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2008年8月10日 - 2008年8月16日の5件の記事

2008.08.16

共通論題と定番論題と「ディベートは楽しくない」…

 今年も募集しております08【共通論題】に、新しく5題を追加します。

(既にに提案済み)
☆過去のディベート甲子園論題より

1:日本は救急車の利用を有料化すべきである。是か非か

☆NAKO-P提案
2:日本は高速道路の通行料を無料化すべきである。
3:日本は少年犯罪の加害者の実名報道を認めるべきである。
4:日本はデポジット制度を導入すべきである。
5:日本は混合診療を認めるべきである。
6:日本は終身刑制度をを導入すべきである。是か非か
7:日本の基礎年金は税方式に移行すべきである。是か非か

☆昨年残った論題候補より
8:大学入試過去問題の再利用を禁止すべきである。是か非か
9:日本は『赤ちゃんポスト』制度を積極導入すべきである。是か非か

(ここより新提案)

☆池田修著『中等教育におけるディベートの研究~入門期の安定した指導法の開発~』p.126の「ディベートを教える」論題より

10:日本の中学・高校は制服を廃止すべきである。
11:日本の中学・高校は、生徒のアルバイトを認めるべきである。
12:日本の中学・高校は掃除を業者に完全に託すべきである。

NADEの定番論題より、第13回ディベート甲子園にて、即興ディベートに用いられたもの

13:日本はサマータイム制を導入すべきである
14:日本は国会を一院制にすべきである。

※13は、ディベート甲子園でも2度採用されている

… … … 

 皆さんから是非、下記の観点を参考に、御意見を賜ることができればと思います。

  A:論題に対する賛成意見(「これやってみたい」など)
  B:論題に対する反対意見(「この論題は肯定(否定)に偏っている」など)
  C:ワーディングに関するご助言
  D:その他の論題案(「それをするならこちらの論題の方が…」など)

 専用のツリーも準備しておりますので、幅広く御意見を伺わせて下さい。

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 《定番論題》とは、どのような論題なのでしょうか?

 池田修著『中等教育におけるディベートの研究~入門期の安定した指導法の開発~』p.127の脚注に「定番論題集とは、先行実践が豊富にあり、指導を行う際も教材が簡単に入手できるものを指す。」とあります。

#このように、ディベート実践に関する用語の定義を探し求めることができます。
#池田先生の著書をバイブルとして末永く活用したいと思うメリットが、ここにもあります。

 さて、この《定番論題》よって、ディベートの授業は普及したのかと言われると、現状はそこに至っていないと思われます。
 つまり、先行実践の豊富さや、教材の入手の容易さだけでは、授業へのディベートの導入し易さに繋がらないと思われます。

 何が足りないのでしょうか?

 現在に至るまでにディベートに対する研究が進み、また日本のおかれている環境も変わり、《定番論題》が既に定番と言えない状態になっている可能性が高いと思っています。この点に関しては、今回の記事の最後に提案をします。

 ですが、《定番論題》が提示されているだけでは、授業へのディベート導入はうまくいかないのだろう、という気がします。

 実は【共通論題】を用いたディベート実践も、ディベートを授業に導入してもらうためのプロトタイプに、と考えて実践してきたのですが、いつも挫折しています。受け入れられなかった実例もあります。

 一方で私は、授業でディベートを行ってもらうことの支援に成功した事例が、2つあります。一昨年の「宮城野高校」と今年の「涌谷中学校」です。(涌谷中学校の件はこちらのBlogには詳しくは書いてませんが、非常に嬉しい結果が得られたとメールをもらっていまして、私もとてもうれしく思っておりました。)

 どこが違うのでしょうか?

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 ディベートはそんなに楽しくない」と、本校ディベート部のOBが言います

 あれ、お前だって面白いと思って続けてたんじゃね?とか思いましたが、彼も、いつも「楽しい」と感じていたわけではない、と言います。

 どういうことなのか?昨年の「東北ディベート交流研修会」が始まる前に、そば屋で話を聞きました。
 すると、とても大事なことを指摘してくれました。

… … …

 ディベーターは様々だ
  ・初心者
  ・初級者
  ・中級者
  ・上級者
  ・マニア

 それぞれ、ディベートの何が楽しいか、という感じ方が違う。

… … …

 つまり「NAKO-Pがどれだけ『ディベートは楽しいぞ~』と言っても、実は『ディベートはおもしろくない』と感じている人が、私達ディベートの普及を図る側が考える以上に、結構多くいる」ということなのです。

 すなわち「ディベート普及案の“ミスマッチ”」な訳です!

