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2008年3月30日 - 2008年4月5日の2件の記事

2008.04.04

《中学論題》現状の認識に差があると議論の大きさが…

 ところで小中学生の皆さんは携帯電話を、どのくらいの時間携帯していますか?

 つまり、自分の携帯電話があるか否かと、持ち歩いているか否かとは別次元だということなのです。

 先日、本校ディベート部の中学生が優勝した石巻市中学生ディベート大会で、私もジャッジをしたのですが、ある試合でマイナージャッジとなった時に、考えさせられました。
 それは肯定側の下記のような反駁です。

「否定側は緊急時に携帯電話を用いて連絡が取り合えると言いましたが、中学生は学校に携帯電話を持ってきてはいけません。よって、1日のほとんどの時間、携帯電話をもっていないのですから、否定側の指摘は間違いです。」

 その主張に、石巻市の中学校にお勤めの二人の先生が納得して、デメリットを小さく見積もり、肯定側が勝ちました。

 私は私立の中高に勤めていて、当然学区がありません。本校では携帯電話は、届け出制になっていて、朝はHRで担任に預け、帰りには返しますので、届け出をした生徒は登下校時に携帯電話を持っています。特に迎えの連絡などには活用されていると思われます。

#当然、いろいろな使われ方があるでしょうが、ここでは扱いませんdespair

 つまり私は、勤務先の事情が違うということから、生徒たちの議論の大きさをうまく見積もることができなかったのです。

 さて、2005年に本校は、田園調布雙葉中学校の情報の授業を御手伝いする形で、同じような「携帯電話」論題でオンラインディベート(※)をしたことがあります。その時に、女子校である雙葉中学校の先生から伺ったのは、東京では本当にいざという時のために、保護者が携帯電話を持たせている、ということです。東京で遠距離通学させる女子中学生にとっては切実な問題であることが伺えます。

 本校は男子校なので、そこまで切実な危険性を感じてはいませんでしたが、見ず知らずの人のために登校中の女の子が事件に巻き込まれるようなことが多かった時期でしたので、雙葉中学校の皆さんが真剣に議論を提示してくる様子は、その背景を含めて、よく理解できました。

(※)サイト移設中でして、ログが消えておりますが、データは残っております。

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 石巻の大会でも、雙葉中学校とのオンラインディベートでも感じたのは、

「論題は『日本は~』なんですけど…」

ということです。

 石巻だけならデメリットは小さいかもしれませんし、関東の私立女子中学校ではデメリットが大きいかもしれませんが、日本全体ではどうなのでしょう?

 また、中高生にとって、日本全国一律に禁止するということがどういうことなのかをイメージしにくいのかな、ということは、いつも思うことなのです。

 全国大会になって、様々な地域の中高生が議論を突き合わせてみて初めて、議論に地域性の差があることに気付いたりします。

#ということで、オンラインディベートの練習会は全国レベルで・・・

 同時に、ジャッジがこういった地域差を認識してジャッジができるのかな、ということは・・・いや、僕ができなかっただけなのですが(^^ゞ、多少不安に思うのです。

 全国のディベーターの皆さん、できるだけ幅広く考え、肯定・否定にふさわしい見地にたって議論を繰り出して下さい

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2008.03.31

今回の指導者研修会が、東北ディベートの道を拓く

 指導者研修会と言っても「中高生にはできるだけ自分で考えさせて、それを尊重する形でスピーチさせる」という趣旨の実践が行われましたので、何をどうしたら現役ディベーターがどうなるのか、ということは特になく…(^_^;)、という研修会でした。

 …この書き込みを見て「なぁんだ、そんな程度のものか」と思う人がいるかもしれませんが、「うわ、そー来るか!」と思う人もいるでしょう(^^)v

 今回は初めて、OBOGが研修内容を自主的に考えて、私たち指導者側が参加者になる、という企画でした。長く東北でのディベートの企画をいろいろと考えた私としては、非常に画期的です。あるべきディベートの姿を、トップダウンではなく、ボトムアップで提示する流れが築かれるのかな、という気がしていて、これは大事に育てたいと考えております。改めて、今回の企画を担って下さったOB(…実は全員男性coldsweats01)に、この場を借りて感謝しますm(_ _)m

