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2006年8月6日 - 2006年8月12日の9件の記事

2006.08.12

【共通論題】27題が集まる

 北海道支部・東北支部の共同で進めている【共通論題】の策定ですが、現在27題寄せられています。

☆北海道原案
1)日本は、選挙年齢を満16歳以上にするべきである
2)日本は、外国人に選挙権を与えるべきである。
3)日本は、原則すべての職種で海外からの移住労働者の雇用を認めるべきである(案

☆過去にD甲子園で行ったもので近年状況が変化した論題(付帯条項は検討し直す)
4)日本は救急車を有料化すべきである。
5)日本はレジ袋を有料化すべきである。
6)日本はゴミ袋を有料化するべきである。

☆名越原案
7)日本の中学・高校では、就職体験学習を義務化すべきである。
8)日本は中学生以下の子供のインターネットの使用を制限すべきである(親、教員、指導員の元で使用することを義務づける)
9)日本は親子間での殺人を、現状より厳罰化すべきである。
10)日本は「裁判員制度」の導入を撤回すべきである。
11)日本は「幼保一元化」を実施すべきである。
12)日本はアジア共同で、歴史の教科書作りをすべきである。

☆でぃべーたぶるに寄せられた原案
13)日本は義務教育にゼロトレランスを導入すべきである。
14)日本国民は、18歳から25歳まで2年間の間に、養護施設などでの奉仕活動に義務的に参加しなければならない。
15)日本国民は、18歳から25歳まで2年間の間に、農業活動に義務的に参加しなければならない。
16)日本は中学卒業後から、直ちに大学教育を始めるべきである。(高等学校のカリキュラムを大学に編入し、単位制として自由に選択できる)

☆ディベートアゴラ論題
17)地方自治体は中学生以上による住民投票制度を制定すべきである
18)日本は酒の自動販売機を撤廃すべきである
19)日本は夫婦別姓制度を導入すべきである
20)日本は死刑制度を廃止すべきである
21)日本はサマータイム制を導入すべきである
22)日本は小学校に英語教育を導入すべきである
23)日本政府は、全ての男性の正規労働者に、その子どものために育児休業を取得することを義務付けるべきである。

☆“大衆論題”
24)フグ田家は磯野家と別居すべきである。是か非か。
25)水戸黄門は、チャンバラをする前に初めから印篭を出すべきである。是か非か。
26)日本は国技を変えるべきである。是か非か。(何にするかは肯定側次第)
27)すべての野球中継は延長放送を止めるべきである。是か非か。

 各カテゴリーから0~2題ずつ選んでみてはどうかと思います。
 なお最終的には、北海道支部・東北支部の担当者で、最終候補3~4題を選ぶ予定でおります。

 皆さんから是非、下記の観点を参考に、御意見を賜ることができればと思います。

  A:論題に対する賛成意見(「これやってみたい」など)
  B:論題に対する反対意見(「この論題は肯定(否定)に偏っている」など)
  C:ワーディングに関するご助言
  D:その他の論題案(「それをするならこちらの論題の方が…」など)

 また、【共通論題】を授業、もしくは大会で取り上げて頂く学校及び団体がございましたら、お急ぎコメントを頂戴したいと思います。

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 私のほうからコメントをします。

○既に賛成意見がございます。

  • ねずみさんより「10)裁判員制度の撤回」に賛成の声がありました。最近ホットですし、一度はみんなで考えたい論題ですからね。
  • 実は、青森県にある風間浦中学校の全校ディベートの論題「4)救急車の有料化」です。青森県には動物園がありませんが(^^;、「田舎でも救急車はたくさん走る(阿部先生・談)」とのこと。全国的に議論ができるということですよね。これに決定すると、教材開発等でご協力頂けることは間違いありません。また、北海道原案にもありますので、最終候補に残して欲しいと思います。