#高校論題に取り組んだ人なら分かりますね?

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 つまり、ディベートの普及を考えた場合には、ディベートを教える相手に合わせた指導プランや方法の提示が必要だ、ということなのです!

 「宮城野高校」さんや「涌谷中学校」さんには、授業を担当する方の話を丁寧に聞いて、アドバイスを重ねました。これが功を奏したと思います。

 『中等教育におけるディベートの研究~入門期の安定した指導法の開発~』で池田先生が提示する『シナリオ方式』は、「あくまで入門期の指導方法」と、p.144に明記されています。
 すると、ディベートに初めて触れる生徒たちが授業で行うには、良い方法かもしれません。

 それが、対象が高校生・大学生になったり、部活で取り組んだり、ましてやディベート甲子園などの公式大会に出場する、という人たちに対しては、別な指導方法を取り入れる必要が生じてきます。

 この差は、ジャッジの差に由来するものと思われます。
 教室ディベートでのジャッジは、主にクラスメイトですが、大会のジャッジは、大会を運営する方々が依頼し、多くの場合は謝礼を渡し、責任を持って引き受けて頂く方々です。
 端的にいえば、説得に必要な論証の程度がとても違う、ということです。

 このギャップを埋めて繋ぐ、ディベート指導方法の体系が、整っていない!
 確かに、入門期の指導方法として「シナリオ方式」は、ある程度普及していると思っています。
 そこで「ディベートが面白い」と思ってくれた生徒たちに、「次のレベルに行くまでには、ギャップがあるんだよ」と示して、そのギャップを乗り越える方法を導く、まさに指導するための方法が、もっと研究されるべきなのだろうと思います。
 既存の指導方法を体系的に取りまとめる仕事が待たれます。

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 話を戻して、まとめとして提案しますと…
 ディベートの普及のためには、それぞれのレベルに合わせた定番論題を編纂し直す必要があると思います。

 それはつまり、様々なレベルのディベーターがいることを前提に、それぞれのレベルのディベーターがそれぞれ“楽しい”と受け止めてもらえる論題、という形で、グレードを分けて準備する必要があるだろう、ということなのです。

 NADEの動きを待っていられないでしょうし、「~~がなければ出来ない」では、いつまでたってもできませんから、自分なりに少しずつ考え、提案していきたいと思います。
 (次なる提案がありますが、以下次号へ。・・・引っ張ります(^^ゞ)

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2008.08.15

貴重な成果物!

 勝ち負けに囚われていたり、挫折で立ち止まっていては、来年、より高いレベルのディベートには達せず、それでは恐らく勝利を得ることはできません。
 ですが毎年、論題が与えられて選手として議論づくりを中心としたディベートに取り組むだけでは、中々上達はありません。
 どこかでディベートをより良く学ぶ必要があります。

 更には、ディベートの裾野を広げ、練習相手、そして仲間を増やすことが、巡り巡って自分のためになるはずです。

 そのためには誰かに、ディベートの本質を伝えるための“成果物”を作って頂く必要があります。
 その作業は、実に面倒なものです。

 08年、単純に競技に取り組ませるだけではディベートは広がらない=未来はない、ということに気づかれている方々によって、多くの素晴らしい仕事が為されました。
 7点紹介します。

【ディベートテキストを2点】

1.『中等教育におけるディベートの研究~入門期の安定した指導法の開発~

 京都橘大学文学部児童教育学科の池田 修先生が、中学校教諭時代から蓄積したノウハウをまとめて1冊にしたものです。
 これはもう、いい仕事をして頂きました!…というか、以前より何度か話をしていて、心待ちにしていました。

 中高生に対するディベートの指導を、体系的にまとめて頂いたこの本は、ディベート指導のバイブルになると思っています。

 今までは個々人が、それぞれの工夫を施して、中高生に対してディベートの指導をしていたと思うのですが、その指導がどの部分に位置づけられるのか、ということが明らかになります。すると、個々人の工夫の良い点が加えられ、また、改善点も見出しやすくなります。

 ただディベートの指導は、各校、各支部の指導者及びOBOGの努力によって、この本の示すところより進化・発展している部分もあるのが実情だと思っています。

 ですが、この本を道しるべに、次に続く研究者が登場することでしょう。更なるディベートの指導方法が世に提示されるきっかけが形成されたのは間違いありません!

