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2006年10月8日 - 2006年10月14日の3件の記事

2006.10.10

「公判前整理手続き」をディベートにも

 私が作成した裁判員制度の肯定側立論をUPしたのには理由があります。

 この「公判前整理手続き」という作業を、ディベートに応用することができないか、という提案をしたかったからなのです。

 「公判前整理手続き」について詳しい情報は、立論でも活用した2006年8月13日更新:時事用語ギャラクシーを御覧ください。

 先日行なわれた、ライブドアの元社長・堀江氏の裁判でも行なわれましたね。
 私もニュースで見ていて、予備知識はありました。

 で、この「公判前整理手続き」が、裁判員の関わる全ての刑事事件で行われることが裁判員法に定められていますので、先日裁判所を訪れた際に総務課の方から当然、「公判前整理手続」についても説明を聞きました。

 膨大な資料の中には、本当に些細なものもあり、それら全てを裁判でチェックするのには、確かに時間のロスとなってしまうケースがあるとのこと。
 そこで、資料と論点の絞り込みをするのです。

 そして、絞りこまれた論点とは、「その論点に決着が付けば、有罪か無罪か、そして量刑に関してもある程度方向性が定まる」ような論点である、ということです。堀江氏の裁判に関しては論点が6つだという資料がありあした。

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 さて、この「公判前整理手続き」をディベートに応用することを考えてみましょう。

 ディベートにはかならず論題が定められています。

 立場は、肯定側と否定側と、決まっています。

 すると「ある論点に決着が付けば、自ずと肯定側or否定側が勝利する、となる論点をあらかじめ絞りこむことができる」と思われるのです。

 具体的に、今年度の北海道・東北【共通論題】の「日本は裁判員制度を導入すべきである。是か非か」で考えてみますと、

  1. 裁判制度は良くなるのか否か
    (≒裁判員制度は機能するのか否か)
  2. 国民に過剰な負担はあるのか否か

…ほかにもあるかもしれませんが、上記2つが今のところ考えられます。

 上記の論点を、下記のように決着付けることを考えてみましょう。

  • 裁判制度が良くなるのであれば、肯定側、悪くなるのであれば否定側。
  • 裁判制度が機能しなくなってしまうのであれば否定側(弁護士が足りない、もしくは弁護士に負担が大き過ぎる、らしい)。機能してメリットが生じるのなら肯定側。
  • 国民に過剰な負担があって、言うほどメリットがないのなら否定側。負担は許容すべき範囲内でメリットが生じるのであれば肯定側。

 ご覧のように、論点に決着が付けば、恐らく多数のジャッジが、論点の決着に従って肯定側か否定側かに投票すると思われます。

 以上のように、

  1. 適切な論点を選び
  2. どのように決着をつければどちら側に投票されるのか、の見通しを立てて
  3. 決着をつけるための証拠資料を探し
  4. 立論、及び反駁の準備を進める

ことが、ディベートの良き準備となるのではないか、と思ったのです。

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 このように考えると、「公判前整理手続き」を実際に行なう司法に携わる方々から、そのノウハウについて学ぶと良いのではないかな、と思う次第です。

 ディベートと法教育とのコラボレーションについて言われていますので、全国教室ディベート連盟の研究開発委員会で取り上げて頂けると有り難いな~と思う次第です。

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2006.10.09

悪意がなくても不適切な資料の用い方

 てんぱくさんよりコメントをもらい、自分の無知な…専門外のために誤った資料の使い方をしていることに気がつきました。もちろん、大いに反省しているのですが、実はこの問題は、一度は全国の教室ディベートに取り組んでいる方々に考えて頂きたいと思っていたことでした。