○その他、各カテゴリーに対する名越の意見

  • 北海道原案からは「2)外国人に選挙権」ですね。1)が選挙権、3)が外国人ですから、その中間として(^^;。ただ『外国人』=『外国籍』でしょうし、確か世間では「日本に○年以上在住した」などの付帯条件を含めた上で検討されているはずです。ワーディングは要検討です。
  • 名越原案からは、さっきテレビを見ていたので「12)アジア共同の歴史教科書」を押します。メリットもデメリットも比較的重めですが、平和や国家を考えるきっかけになればと思います。
    本当は「9)親子間殺人の厳罰化」を押したいのですが、12)よりも重たい現状を直視するのは、中学生には厳しいかも、と思いました。
  • でぃべーたぶる原案からは「13)義務教育にゼロトレランス」「15)農業活動の義務化」ですね。特に15)は7)の就職体験に通じますし、「国営ファーム」と「徴農」とをプランにすると、ニートや食料自給率などが扱われる奥の深い論題になりそうです。
    なお「16)中学直後から大学教育」に賛成意見があれば、生徒は喜ぶと思います(^^;
  • ディベートアゴラ論題からは「22)小学校の英語教育必修化」ですね。これは取り組むなら早くしないと、実現しちゃうかも(^^;
    「23)男性の正規労働者に育児休業」も、少子化などが扱われて大切なのですが、中学生には取り組みにくいかも(^^;
    また、「酒の自動販売機撤廃」ですが、これはプランを実施しても望ましいメリットが生じないような気がします。「タバコ自販機」に取り組んで苦労した経験があります。
  • “大衆論題”は…自分で提案しておいて何ですが、大会の論題としては厳しいかも。ただ、敢えて選ぶとすると「26)国技の変更」でしょうね。様々な議論が飛び交って大会が楽しい雰囲気になりそう(^^;
    本当は「24)フグ田家独立」が、日本の家族制度を考える上でいいのかな、と思っていたのですが、もしかして内因性がないかも(^^;。

 以上、私見でした。
 皆さんから幅広く御意見等を頂戴したいと思います。
 ご協力を宜しくお願いたします。m(__)m>ALL

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2006.08.11

ディベートを分かりやすく捉える方法『●○』

 今年の東北地区の中高生に、私が提供した最大の知恵があります。
 これに関しては度々、こちらのBlogで、その存在を書きました(^^;

2006.07.23の記事より引用開始
「僭越ながら、ディベートについて「このように理解してみてはどうか?」ということを、試合毎に、黒板等に●→○などと書きながら説明してみました。会津高校のメンバー等には「分かりやすかった」と言って頂けたのですが・・・イマイチ不安です。
 全国が終了したら、あの資料をネットに公開して、方々からご批評を頂戴するしかありません。」引用終了

 お約束した資料が 【 こちら 】です。
  tohoku-natsu-06.doc

 資料で示したいのは

  「そもそもメリット・デメリットとは?」
  「相手のメリット・デメリットをどう理解するのか?
   また、自分たちのメリット・デメリットは、立証が為されているか?」
  「相手のメリット・デメリットの構造が分かれば、反駁のやり方が決まってくる」

ということです。ディベート甲子園スタイルのディベートの基礎だと思います。
 ですが、その基礎がイマイチ分かりにくいと思われるのです。何せ口頭でずらずら~とスピーチされたことを、そう簡単にはイメージできないと思うのです。

 それを、『図解』ですっきりと理解しよう、というものです。
 私達は『●○(黒白)』と呼んでおります。

 詳しくは2006.01.28の記事に書いております。

  • 論点が複数になっても、マクロな視点で見れば「メリット/デメリットが起きて、それは重要/深刻」としか言っていない
  • そのことさえ分かれば、反駁も思いつくし、勝敗判定もできる
  • わかるからディベートはおもしろい!

 『●○』という方法を一つだけ受け入れる(複数だと逆に負担(^^;)と、ディベートの試合展開が複雑でも、そこで議論されている内容が比較的簡単に説明できる、というのが、ディベートの普及にとってベスト!だと思うのです。分かりやすければ分かりやすいほうがいい。特に相手の立論を理解する方法がシンプルなほうがいい、と2006.01.24の記事に書いております。なおその記事には、この方法を思いついたヒントが嶽南亭主人さんの「重要性の重要性=相手の主張・スタンスは重要性/深刻性に現れる」ことと、西部先生のBlogから「図解すれば、分かる」ということにヒントがあることも書いています。図解に関しては筑田先生のBlogにも以前書かれていました。
 ただ、そこには書いていませんが、直接的なヒントは、昨年冬に本校で、東海支部・佐藤要さん(高校決勝のジャッジをされました)をお招きして実施した「カードチェック講座」にあり、そこで議論の比較の方法を学んだ時に「これを大きくすればメリット・デメリット方式に通じる!」ということに気が付いた、ということがあります。