 このようなお仕事は、フロンティアに最も貴き輝きがあります。教室ディベート界からは池田修先生に最大の讃辞が送られるべきでしょう!
NADEもしてくれないような、ディベート指導の体系的なまとめという仕事を、代わって引き継ぎ、担って下さる方でない限り!!)

2.『ディベートワークブック』

 実はこのテキストは、一昨年入手しています(^^)
 このテキストは、ディベート甲子園の主要な役割を担う、著者のお三方がディベートに、本当に“精通”していて、とても大切な内容が網羅されています。
 ですが、大学生ならOKかもしれないのですが、恐らく中高生が一人でこのテキスト“だけ”を元にディベートへの理解を深めるのには、ちと厳しいと思うのです。
 やはり大学の“学生”とは違い、中高の“生徒”は、教師から学ぶ、というスタイルの方が、学習の効率が高いと思うのです。
 そこで、このテキストを使ってディベートを学んでいる人をフォローする仕組みが、ネット上にあれば、更に素晴らしいだろうことは、久保さんには一昨年伝えていたところです。
 すると今年は、このテキストが参加者全員に配布(=プレゼント)され、同時に、テキスト使用者からアンケートを寄せてもらう、という仕組みが施されました。

 CoDAさん、やりますねえ(^^)!
 本校の後期の活動でこのテキストを活用し、最終的に生徒たちからアンケートに応えさせたいと思います(^^)

【映像について2点】

3.読売スペシャル「知の格闘技 ディベート甲子園2008」

 全国の会場にカメラが取材に入っていました。
 全国のパンフレットにも記載されています。

 …ただ、日テレG+、有料なんですよねぇ(T_T)
  無料だったら、見れたのに…。

 映像に関してはもう1点

4.「エル・ネット(教育情報通信ネットワーク)

 決勝戦の模様が、インターネットで動画配信されるようですが…

 …いつ配信されるんでしょうねぇ(^^ゞ?

【マンガ!】

5.「T/A」

 CDC:中央大学ディベートサークルにて近日公開されるそうです!

 「ディベートの普及のためのマンガ」と銘打ってあります。
 中高生のディベート勧誘に役立つような作品になることを期待します!
 この作品の作成にも、ディベート甲子園OBOGが関わっています。このような成果物を残してくれる動きを担って下さることに感謝です。

 同時に、中央大学に進学すると、日本語ディベートが続けられる、という情報を得て、少し嬉しかったです(^^) やっぱり、高校卒業後に日本語ディベートを続ける環境・大学は、中高のそれより少し不足しているかな、という印象がありますから…(CoDAさんも頑張っておられるのだとは思いますが…)

【ネット上での取り組み】

6.OBOG会仮登録

 まずは、作って下さった方に感謝です。
 OBOG会の入会資格は、会則の「第7条 会員の要件」に「ディベート甲子園およびその地区予選に関与した18歳以上のものでなければならない。ただし、高校在学中及び高専の3年生以下の生徒は会員の資格を持たないものとする」とありまして、つまりは高校卒業後に入会できるのですが、受験が終了した微妙な時期に入会の案内を…といっても、OBOG会側にすると「どちらに案内を差し上げたらいいのでしょうか…?」と、高校というチャンネルも薄れてしまう時期でして、困っていました。
 それを改善する仕組みとなっております。
 入会の是非は、案内をもらってから御判断頂くとして、ひとまずの仮登録をよろしくお願いします。
 OBOG会ですが、今年の総会が非常に建設的で盛り上がりました。それを元に、只今活発に活動を仕掛けている最中です。