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 まずは自分の事例から。

>>2. 負担の少ない裁判が多くの人に利用されます。
>>公明党のホームページより引用開始。
>>「「時間と費用が掛かりすぎる」と裁判を敬遠する人は、結局、泣き寝入りや裏社会の
>>利用に回る。日弁連の元会長の一人は、本来、裁判で解決すべき紛争の2割しか司
>>法の場に乗ってきていないとして「2割司法」という言葉を残しているほどだ。」終わり
>> よって、国民の人権が更に守られるようになるので重要です。

>重要性2点目として読まれているエビデンスは明らかに民事裁判のものであり(「紛争」
>というのは民事の用語であり、裁判で解決すべき刑事の「事件」は100%司法の場に
>乗っているわけです)、重大な刑事裁判だけに裁判員を参加させる制度とは何の関係
>もありません。

 恐らく試合では、否定側から上記の指摘がなければ、「肯定側は資料を用いて立証した」となり、残ると思います。

 現在のディベート甲子園ルールでは、ジャッジが、自分の持つ専門的な知識を当てはめてこの議論を切ることは『介入』となり、してはいけないことになっていると思われます。

 ところが恐らく、聴衆の何人かは、或いは裁判員制度に関心があって予備知識もあるような方がこういった資料を用いた試合を観戦した場合には、「ディベートってやっぱり机上の空論なのではないか?」と思ってしまうのではないでしょうか。

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 過去に、似たような事例が幾つもあって、私自身「それはまずくない?」とか思ってしまった機会もあったのです。

 一番分かりやすいのは「携帯電話禁止」論題の時。
 「電車の中でみんなが携帯を使うと、電子レンジのようにものすごい危険な状態になる」という証拠資料を読んだチームがあります。
 その資料を使った学校の先生と話をしたところ「うちの学校の理科の先生も『じゃあ試しに電車の中でみんなで携帯電話を使ってみたら』と笑った」という話を聞かせてくれました(^^;
 私も物理の教員なので…(^^;
 ここには書けませんが、ほかにも幾つかの事例が思い浮かびます。
(自分たちに関しても今年、「アミロイド」の沈着については複数の方から指摘が(^^;)

 このように、本人に悪意が無いのに、資料と主張が合致していない=結果的に不適切な資料の用い方となっている場合にはやはり、ある程度専門的な知識のある大人が、そのチームを指導するなど、助言をするしかないと思うのですがいかがでしょう?

 しかしながら、更に私が問題として指摘したいのは、そういう証拠資料を聞き慣れたジャッジが、その(実際には)誤った資料の用い方が「誤っているとは思えない」状態になってしまった時…或いは、対戦相手が指摘しないために、その不適切な状態の立証を受け入れるケースが続く場合、先に述べた通り、ディベートが一般の方々・聴衆に“受け入れ難いもの”へとなってしまっているケースがあるのではないかということです。

 尤も、更に困るのは、ディベートのOBOGが、最初の事例にある私のように、実際の専門的知識がないために、後輩に誤った資料の用い方を伝授してしまっているケースでしょうか…。

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 今回、立論をオープンにして、ディベートに関しても法学に関しても専門的な知識を持つてんぱくさんが指摘して下さったからこそ、このような致命的なミスに気がつくことができました。

#この指摘をもとに、刑事裁判が迅速化することの実質的な恩恵について更に調べて
#資料を差し替えて、より確固たる立論に改良します。

 しかしながらこれが、ディベート甲子園の全国論題が発表されている時期で、各校がそれぞれの立論を中々オープンにしない時期ですと…上記に書いた“悪意はないけど不適切な資料の活用”がどんどん深みにはまるような気がするのです。

 これはディベートの普及にマイナスです。

 何か解決策が思い浮かぶ方、いますか?>全国のディベーターの皆さん

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2006.10.08

裁判員制度肯定側「裁判の迅速化」

 Blogの更新もできないほど忙しい日々を送っておりました。

 ですが、積極的に時間を作り、部活動は頑張っておりました。

 以前の部活動の記録で、みんなで担当を決めて、立論を作成することにしたことはお伝えした通りです。
 私は、肯定側立論で、SUB(メリットの2つめ)となる立論を作成したのですが…しかも手元に書籍系の証拠資料がなく、Web資料ばかりなのですが…良い証拠に恵まれて、結構まともな立論ができたと思います。

