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2007年1月28日 - 2007年2月3日の1件の記事

2007.01.28

ディベートで勝てない理由…立論?

 ディベートへの取り組みに真剣さがないために、試合で勝てない、ということは仕方のない話だと思いますが、ディベートに一生懸命取り組んでいるのに勝てない、いやむしろ、ディベートへの取り組みが一生懸命である方が逆に勝てない、という事例があるのではないかということに気がつきました。

 その、勝てない理由が、立論にある・・・または、ディベーターが勝てない状態にあるという症状が端的に現われるのが“立論”なのではないかと思われます。

 そう思うに至った根拠をご紹介します。

  1. 本校OBのA・正臣君が、ディベート甲子園の東北予選でジャッジをしてくれています。一昨年、ジャッジ不足のため急遽、ジャッジをお願いしたのでした。
    その後の感想が、注目すべきものでした。
    「中学生のディベーターが一生懸命に説明のスピーチをするんですよ。その一生懸命なスピーチを聞きながら、心の中で『それじゃあ伝わらないよぉ』と思ったんです。僕も現役時代、一生懸命にスピーチしていたことを思い出し、『ああ、それじゃあジャッジには伝わらないんだ』と思いました。」
  2. 本校ディベート部の部長は、現在中3のE君です。
    昨年末に行なわれた、東北ディベート交流研修会での練習試合で、敗者復活等を含め、1試合も勝てませんでした
    ですが彼は昨年の全国大会前から、反駁の技術がものすごく向上していたのでした。
    そこで「反駁の効果がなかったの?」と聞いたら、「反駁はとってもらえたのですが、そもそもの立論が弱くて負けました」ということでした。
    反駁が上手でも、守るべき立論がそもそも弱ければ、やっぱり勝てませんよね
  3. 本校ディベート部の新入部員のO君からメールが来ました。「立論を作成したので、感想を聞かせてください」とのこと。もう、歴代の部員の中で一番まじめですよ!
    ところが…その立論は「残念ながらこれじゃぁ勝てないだろう」というものでした。
    でも…あれ、まてよ、彼は現役部員と練習試合をして勝っているんですよ。
    なのに、それを改良したという立論が弱いって何???

 この段階で、「ああ、一生懸命にディベートでスピーチしても、勝てないケースがあるんだ!」ということに気がついたのです。

 まず、O君の立論の、何が弱いかっていうことも、すぐに分かりました。
 この「なぜ弱いか」も、『●○』を元に考えると、すんなりと理解できます。

  • 現状に問題点があるという指摘があるのですが、その問題点が深刻なのかどうかが分からない。(●の大きさを大きいと思えない)
  • 裁判員制度によって、その問題点が解決するのかどうかが定かではない(肝心な『→』(発生過程)の確かさが不明)。というのも、今までは問題が生じさせていたプロセスがあったとして、裁判員が加わることで、問題のあるプロセスのどの部分が解消されるのかが分からなかったのです。
  • 更に、プラン後、問題が解消された状態が国民にとって良いと言えるのが何故なのかも分からない。冷たく言えば、「問題が解決されるのは分かるけど、だから何?国民にとって良いことなの?」という感じに思ったわけです。

 つまり、O君は、立論を作る前の状態の方が勝てる状態で、立論を作ることによって勝てない状態になってしまったのです。

 でも、このO君の事例で、私ははっきりと気付いたのです。

 ここに、一生懸命にディベートに取り組むディベーターのほうが勝てなくなる落とし穴があるのです。

 恐らく、全国のディベーターにも、下記のような傾向があるのではないでしょうか?

  1. 何を伝えたいのか、何をジャッジに伝えたら「勝ちと認定してもらえる」のか、自分の中でもはっきりしていない
    もしくは、言いたいことがたくさんあって、自分の中での整理ができていない
    →たくさんある論点の組み合わせがまずいために、かえってわかりにくい
     もしくは、たくさんある論点の繋がりが薄い
     論点を盛り込むほどに弱くなる!
  2. 言いたいことを伝える表現になっていない。
    もしくは、言いたいことを伝える文章ではない。
    →立論という“長文”にすると、言いたいことがまぎらわしくなる!
  3. 言いたいことを伝える文章構成ではない。
    不適切な文章構成(=説明する順番が不適切)のため、不適切な論理展開となり、ジャッジにとって分かりにくくなっている!

 どうでしょうか?
 特に、全国でディベートを指導されている先生方、OBOGの皆さん、中高生が上記のような症状に陥っている、と感じたことはありませんか?

 繰り返しますが、中高生が一生懸命にディベートに取り組めば取り組むほど、逆に試合で勝てない、というのは、中高生が可哀想ですし、ディベート界にとっては深刻なデメリットにほかなりません!

 折角の、貴重な、中高生のディベートに対する情熱を、無駄にしてはなりません!

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 「じゃあ、立論の作成をどう指導すればいいのですか?」ということなのですが…

 …いい模範があるんです(^^)

 それは・・・・・CMの後で(=後日)!

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