7.08年【共通論題】策定

 ディベート甲子園とは違い、自分たちのやってみたい論題を、自分たちで検討して決定することに意義があると思います。
 今年も、Debateフィードバック掲示板に専用のツリーを設けました。
 論題の募集や検討等、進めたいと思います。
 私の方からも新しい論題案を加えました。
 幅広いご協力をよろしくお願いします。

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 以上のように、勝ち負けを超えたところに、ディベートの発展があり、それを担って下さる方々の成果物をご紹介させて頂きました。(【共通論題】は手前味噌ですいませんが、東北の中高生にとってはものすごく効果の高い取り組みなのです。)

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2008.08.14

指導(3):質問→まとめ→発表はディベートの技

 AO入試(II期)の指導、ディベート甲子園前はあまりに忙しくてUPがませんでしたが、指導は続いていました。毎日レジメを作成しておりました。
 この休みを利用して、少しずつUPしたいと思います。
 今回は3日目のレジメをUPしました。

 これは、ディベートの各種セミナーでアイスブレーキングとして用いられる「他者紹介」の応用です。

 やっている内容は一緒ですが、聞く内容は

  • なぜ、他の大学ではなくて、東北大学なのか?
  • 数ある学科の中で、その学科を選んだのはどうしてか?
  • 大学では何をしたいのか?
  • 卒業後、何をしたいのか?

と、志望理由書で書くべき内容であり、当日の面接で聞かれる内容です。
 この内容を、友達に説明できなければ、今後の準備はまるでダメですよねcoldsweats01

 仮に、現段階での考えが足りなくても、パートナーから質問してもらうことによって、今のうちに引き出してもらえば、後々楽になります(^^)

 それを分かりやすくプレゼンする、というのも、訓練の一つ。
 上記大切な内容、しかも自分のことを、他者から説明されることによって、志望理由としてまとめるべき内容を、更に自分の中で意識できるものにしてもらえたらと思うのです。

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2008.08.13

授業づくりネットワークin仙台 にて学ぶ

 ディベート甲子園の次の日ですが、仙台・東北福祉大学国見キャンパスで行われた『授業づくりネットワーク2008in仙台』の、2日目の…午後のプログラムを見学してきました(^^ゞ(さすがに朝からバリバリ、という訳にはいかず…m(__)m)

 既に知らない方も多いと思うのですが、ディベート甲子園や全国教室ディベート連盟は、授業づくりの中で「ディベートという教育手法がある。これを授業に導入すると、相当な効果が望めるのではないか」というように考えた先生方が集まって、授業作りネットワークから特化する形で、『全国教室ディベート連盟』という、授業にディベートを導入するノウハウ(教室ディベート)を広め、更にはその成果を試す全国大会を開く組織、が生まれたのです。(概略ですいません。詳しいことが書いたサイトがあれば教えて下さい。その後の動きは、筑田先生の【こちら】を)
 その関係で、ディベートで知り合えた方々に、再びお会いして挨拶をすることができました。
 (日程的にかぶってしまったのは、該当の先生方にとっては残念なことだとは思いますが…)

 更には、僕は教員になって13年目なのですが、教員になる前後に、パソコン通信でお知り合いになった方々に…約10年ぶりにお会いできた人、互いの存在は十分に知りあっていたものの、初めてお会いした方もいて、僕にとっても喜びと刺激の多い日となりました。

 授業づくりネットワークの中で旬な話題の「授業に笑いを」という実践に特化した「お笑い教育祭り2」を見学しました(^^)
 その、10年ぶりにお会いできた方は、『お笑い教師同盟』で大きな役割を担っている方なのです。
 授業の効果を高めるためにも、笑いがたまにあったほうがいいと思います。
 ただ、今回見学したのは、小学校の実践が多く、それは馬鹿馬鹿しくも(^_^;)全体的に盛り上がり、一つの方向に向かって取り組んで、何か印象深いものが残る、という作りになっています。もちろんその中にも、反復など、授業実践者の意図が反映されているつくりになっているところが、ただのおふざけとは違うところです(^_^;)。ですが、高校物理ではちょっと(笑)

 会場で、ディベート授業のサポートをさせて頂いた、涌谷中学校の先生にお会いしたのですが、宮城県でもこのように、授業の質的向上を目指して研究・研さんを重ねている方々がいるのだな、と思いました。

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 さて、最大の収穫は、日本教育大学院大学の北川達夫先生による「フィンランド教育に学ぶ対話型授業」の講演を聞けたことです!

