『論題解説』があるように、これから総合的な学習でディベートを取り入れようというする学校宛に、更に簡潔かつ必要な内容の書かれた解説があれば、先生方も生徒も、よりスムーズにディベートに取り組めるのかな、と思いました。

2:リサーチの期間に、短いフォーマットでのテストマッチの実施

 これは担当の佐々木先生が「(準備に充てる時間が終わりそうなのに)生徒の準備がパッとしなくて(T_T)」という嘆きのメールに対してのアイディアでした。

~~《佐々木先生宛のメールより》~~

 試しに来週、練習試合をしてみたらどうでしょうか?
 一番できていそうな2チームを、立論シートのままやってごらん、とするのです。
 時間が余る=間が持たない時の恐怖、というのは、体感しないと分かりませんよね。(まるで準備をしていない授業をするような感じなのですが(^_^;))

 そして、間が持たないチームのディベートが、説得力を持つはずがなく、ジャッジはそれを目の当たりにすることになるのです。
 判定シートに「改善してほしい点~弱い議論と感じた点・反駁で小さくなった議論」の欄があります。
 (大会ではないので)ジャッジは結構気楽にクラスメイトの議論を聞いて、「やっぱりそれじゃあ弱いねぇ」と、そのシートに書いていくのです。

 そうすると「実はうちらも、ああなるの間違いない!やべくね?」となって、手を加えていく訳です。

 宮城野高校でも、一番最初にやったチームが「もう一度やりたい」と言っていたと聞くのですが、それは「最初はコツがわからないから負けたんだよぉ!」という心の叫びの裏返しかもしれませんね

 ということで、わざと良さげなチームを各クラスでピックアップして、さらにわざと短いフォーマットで練習試合をさせて、「このままでは本番は大変だ!」「でも、お試し試合でよかったね~」というようなことで、生徒の現状を自覚させる、というのがいいかもしれませんよ。

… … (別なメール) … …

 実際に試合をしてみると、準備不足のチームは恐らくショックを受けると思うのです。試合の勝ち負け、というよりも、ジャッジの多くから“評価されない”ということですから。一方で、多くの人に伝わった、という勝った側の喜びは、今後に生かされることでしょう。

 ということで、ミニディベートで練習試合をしてみて下さい。

肯定側立論:2分
 (準備:1分)
否定側質疑:2分
否定側立論:2分
 (準備:1分)
肯定側質疑:2分
 準備:1分
否定側第一反駁:2分
 準備:1分
肯定側第一反駁:2分
 準備:1分
否定側第二反駁:2分
 準備:1分
肯定側第二反駁:2分

 合計20分
(立論の交換がなされていない場合には、質疑の前に準備時間を入れて22分)
*話す内容がなくても、時間が残っていたら、計時し続けます。
 空白も、経験と勉強のうちです(^_^;)

 必ず、勝敗判定をさせて下さい。
 例の勝敗判定の紙に、良かった点、悪かった点を書かせて、練習試合をした生徒たちに「君たちのディベートは、聞き手にこのように伝わったらしいよ」として、「ディベートは肯定・否定の双方に一理ある論題が設定されてます。来週までに改善点を改善すれば、負けたチームも勝てるかもよ。勝ったチームも、聞き手に更に伝わるディベートを目指そう」、また「ジャッジの皆さんも『明日は我が身』で、自分たちがディベートするときには、聞き手に何を伝えたらいいのか、良く考えてね」としてみてはどうでしょうか

 このミニディベートで練習させる、というのは、宮城野高校の時にはない、ナイスアイディアだと思っております。その効果が実際にはどうなのか、是非お聞かせ下さい。

… … (別なメール) … …

>ついいましがた、バロッドシートを提出しにきた生徒から
>『すっごい面白かった!!13対12で白熱しました!』
>といわれ、ちょっとほっとしました(^o^)
>
>テスト前なんだから自習でいいじゃん、という生徒も文句もあったのですが、強行突破
>してよかったです。

~~~~(引用終了)~~~~~~

 これは、我ながらナイスアイディアだったと思います。

 そして、この実践で、盛岡第三高校の先生方及び皆さんは、ディベートの教育実践において大切なことに気づいて下さるのです。

~~《佐々木先生宛のメールより》~~

> ディベート=「話す能力」を培う・・・というイメージが一般的にはありますよね?
> 「言い負かすゲーム」という誤解も。
>
> でも昨日の試合を見た先生方は、ディベートを通して「人の話を聞く力」が不足して
> いることを感じた・・と言っていました
> 話を聞いて、それに応えて意見を返す・・・これってすごい訓練ですよね。

 佐々木先生ほか、盛岡三高の先生方がこの点に気づかれたのでしたら、とても素晴らしいです!

 全くその通りで、ディベートで大切なのは「聞く力」です。
 しかも「あとで話すため」という目的を与えて、“スイッチ”を入れた状態で相手の話を聞くことになるのです。惰性で聞くのとは違う「聞く訓練」になります。
 また、自分の意見を述べるためにも、相手の話を聞き、それを理解するからこそ、自分の意見が出るのであって、それで初めて「表現」に繋がります。これはディベートでも、小論文でも、面談・面接の応答でも一緒です。

 また「人の話を聞いて理解する」という能力は、普段の授業の場面でも、絶対に必要な能力なのですから、その資質を伸ばすことは重要で、他の先生方からも賛同を得られるはずなのです。(授業中に「話を聞け!」と叱るだけでは、話を聞く資質を伸ばせないはずなのです(^_^;))

~~~~(引用終了)~~~~~~

 終わっていない段階なのですが、僕はとっても嬉しいです!