 話を戻しますと、この資料を東北地区高校代表校合宿で配布しました。また、合宿に来れなかった河東中学校と藤田先生にはメールで送付して見てもらいました。
 ただこの資料は、もしかすると、読んだだけでは分かりにくい面があるかもしれません。例えばこちらの記事では「「その要点ってなんで大事なの?」って感じで受け取られました(核爆)」と書きました。それを踏まえて東北地区の代表校には、試合毎に、この資料で言いたいことが試合ではどのように活かされるべきか、を解説しました。

 結果として、会津・能代・河東の皆さんは、『●○』の言わんとしているところを理解して下さり、かつ試合で活かしてくれました。只今鋭意作成中の、会津高校の勝利の意義をお伝えする連載(皆さん、読んでくださっていますか(^^;?)の次回で、『●○』を活かしたディベートの戦略(ストラテジー)について書きます。また、いろいろな方面から評価の高かった能代高校2反のI藤君なのですが、合同合宿でディベート全体の比較・まとめの仕方について完全に分からない状態に陥り、この『●○』を用いてシンプルに比較をする方法を伝授して、私の助言通りに準備してくれた結果、2反でまとめまくって、全国3位をつかみ取りました。(って、ほかにもI藤君を手助けしてくれた人がいるとは思うのですが(^^;)

 わかりやすいから、勝つための道筋を見つけやすい・・・ディベートの新しい方向づけができたかなあ、と思っております。

 当然ながら本校にも、『●○』を伝授しているんですよ(^^;
 今年の1月から3月初旬にかけて、過去のディベート甲子園のビデオを全て見直して、それを『●○』の観点で議論をとらえ直す、という練習を繰り返したのです。で、相手の議論を理解することは結構できていると思うのですが・・・いかんせん反駁で根拠を述べわすれたり、2反でのまとめの言葉が出てこなかったりと…まあ、本校の実力です(^^;

 なおこの『●○』ですが、先程「議論をマクロな視点で捉える」と言った通りで、仮に相手(特に関東系の学校)がスプレットで多岐に渡る議論と立証で攻めてきたとしても、「要するに~~ということを言いたいのですね」と大きく捉えて、多数の反駁をしなくても議論の要所を握ることができれば勝てる、という大きな特徴があると思っています。
 高校の決勝トーナメント1回戦で、会津vs早大学院の試合があったのですが、「デメリット3つ+S田君の否定側第一反駁」という超スプレット攻撃をかましてきたのですが、それをF木&F津のFFコンビが、いとも簡単に返したのです。
 しかもF木君は、超スプレット攻撃の後の2分の準備時間に、資料請求してH田君に持ってきてもらった資料を読んでいるのです。「そんな時間があなたのどこにあるんですか?と、私と隣の樫村先生は、ただただF木君の才能の凄さに圧倒されたのでした。

 更に付け加えると、この『●○』は、

 ● … 内因性
 ↓ … 解決性
 ○ … 重要性

を示しており、今回教室ディベート連盟が公開・配布した『2006年審判講習会テキスト』のp.12にある『メリットを構成する3要素』と合致しております。

 以上なのですが、よろしければこの資料の内容に関して、ご批判・ご質問・ご感想等お寄せ頂けたらと思います。m(__)m>ALL

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研究企画:Skipeを用いたディベートをOBOG会で

 OBOG会の活性化策として、Skipeを用いた遠隔ディベートに取り組んではどうか」という提案が、ディベート甲子園の初日終了後に行なわれた第2回の『ディベート甲子園OBOG会総会』にて、東海支部幹事の宇留野さんからなされました。

 少しリサーチしたのですが、過去においてSkipeとディベートとを組み合わせたインターネット上の実践はないみたいです。

 ITの世界は“早い者勝ち”ですから、OBOG会が率先して取り組めば相当の“手柄”になります。(・・・って、どこかで実践済み、とかないですよね?あったら教えて下さい。
 仮にあったとしても、教室ディベート連盟とディベート甲子園OBOG会が後ろ楯としてついている私達が実践すれば、優秀なジャッジもディベート的助言も、双方が豊富にストックされている訳ですから、他の追随を許さないサイトの構築が可能となるはずです!
 私ほか複数の学校、複数の方から協力を頂いて実践を続けることができた『オンラインディベート』でさえ、早くに取り組んだことが高い評価を得るに至ったと、十分に感じております。

 Skipeの機能の一つである複数人同時通話(5人まで可)を用いると、

  1. 1対1でジャッジが3人
  2. 2対2でジャッジが1人 

といった対戦が可能になります。(2人1組だと、試合中に2人で相談することが困難ですか?それとも、別な技術と組み合わせることによってうまいこと試合ができますか?)