 北川先生は外務省にお勤めの経験があり、国家間交渉の場で恐らく責任のあるお立場になった経験があると思われます。そういった交渉の場では、「相手も人間である」が唯一の共通点であり、それを頼りに(互いの違いを尊重しても理解しあえる可能性がゼロではない、という希望を頼りに)行うコミュニケーションが必要とされる、ということが背景にあると思われます。

… … …

【対話に必要とされる技能】
<前提:相手のことは分からない>

1.徹底した言語化
言わなければわからない。

2.自己移入(←→感情移入)
 相手のことは分からないから、自分を相手と置き換える

3.バイアスの表出化/価値の相対化
 価値観を共有しているという幻想の排除

… … …

(補足:口頭で説明されたこと)

0.相手の考えの尊重
 何を言ってくるかがわからないから、いったん受け入れる。
 (理解がないのに)切り捨てることは、かなり危険である。
 (外交交渉においては、相手の琴線に触れて、深刻な事態を招く可能性がある)

… … …

 教室ディベートが、この対話型授業の典型なのです!
 ですから、この前提を元に、議論を構築するよう指導する必要があります。

 「相手の主張をいったん受け入れる」というのは、中高生、特に中学生にとってはハイレベルなスキルが必要な話です。高校生だと器量が増しますから(^_^;)
 いったん受け入れようと思っても不明な点があるから、ディベートにおいては「立論を聞いた後で質疑」となります。
 ですから、相手を否定するような質疑というのは、聞いていて違和感を覚える人が多いと思うのですが、この「対話型授業」で必要な「相手の主張をいったん受け入れる」という考えに相反しているので、「それはまずくない?」と思ってしまうのでしょう。特に教員側から指導が必要なポイントです。

 また、「徹底した言語化」は、口頭でのコミュニケーションを拠り所とするディベートにおいては必須ですが、北川先生は「分かりきったことでもいちいち説明する」と表現しました。
 さて、ディベートにおいて<相手>とは、実は ジャッジ なのです。
 ですから、何気なく当然と思ってしまうことほど、いちいち、徹底して言語化して説明する必要があるのです。

 前日、会津高校が敗れて「何がまずかったのか」という課題を持ち帰っていたところだったので、次の日に答えの方向性が与えられて(^^)
 どのような言葉を伝えたら、それが伝わり、納得してもらえるのか…そのために必要な、ベースとなる考えを基に、深く考えたいと思いました。

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 授業作りネットワークの大会が終わった後は、池田先生に北川先生を誘って頂いて、ほかの方々もお誘いし、また上述した涌谷中学校の先生もお誘いして、喜助で牛タン三昧(^^)かなり喜んでいました。
 涌谷中学校の先生が「恐れ多い」とおっしゃっておられたのですが、北川先生自身が「知識のあるなしで対話ができない、という考え方が対話を阻む」とおっしゃっていたので、むしろ相手を尊重して対話をするために、牛タンを一緒に食べましょう、とお誘いしたのでした。

 夜は22時から、ディベート甲子園でも授業作りネットワークでも、両方で裏方を頑張られている、北海道支部の古西先生と飲みました。お疲れでしょうに「メールニュースを出してから」ということでお付き合いいただきました。熱く語り合いました。古西先生のジャッジの立場としてのお話を伺って、「価値の比較の前に議論の決着を、その前に『言葉の決着』を」というアイディアに至りました。たとえば「ここでいう失業とは?」と試合の流れにおける「失業」という言葉に意味を持たせ、ジャッジの理解を促し、メリット・デメリットのインパクトをイメージしてもらう、ということが大事かと思いました。

 ディベート甲子園を踏まえた学びのできた日となりました。良かったです(^^)

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2008.08.12

トータルでプラス、でもここは通過点

 ディベート甲子園の3日間を振り返ると、「行けて良かった…得るものが多かった」と総括できます。確かにマイナス面もありましたが、それらは現場で、更には仙台に帰るまでに解決もしくは疑問解消、という形で終えました。自宅には清々しく帰宅し、妻も安心したようです(^^ゞ