 最終的に良い学びとして終わることを、とても期待し、最後までサポートしたいと思います!

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初めてディベートの講師に。更にご意見に答えます

 去る11月7日に石巻市立門脇中学校で行われた『平成20年度石巻教育研究会国語研究会 一斉授業研修会』の講師を務めました。
 もちろん、長い間一緒に活動させて頂いた三浦二三夫先生が事務局に関わっていて、石巻の先生方に「講演の話を聞くより、論より証拠で、中学生のガチンコの試合を見てもらおう」という趣旨での研修会を企画して下さったからこそ、声をかけて頂いたと思うのですが、私にとってはディベートに関して、このような公式の研修会の講師を務めさせて頂くのは初めてでしたので、光栄ながらも緊張しました。ですが、ディベートとはいかなるものか、を伝えるのは、生徒対象に何度も何度も繰り返していることですし、また、現場の先生方がどういったことに困っているかは、同じ職業の人間としてある程度イメージできましたので、その点はうまく伝えられたと思います。

#前回はこの、全体研修会の後に特別に設けてもらった時間の講師でした(^^ゞ

 三浦先生のこの意図はバッチリ当たっていまして、31通集まったアンケートのうち16通に「ディベートは知っていましたが、実際の試合を初めて見ました」という趣旨のことが書かれていました。
 約半分が、実際のディベートを見たことがない、という結果ですが、全国的にもそのくらいの割合ではないかな、と予想します。ディベート甲子園が行われて13年経って…半分でも御の字でしょうか?

 ただ多少、話の取捨選択に失敗して、時間が不足して、特に「小学校ではいかにディベートに取り組むか?」を伝えきれなかったなぁ、と反省しました。

 予想通り、アンケートにはその点を指摘した声が2つありました。
 アンケートの声は少数でも、実際には多くの先生方が、こちらのアンケートのような疑問や意見を持たれているのではないかと予想します。

 それらの声に明確に応じるのが、本当は大切だったはずなのです!

 ということで、多少時間的な遅れはありますが、『Debateフィードバック掲示板』の専用ツリーにて、順次応じていく予定です。

 ちなみに試合は、参加して下さった先生方に挙手で投票してもらうオーディエンスジャッジだったのですが、圧倒的に門脇中学校への投票が多かったです。

#挙手の投票方法は、池田修先生が実践された方法ですhappy01

 この判定の後「それぞれの先生方が判定意見をお持ちだと思いますが」としてしまったのですが、会が終了して「先生(名越)はどのような判定だったのですか?」と質問を受けました。これは的を射た質問で、「講師としてきている同じ学校の教員はどちらに投票するのか?」「例えばこのディベートをどう評価したら良いのか?」という疑問には答えておくべきでした。

 私も、門脇中学校のメンバーの勝ちだと思いました。

 勝敗判定的には、肯定側の本校が相手の議論を過度にドロップしたという判断をしました。
 肯定側が否定側の「多くの人がデメリットを被る」という主張を、質疑で「でも本当は、緊急時に遭遇するような、ごく限定的な人が被るでメリットですよね?」ということを確認して、それ以降、相手の議論は小さい、として試合が進行しました。ディベート甲子園ではこのような形で肯定側が勝つケースが多かったと思うのですが、今回はそう小さい議論ではない、と判断したジャッジが多数でしたし、私もそう思いました。ですから「多くの人に我慢してもらってもなお、被害に遭う小中学生を救うためにプランを実施すべきその理由」をきちんと説明していない肯定側は、説得力に欠けると判断しました。

 次に、今回は、多くの先生方に見てもらうということで、両校で立論を交換した状態での試合にしました。(正確に言うと、本校が全国大会で使った肯定側立論を本校が、否定側立論を門脇中学校が使いました)
 そこで門脇中学校は、この両方の立論が戦えば、否定側の結論としては「数」の議論で勝つ、しかない、と見定めて、第一反駁及び第二反駁までよく準備していました。
 この点でも、本校も練習を積んで臨んだものの、相手の方が上回っていました。

 最後に、ディベート甲子園の東北予選・3位決定戦、つまりは全国に行けるか否かの大事な一戦で本校に敗れた門脇中学校が、リベンジに燃えて良く頑張ったのが感じられました。試合というものは「競技に臨む真摯な気持ちを持ち合わせているか否か」が大きな要素になるものだと思います。

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 私はディベート部の顧問ですが、教科等の関係で、授業やHRでディベートを扱う機会がものすごく少ないものですから、現場からの声が講師としての私にフィードバックされることは非常に貴重でした!

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