 ということで

  • 多くのディベーターにSkipeの導入を案内・指導して下さる方
  • 試しに対戦、ジャッジをして下さる方
  • その他、ネットワークの技術的なアドバイスを下さる方

がいらっしゃれば、何とか企画が進みそうです。

 ちなみに私はSkipeを導入していません(^^ゞ
 導入していない私からの素朴な疑問として、Skipeでの対戦は例えば、音声情報として記録して、広く公開などできるのでしょうか?
 これができれば、

  • サイトを用いて気軽に対戦(対戦が2週間ほどかかるオンラインディベートと違って、1時間半くらいで対戦は終了。負担が小さいことのメリットは相当大
  • 対戦情報を豊富に、しかも全国に発信可能!しかもジャッジによる解説、改善のアドバイス付き!

 これは間違いなく、ディベートの普及に繋がりますよ!

 ということで、現状の私達が“あと1歩前に進む”くらいの努力で、結構実現性が高い効果が得られそうな気がしています。
 皆さんから広くアドバイスを頂戴したいです。御意見とご協力、幅広くお待ち申し上げます。

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2006.08.10

(1-2)プランの変更:法人税のみを国へ

 私は、JDA・B部門で優勝したことがあります。でも、最優秀ディベーターは僕の相方でしだ。その当時のJDA・B部門のルールで、肯定側は、立論・質疑・第二反駁が同じ人で、私は第一反駁のみを担当しました。優勝は間違いなく相方の力によるところが大きくて、僕は少ないスピーチで優勝させてもらって今でもばつの悪い思いでいます。
 その相方から、プランの税制について学んでいて、5年経った今でも覚えています。

 「消費税などは、全国であまりばらつきのない徴収額があるのだが、法人税は、東京国税局が徴収する額が飛び抜けて多い。これを国が取ることにすればいい。

 法人税を国税とする案は、自民党が出した平成12年11月「道州制実現に向けた提案」にも記されています。あながち間違いではない方向性のプランかと思われます。

 さて、なぜ法人税が東京で多く徴収されているかというと、東京には本社が多いからだと思われます。

Web資料:『ふるさと納税』より引用開始
>現状で法人税は、その商品を販売する会社の本社所在地の税務署に納めることに
>なっている。その結果、利用している地域とまったく違う地域に納税することに
>なる。沖縄で利用する車の税金が、東京に納められる。

 これは悪いことではないと思います。
 法人税は、法人の所得金額などを、つまりは会社の大きさ等で税額が決まります。支店が多くても、会社の数は、本社の数に一致しますよね。
 つまり、法人金を徴収するには、本社からまとめて徴収するのが確実でかつ効率的だと考えられるのです。

 ということで、地域の経済力という観点から見ればバランスの悪い法人税を国税とするのが、肯定側の一つの戦略になります。(恐らく、本当に道州制が導入されれば、そうなるのではないかと個人的には思っています)
 本校は、大会直前の火曜日に、このプランに変更しました。
 「・・・5年前の議論に戻るのか」と思いながら私はは、日本はこの5年変わっていないんだとを感じるのです。奇しくも5年前の大会において否定側は「小泉政権で日本は変わるから、道州制というプランは必要ない」という議論を展開していたのですが「そう簡単には変わらないんじゃない?」と思っていたのです…
 なお、このプラン(法人税を国に)を提示した高校は見たことがありません。(私が知らないだけで他校であるのかな?)