 印象に残ることを時系列にまとめてみます。

[1日目]
○ひとまず無事に会場入り。
 天候等で遅れるとご迷惑をおかけすることになるのですが、過去、一度もトラブルなく到着していて、出発にゆとりがある方が少し助かるのです。
○高校初戦勝利。うちの部員11名のうち、全国勝利経験者が0名→4名となる。
 ジャッジに伝わった試合だったようだ。
☆千種高校はその後決勝トーナメントに進みますから、力あるチームにも勝てたのだと、改めて評価。
△中学生は初戦敗退。全国で勝つことはそう甘くはないことだと、中学生は学んだようだ。この経験も部にとっては貴重!
△高校第二戦は肯定側で敗戦も、2日目も肯定側なので、この立論は伝わらない、ということに気づけて良かったと思った。
●相手の岡山白陵の二反の子が泣いていた。その後、相手のところに挨拶に行ってみるも「何この人?デリカシーなし!」みたいな反応をされたので、かなり動揺した。判定前だったのが更にまずい。大反省。
☆ですが、次の日、岡山白陵の顧問の先生に聞いたところ、その日のミーティングで、うちの立論の分析の深さを認めてくれた発言があったことを聞き、そういう受け取りをしてくれたことに感謝。
◎何より、岡山白陵の先生方とは、3月に岡山で共に飲む機会があり、相互理解があったので、今回の大会で絆を深めることができた。これは相当良かった!

◎OBOG会が建設的に進行!総会を開いた意義を、予想以上に感じる!
 会計等の責務を果たすことができて、相当ほっとした。

[2日目]
●高校は3試合目敗戦。岡山白陵の先生とは「肯定側の解決性が伝わらない。」と嘆くが、ここから頑張ろうと固く握手。高校メンバーはショックだったと思うが…
○中学が予想外の勝利!決勝トーナメント進出の可能性が生じる
○高校生に中学生のサポートをさせる。ショックを払しょくさせる前向きなミッションを与えることができた。正直、死んだ高校メンバーが生き返った気分。
○実際に予選リーグを突破。このドキドキを味わったことは、本校ディベート部のもう一人の顧問の先生にとって、今後何かしらに活かされる経験となったと思う。
●中学生は決勝リーグ初戦で敗戦。全国ベスト16の壁を破れず(^_^;)
 しかし、決勝トーナメント1回戦で東北対決とは…会津若松第二中なら、敗戦も止む無しか。
○ただ、その次の試合も、多くのメンバーが他校の試合を、フローを持って見学に行く。よし、生徒たちも来年を見据えた行動をしている。

○岡山白陵中が準決勝に進出したのを、うちの中学部員が非常に喜んでいた。オンラインディベートで対戦した相手の活躍が喜ばしいらしい。坂田先生と僕は既に絆が深まっていたので、本人を岡山白陵中の皆さんのところへ連れて行って、直接エールを送らせる。遠くにディベーターの知り合いができることは、意義深いことだと思う。

○更に予想以上に、ディベートラバーズの交流会への参加者が多かった。
 高校生スタッフの苦労が報われて、良かったと思う。

[3日目]
○会津高校が準決勝勝利。その中で、
 ○講評・判定の中で「肯定側はシステムの変更が良いと言ったが、実際の労働者がどうなるのか分からなかった」とあった。つまり、システムが変わったら、労働者が具体的にどのような動きになり、その結果として得られる良いこととは何なのか、が分かりにくかった、ということだと思う。これは、本校が2回、肯定側で敗戦した理由である。プランから固有に発生する、内因性の強い立論(労働者派遣の持つ構造的な欠陥の改善)を目指した結果、実社会がどのように変わると予想されるのか、が伝わりにくくなっていたことに、この段階で分かる。
 ○敗戦した岡山操山高校のメンバーと話をすることができた。操山高校には、労働局で学んだことを元に、この論題で論じて欲しい内容を伝えることができた。それを、納得して聞いてもらえた。本当に良かった。

○運営の方々を少しだけ手伝う形で動いた際に、岡山白陵高校の皆さんと少しお話する機会があった。そのやりとりの中で、少しは悪意のない人間であることは伝わったかな、と…。

