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2007年5月27日 - 2007年6月2日の2件の記事

2007.05.28

ディベートの指導が教育的になる理由。及び…

 昨日は〔テーゼ〕ディベートの指導は、教育的であるを大きく提示しましたが、そもそも「なぜディベートの指導が教育的となるのか」について、その根拠を提示していませんでしたので、まず、その理由を2点説明します。

  1. ディベートは“コミュニケーション”の競技である。
  2. ディベートでは、社会的な価値を扱う

1.について

 言葉によるコミュニケーションをとるできることは、その人の社会性の形成に大きく関わります。
 よって、競技を通じて、より理想的なコミュニケーションをとることができる人材が育つ事が期待されます。

2.について

 ディベートでは、肯定側・否定側共に、ジャッジを説得する上で必ず、立場の背景となる“価値”を提示します。
 その価値は、社会的に広く認知されている価値となります。
 よって、競技を通じて、社会で認知されている価値について学び、触れることになります。「ディベートを通じて私達が生きる“社会”を知る」ということです。

#現に、エネルギー、命、政治、経済、などについて幅広く認識を深めましたよね(^^)>歴代ディベータの皆様

2'があります

 すると、ディベーターが社会的に広く認知されていない価値を提示してきた場合はどうなるでしょう?

 それに関しては、切り捨てることはしてはいけませんが、ディベーター側によっぽどの説明責任が生じている事を、指導する側は指摘する必要があるはずです。

「及び…」の部分

 前回も書きました「ディベートを指導する立場の者には、教育的な資質が必要である」とう事に関してなのですが、それは

 ディベートを指導する際には、教育的な配慮が必要

ということだと思うのです。

 先程書いたように、広く認められていないような価値観を提示するディベーターにどう接するか、というと、こちら側も相当の価値観をもって接する必要がありますよね(^^;
 ですが、相手の中に形成された価値観を頭ごなしに否定することもできません。
 ・・・教育的な配慮が必要です。
 ・・・が、こういったケースは稀でしょう(^^;

 ここで今一度「教育的な配慮とは何ぞや?」と考えてみましょう。

 こちらをご覧くださる教員の方々、今までに教室ディベートの指導に携わって下さってきた方々には、今更多くを語る必要がないとは思います(^^)。

 ところが、単純に競技として(教室ディベートではない)ディベートに取り組んできた方々や、ディベート甲子園OBOGの方々には、「後輩を指導するのに教育的な配慮なんて必要なの?」と思う人がいるかもしれません。

 ですが、前回示したように、ディベーターが『~ができない』ということを、ディベーターの何かしらの様子から把握し、それを改善するための指導方法の開発、選択ということは、非常に教育的であって、その指導にあたっては、指導の対象者に対して『できない』をことを前提に接する、という非常に高度な配慮が必要となります。

 事実、教員になるには、教育実習を必要とします。
 
生徒たちを教える経験の場では、教員と同じだけの配慮を、教育実習生には求められます

 そこから考えると、ディベートを指導するOBOGに対して行われるべき、教育実習に該当するような指導者講習会は、ありませんよね?
 
そういう場に、現役の教員も加わる事ができれば、更に良いですよね?

 すると、そういった取り組みに乏しい現状であるからこそ、教室ディベートの裾野が広がる方向には、至らずにいるのではないでしょうか?

 これではやっぱり、参加校とか、増えませんよね…。

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 ですから、この週末、東北地区で行われる教室ディベート入門セミナーの後に、指導者講習会を開きたいと考えているのです。

 集まれるメンバーは僅かなようですが、そこで少しでも、ノウハウを練り上げる作業をしたいと考えます。

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 一方で『ディベートをやってみたい』という人、更には教育現場で『ディベートを指導する立場に立つ』人はいるわけです。

 ニーズがあるわけです。

 そういう方々に、ここで練り上げたノウハウが、きちんと届くようにしなければなりませんよね。

 どうしたら適切に届けることができるのか、も、検討課題の一つです。

 それは、夜の指導者懇親会の場で、雑談的に語り合う事ができればいいのかな、と思います(^^)

 …単純に飲み屋じゃダメだな。
  ホワイトボードとかにメモなどできる状態の方が望ましいかな?

