« 2006年2月5日 - 2006年2月11日 | トップページ | 2006年2月19日 - 2006年2月25日 »

2006年2月12日 - 2006年2月18日の1件の記事

2006.02.17

「最小値」≠「極小値」

 今日は東北大学のサイエンスカフェの日です。テーマは『ストレス』。日頃抱えてしまっているストレスについて理解を深めるためにも、放課後、せんだいメディアテークに向かおうと思っております。

 前回のサイエンスカフェでは数学の話だったのでしたが、ディベートに関わる、とても示唆に富む内容を学んだことを先日Blogに書きましたが、実はもう1つ、ディベートの普及に関わる大切な視点を得ました。

 「最小値」と「極小値」の違いです。

 「最小作用の原理」についての話でしたが、世の中には必ずしも「最小値」ではない事象もあります
 一緒に行った生徒が、先生の「世の中には対象性の高いものが多くある」に対し「人間は左右非対称と聞く。人間は自然界に反しているのか?」と質問しました(^^;(実際にはテーブルトークで出されたその生徒からの質問だったのですが、その生徒にけしかけて、全体質疑の時に質問させました(笑))

 そこで先生からの応答に出てきたのが「最小値」と「極小値」の違いについてです。

 数学ではこの二つが明確に違います
 少し考えると理解頂けると思いますが、「最小値」は世界で一番小さいもので、最小と定義できるものは1つ、あるいは2つ程度しかありません。
 一方で「極小値」は、ある範囲を定めて、その中で最も小さいものです。“自分の回りを見渡したときに最も小さい”と言えるものです。

 当然、「最小値」≠「極小値」です。

 ディベートにこれを当てはめて考えて頂きたいのです。
 上記の発想を理解していないと、ディベートに対して大いに誤解を抱くこととなる
のです。

 例えばこちらのように、「ディベートでは命題を検証できない」といった批判を、ディベート甲子園が始まって10年も経っているのに、今だに受けなければならない、というのが、今のディベートを取り巻く現状であると思われます。

 授業でディベートを扱えない、と悩んでいる先生方から話を伺ってみると「ジャッジができない=ディベートを聞いてみても、実際のところどうなのかを判断できない」と考えてるケースもあります。

 ・・・普及が望まれる「教室ディベート」は、上記のような要望を満たすものではない、と、はっきりさせた方がいいと思われます。ディベートは万能ではないことは、ディベートに取り組んでいる人の方こそ逆に理解していることでしょう。

 ジャッジをされたことがある人はみんな知っているんです。
 「勝敗の判定は、フローに残されたもの。ディベートの最中にやり取りされたことのみから判定する」

 つまり判定は「極小値」を求めているのであって、「最小値」を求めているのではありません。

 「命題の検証」という形で「最小値」を求めたいのなら、それに適した方法をすればいいのですし、学生たちに対してそのような指導をして欲しいところです。

 ちなみに私は、物理の授業でディベートを扱ってはいません。授業の目的にディベートという方法が合っていないと自覚しているからです。高校物理ですから、物理の問題演習が思考の演習になっていると思っています。…これで大丈夫だという意識で大学へ進学すると、卒論&修論等の際に、日本語を論理的に扱えなくなっていて、ものすごく苦労するのです。「小・中・高で“論理的な文書を考える”ということをなんで教えないの?」というのが、高校生に対して小論文等を指導している現在でも疑問です。

 ただ、“極小値を求める作業を繰り返す”ことによって、最小値に近づく、といった作業をするのが、“真理の追究に繋がる”アカデミックディベートの本質であり、小・中・高校で求められている教室ディベートの大切な役割だと思われます。

 極小値を求められない人に、最小値を求める作業ができるのでしょうか?

 ・・・ですから、“まずは議論のやり方を勉強しよう”というスタンスで、教室ディベートを普及させることが大事だと、私も思います。

 …私の意見に賛同して下さるディベーターが全国にはいるのだと信じたいです。

-----

 完全に別件ですが、上記のように教室ディベートの普及に寄与しようと、間近に迫った今年のディベート甲子園の発表を前にして、新しいスタッフ(北陸)を迎えるなどして頑張り始めているのがディベート甲子園OBOG会です。

 先程、手元にあった、会員の皆様の年会費(一人500円…って安いですよね(^^;?)と、貴重な寄付金の一部を、先日変更手続をした、学校の近くにある加入者払込局で振込んで来ました。「よし、一つ仕事をこなした」という気分になります(^^; その勢いで、ほかの仕事も頑張ります。

 

 サイエンスカフェは午後6時からメディアテークにて。今回はストレスについて。次回は遺伝子治療(でも行けるかなあ?)。わかりやすく学ばせて頂きたいです(^^)

| | コメント (0) | トラックバック (2)

« 2006年2月5日 - 2006年2月11日 | トップページ | 2006年2月19日 - 2006年2月25日 »