○会津高校のサポートに入るが、実質、何も手を入れてない。
 彼らは、自分たちで議論を構築し、判断している。
 そう、僕ができたことは、メンタル面でのサポート(^^)
 余計な不安は取り除き、前向きに思考出来るための声掛けだ。
 ま、これは長くディベートに携わっているからこそできることだと思うんですが(^^ゞ

●決勝では会津が負けるのですが
△南山高校女子部は、初出場で、ベストコミュニケーション賞を受賞するような学校。
 二反が上手だと聞く。
 初出場でもここまでできる、という実例は、今後の新規参入者にとっての希望の光となるでしょう!おめでとうございます(^^)
☆今回は東海支部の代表校の活躍が目立っていて、僕が東北支部内で仕掛けた取り組みがまだまだ至らないのかなぁ、と、少ししょげていたのですが、ベストディベーター賞が、負けた側の会津・本田君だったこととか、中学のベストコミュニケーション賞が会津若松二中だったことなどを考えると、地区全体として、ジャッジに伝わるディベートができるようになる、という「昨日の敵は今日の友」方式の取り組みは、一定の実績を残せているのかな、と。

☆仙台へ帰る途中、大宮駅でうちの部長に「どっち勝ったと思った?」と聞いてみたところ、肯定側だと予想していたらしい。それは「各論点がどっちつかずできたので、最終反駁でいいことを言う肯定側が勝つだろう」と。なるほど。恐らく今回の決勝を端的に表現している。
☆うちの高3のI君は「コミュニケーション点で同点、3-2で肯定側。こういう試合が見れただけで面白かった」と。なるほど。高校論題のディベータブルさに達して終わったのかな、と。

 →やっぱり、同じ支部ということで否定側びいきで議論を見ていると、見えるものも見えてなかったのかもしれません。それが、双方に公平に耳を傾けることを仕事とするジャッジとの違いですよね。
 →(追記)高校決勝に関する感想をWeb上でいろいろと見ます。
  ジャッジを“戦略的に”納得させる方法を、更に研究したいと思います。
  これは、ディベート全体の質を向上させることにほかならないと思いますので、力を入れたいと思います。

◎仙台駅でのミーティング
 ・図書館に本を返すこと
 ・9月に行われる学院祭(文化祭)でのディベートについて検討を進めること
 ・生徒主催の新人戦を開催すること
 ・【共通論題】を用いて、一人一人のスキルアップを図ろう
と、部員一人一人が前向きに考えている。

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 この3日間で僕にとって最も学べたのは、高3のI君からの言葉です。
 「中学生が若松二中に負けたのは、守るべき内容を守らなかったから。どこを守るべきか、気づいていない。議論を自分で作った場合には、その過程で、論題に対する結論として信じられるものが構築されるから、それを守るために必要な言葉が試合で出る。信じるものがなければ言葉が出ない。

 先輩たちも、いや、全国の多くのディベーターが達した、極意に、達した。

 なぜその証拠資料を使うのか、なぜ別な言葉ではなく、この言葉を用いるのか、これを一から考えて、納得しているディベーターが、強いディベーターだろう。

 演劇主義で挙げる「『他人から既製品の議論を得る』という方法であっても、既製品の文面(なぜその言葉を選んでいるのか、や、なぜその証拠資料が選ばれているのか、など)に納得すれば、試合では勝てる(=『演劇主義の合理性』)」という枠組みから、最終的には脱却するしかない!ということにも、気が付けました。当然、来年の全国に向けて、中学部員も高校部員も、全員が脱却できるように取り組みます。

 もう一つ、
  今回は今までの各大会以上に、
  僕のディベート的交友関係が広がった大会でした。
 もちろん「積極的に交友関係を広げよう」と、僕自身が思っていて、
  その目的を達成する方向で、意識的に行動したからです。

 当然「馴れ馴れしい」など、「嫌われるリスク」はあります。
 そこは相手を見ながら、でもひとまず、知り合いになるところから、と、コミュニケーションを図りました。

 総じてプラスの成果あり、と帰ってきました。

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 夜遅めの帰宅ながら、夫婦で行きつけのお店に出かけました。
 生徒引率中はアルコールを飲みませんでしたので、ここでようやく生ビール(^^)

 美味い(^^)!

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