 後でTDNMLを通じて、支部長に提案してみます。

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2007.05.27

〔テーゼ〕ディベートの指導は、教育的である

 〔テーゼ〕

ディベートの指導は、教育的である

 このことを前提に、ディベートの普及は図られるべきだと考えました。
 この前提を共通に認識して活動しているのが、『全国教室ディベート連盟』であり、この前提を踏まえたディベートが『教室ディベート』と言えるかと思います。

 ディベートを指導する事自体が教育的なのですから、学校教育においてディベートを取り上げることが即、教育活動になります。実際に様々な実践が行なわれていますから、「(学校でディベートを導入しても)教育効果はない」と否定する事は難しいでしょう。

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 さてここで、上記を踏まえると発生する、更に注目すべき点は

ディベートを指導する立場の者には、教育的な資質が必要である

ということだと思います。

 ここで『教育とは何か』ということを定義付けておきますと

今までできなかったあることができるようになる

ようにすることだと思います。

 当然、ディベートの指導者は、ディベーターに対して、より良いディベートができるように指導するのですから、当り前のことを言っているような気がしますよね。

 ところが、ここで更に、『教育的な指導』を行うために、着目すべき事があります。

ディベーターが『~ができない』ということを、ディベーターのどのような様子から把握するのか?(現状の認識)

そして更に

ディベーターができないことをできるようにするには、どのような指導行えば良いか?(指導方法の開発、選択)

しかも、このディベートの指導が普及するためには

指導によって伸びるスキルは、生徒たちにとって、試合や日常生活でどのように役立つのか(指導の位置づけ)

というところまでを想定する必要があります。

 そこまで考えて初めて、『ディベート指導』をデザインすることができるのです。

 最後に挙げた(指導の位置づけ)は、ディベートの普及に関して非常に重要で、それは、教育現場にて実践の協力を得るため(参加者を得る、会場を貸してもらう、場を設定してもらう、などの有形無形な協力を得ること)に、ものすごく効果を発揮するからです。
 ですから、OBOGを含めた指導する立場に立つ多くのメンバーが、このことを強く認識し、まだディベートに出会えていない人達と接するときに、ディベートへの一定の理解を得るようになることが大切だと思います。

 逆に言えば、今まではあまり、ここまで踏み込んだ議論がなされていなかったために、ディベートの普及は“勢い”を得る事ができなかったのではないかと思います。

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 その点を何とか打破するために、現在、東北地区で来週行われる『ディベート入門セミナー』の後に、指導者の意見交換会を開こうと考えています。

 その際には、本校ディベート部と、遠くから来てくれる大館国際情報学院中高との練習試合を行い、その結果から「何ができていないのか?」「それは何から分かるのか」「ではどう指導するのか?」を考えて、実際に指導し、「結果としてスキルが上がるのか」というところまでやってみたいと思うのです。

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 その予行練習として、昨日実施した『宮城ディベート“楽しみ隊”』の第23回例会にて、同様のことを試してみたところ、やはり有意義なアイディアがたくさん出されました。

 実践報告をまとめましたのでご覧ください。

 なおこの報告は、本校のディベート部員を対象とした分析です。
 本来は、教室ディベートの普及も踏まえて、「立論が作れない」「メリット・デメリットが想定できない」「ディベートの授業が難しくて参加できない生徒がいる」などを問題点として掲げ、それをいかに解決するのか、という提示までできるのが望ましいと考えています。

 このようなノウハウを、全国で共有することが大切だと思います。

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 そして上記のことが、より高度に、より濃密に行われる実践が、本日、関東甲信越支部にてございます。

 ディベート甲子園出場用ディベート入門セミナーです。

 講師を、渡辺徹さんが務めて下さります。
 指導原案は、こちらのBlogに書かれてあります

 ディベート甲子園OBOG会も少し関与しておりまして、スタッフが何人か手伝ってくれるようです。

 こうした取り組みにて得られたノウハウが、他の支部にも伝えられる事を念願します。

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 ディベートの普及・指導に関する問題点を把握して、それを解決するプランを提示し、その教育効果が重要であると位置づけられる・・・

 ディベートの普及も、まさに『●○』に基づいた戦略が必要であるということに気がつきました。

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