 研修は、肯定・否定の両立論と証拠資料が与えられて、立論をリンクマップに整理して否定側第一反駁と質疑を考え、肯定側第一反駁、否定側第二反駁、肯定側第二反駁と、何をスピーチすべきかを順に考えた上で、試合をさせる、という実践でした。いわゆるAgora方式と呼ばれるものですね(^^;。ただ、OBOGはAgora方式を知らずに、ただ「生徒にディベートができるよう考えてもらうための方法は?」と検討して、この方式にたどり着いたようでした。立派です。加えて、与えられた立論を使うためのスタンス集というのも指導者側に配布されました。東北オリジナルかな(^^)。これは意外とポイントが高いと思いました。

 さて、このような実践を踏まえて生徒たちにいざ試合をさせてみると、「事前に考えていたからこそスピーチができた」という側面と、「事前に考えてもうまくできないスピーチ」があることが分かりました。
 できなかった方を具体的に言うと「サインポスティングが抜ける」「たくさんしゃべるのだが余計なことが多く、主要な議論の取捨選択ができない」「相手の議論を誤解してしまい、反駁が的外れになってしまう」という感じです。
 つまり、ディベートの技術の向上のためには、考えるという側面のほかに、実際に何度もスピーチをして経験を重ねて訓練し、慣れる必要のある側面もあるのだなぁ、と思った次第です。

 そういうことを心構えとして持ちつつ、指導者は現役ディベーターに向き合う必要があるのかな、と思いました。

 ちなみにちょっと付け加えると、生徒側からのアプローチがあるまで指導者は何もしていない訳ではなく、生徒が「考えてきました」というのに対応できるよう、指導者室で与えられた立論の理解などを深め、フローシートに清書しながら生徒と同様の検討をする作業をしていました。でないと、生徒の反駁等が適しているか否かを判断できませんからね。さながら、授業の予習をする教師、という感じでしょうか(^^ゞ

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 そんな中で私は、今後のディベート企画をいかにすれば、東北地区のディベートの普及と向上が実現するのか、という観点で、参加して下さった先生方やOBと、議論を重ねました。
 結果として、下記のような案に至っております。

1.この日程では、教員が参加しにくい(指導要録書きなどの仕事がピーク)。
  次年度は、4月1日を過ぎた最初の土日がいい。

2.1.の企画では、論題研究をするのが良い。
 (ブレインストーミングがいいのか、プラン後の世界がどうなるのかを一緒に考えて下さるような講師の方からお話を伺うのが良いのか、など、内容は要検討)

3.論題研究を踏まえた、質の高い試合を、5月の交流大会で実施してもらう。

4.また、5月の交流大会までに、東北地区でも「スタートパック」を作成し、参加してくれそうな学校さんに配布をする。
  「スタートパック」は予てから書いている通り、作成過程をオープンにして、より良いアイディアや内容の不備のチェックができるような状態で作成したい。
  ただ、今回の指導者研修会のために作成された立論があるので、1から作るよりは負担が小さいことが予想されます。その点でも、今回のOBの働きには感謝!
  最終的には「スタートパックがあればそのまま大会に参加はできる」というものを提供し、地区予選の参加校増を実現させたい
#地区大会をこれで勝ち抜けるとは思えませんが、これは参加者の努力次第ですよね!

5.6月のNADE東北のディベート入門講座は、教員が出張で集まれるので、そこを活用する企画を、今年から実施したい。
  ただ、この入門講座には、東北地区の現役中高生及び指導者が全員集まるわけではない。それを踏まえた上でも、なおかつ効果を高めるため、5月の交流大会との連携のある企画にしたい。(これは具体化及び許可が下りてからお知らせします)

6.5.の企画をすることにより、地区予選の議論の質を高めて、代表校が全国で活躍できるようにしたい。

7.12月の交流研修会は、今回の企画の応用として、「昨日の敵は今日の友」方式の試合+指導者がディベーターを指導する形式が良い。(これはかなり強力な効果を挙げられると想定される)
  持ち回りの関係から、今年は青森県内で実施の予定

 「結果を残したい」と焦る気持ちがあるのですが、あるOBが「結果じゃないでしょう。まずやって、『こういうことをやっています』ということを発信することが大事なんじゃないですか?」と発言してくれたのが非常に心強かったです。

 ということで、可能な限り、まず、やってみます!

 こちらをご覧のディベート関係の皆さんから、励ましとか、助言・アドバイスがあると有り難いです。宜しくお願いしますm(__)m

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