 どうぞ御覧ください。

----- (2分の原稿です) -----

 メリットは「裁判の迅速化」。繰り返します。「裁判の迅速化」です。

 現状の裁判は長いのです。
 公明党のホームページによると、刑事事件の第1審(地方裁判所)の平均審理期間は約3カ月です。
 裁判が長引く原因について、
資料:2006年8月13日更新:時事用語ギャラクシーの解説「公判前(ぜん)整理手続き」』より引用開始
「検察側の立証に対して、弁護側が反論するという構図で、月1回のペースでこうした法廷闘争が繰り広げられる。このため裁判の長期化が避けられず、複雑な事件では一審判決までに10年以上かかる場合も珍しくない。」終わり
 このことは市民にとって大きな負担を長く背負うことになるので、問題です。
 これらの問題がプランによって解決します。

 発生過程です。
 裁判員法によって、裁判員が関わる全ての刑事裁判で、「公判前(ぜん)整理手続き」が実施されます。すると、裁判は短期化します。
資料:先程の時事用語ギャラクシーの解説より引用開始
「裁判所は双方の主張をもとに法廷での争点を確認し、公判で持ち出される証拠を決める。それ以外の争点では争えない。また、証人の数や、原則的に連日開廷とする公判期日も決めるため、1週間程度のスピード判決となる。」
 よってメリットが生じます。

 重要性が2点です。
1. 裁判による負担が解消されることが重要です。
2. 負担の少ない裁判が多くの人に利用されます。
公明党のホームページより引用開始。
「「時間と費用が掛かりすぎる」と裁判を敬遠する人は、結局、泣き寝入りや裏社会の利用に回る。日弁連の元会長の一人は、本来、裁判で解決すべき紛争の2割しか司法の場に乗ってきていないとして「2割司法」という言葉を残しているほどだ。」終わり
 よって、国民の人権が更に守られるようになるので重要です。

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 これで試合を度々行なっているのですが…生徒の実力もまだまだなので(^^;、今のところ一度も負けていません。
 負けていないのは、どちらかというと、否定側立論への反駁が成功しているからだと思っています。先日裁判所に行って説明して戴いたことは、裁判員制度を実施する上で裁判所側が配慮しようとしていることですから、デメリットを小さくすることに直結する内容なのです。
 一方で、立論もしっかりと、●→○の基本に忠実に作成しました。裁判員制度によって問題を解決するのと同時に、プラン後の世界は良いものになる(重要性の2)という形で、○を強める形にしております。これにより、2反で比較する時も、メリットが重要であることを強く主張できます。

… … …

 ですが実際には、本校OBの話を聞くと、「固有性がない」ということで大きく減じられる“はず”のメリットなのです。
 もちろん「そのメリットは裁判員制度のメリットではなく公判前整理手続きによるメリットで固有性がない」という反駁が考えられるのですが、実際のところ、裁判員制度が大きな動機となっていて、法律により、裁判員が関わる刑事事件の全てで公判前整理手続きが導入されるのですから、裁判員制度に固有のメリットであると“私は”考えています。(逆に言って、裁判員制度という動機がなければ、公判前整理手続が多く行われるようになるとは考えられないと思っているのです)

 上記のようなことも含め、もしよろしければ、この立論に反駁を加えて頂けると幸いです>全国のディベーターの皆さん

 なお私は、実際にはこのメリットよりも、E藤君が準備している『開かれた司法制度の実現』の方が、メリットとしては強い(裁判員制度を導入する本質的な意義がそこにある)と思っているのですが…中々うまく作れません。証拠はあるはずなのに、良質の資料に出会えていないのかもしれません。
 このことに関して情報があれば、是非ともお聞かせください。>詳しい方

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