 …ちなみに本校は第2試合で「格差が縮まるのは東京の本社から法人税を取る、という要因がなくなるからだ」という、伝えるべき根拠を言葉として発することができませんでした。「スペシャルな理由が分からなかった」というK藤さんのコメントを聞いて、「ほら、うちの選手たちは・・・」と思いました。
 OBがExcelで各道州の収支を計算してくれたのに、うちの部員はそういう形で先輩の努力を無駄にするんです…(T_T)。

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 6月、河東中学校で行なわれた本校との練習試合で、会津高校が提示したデメリットは「財政悪化」でした。

 現状分析の資料で、以下のようなものがありました。恐らく皆さんも聞いたことが多いエビデンスだと思います。
 「東京都の税収は、沖縄県の税収の3倍にもなる」

 私が1人ジャッジをして、会津を負けとしました。この証拠資料を元に、プラン後、財政格差が3倍になる、という論理には無理があると思いましたし、そのために行政サービスが低下するという論理でしたが、そもそも行政サービスを低下させる条件が満たされるとは考えられないと判断したからです。

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 ということで会津の皆さんは、上記証拠資料は税収の差を証明しているに過ぎず、地域の財政格差を証明してはいない、ということに気付いていなかったということなのです。

#はい、↑はわざと『カードチェックの表現』を用いました(^^)

 上記練習試合や、東北地区高校代表校合同合宿の時にも解説したのですが

   A      -  B  =  C
税収等の歳入   歳出    財政力(赤字?黒字?そしてその大きさは?)

AのBの両方が分からなければ、地域の財政がどうなるのかは分からないと思う。
 しかし全国の場でも、Aのみ、もしくはBのみの議論や、Cは示すがA、Bはどうなっているの?という議論が多かったと思うのですがいかがでしょうか?

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 では話を、会津の指導の場面に戻す。(文面も“である体”にします)

 話を戻すと、彼らは朝の短い時間に、僕の説明で法人税の仕組みを理解してくれたようだ。
 更には、本校の部費のうちの、書籍代の大部分を割いて購入した『地方財政白書を持ってきた。地方の法人二税(事業税の法人分など)も、東京都が他の都道府県よりも多くを徴収していることが棒グラフで示されていて、『百聞は一見に如かず』の状態になってもらった。

 更に加えて、このプランの導入に意義があったのは、創価高校のデメリットを減じる働きがあったからだ。

  • 地域の格差があることがデメリットの前提条件となっている(と思った)ので、少なくとも財政面での格差はプランにより縮めておくことができる
  • 企業誘致競争で各道州は税収を下げるということを立証するのだが、その資料中には「法人税を下げて」と書いてあるケースが多かった。これを国が押さえておけば、勝手に法人税を下げて企業を誘致するようなことはできなくなる

 一方で現状の国の法人税、地方税のうちの法人税分を合わせると、18兆円にもなる。権限を委譲しスリム化した国としては十分の黒字だ。(逆に取り過ぎなのだが、値下げすると財政格差が広がるので、税率は現状維持とするしかなかった)

 このあたりで、私の提案したプランの提案を、受け入れてもらうことになった。

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 ここで特筆すべきは、立論のH田君の“理解の速さ”だ。

 H田君は、上述したプランの変更が有効である理由と、プランを導入するとなぜ道州間の財政格差が縮まるのかを素早く捉え、「おーし、どんな質問をされても絶対に答えてやる!」と言った。本校の生徒よりも圧倒的に理解が早い!立論としての立場もよく分かっている。

 H田君が立論を担当していることも会津高校の強さなのだと、この時初めて分かった。H田君の才能を気付くのが遅くてごめんなさい>H田君

 ただ、このようにして、チーム全体に「法人税」のプランの効果を理解してもらうのに40分かかっている。既に6時近い。朝、会津高校と共にした2時間20分のうちの40分(約29%)が、プランを一つ変更することに費やされたのだ。

 議論を一つ変更することの難しさを感じた。

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 さて、このように提案されたプランの変更だが、「でも・・・」とF木君は口にした。F津君も同様の不安を感じていたようだ。

  1. プランを変更することにより、創価高校が別な否定側立論を使ってくる可能性が高まる
  2. 道州の赤字というデメリットが確実に発生する

 1に関しては、前日の河東中へのサポートで痛い目にあっている。動物園論題で、動物の開放の仕方に関して表現を少し変えた。「種の保存ができない」というデメリットで来ると思っていたところ、「レジャー施設の減少」というデメリットが提出された。この変化に、肯定側第一反駁の子が対応できなかった。時間がない中で、様々な情報を聞かされた後の試合で、そこまで臨機応変に対応するのは中学生には難しかったのだろうと、僕、そして上遠野中の樫村先生は反省の気持ちになった。
 ただ今回は、朝食までは時間がないが、試合開始の12時までにはまだ時間がある
 そして、たとえ否定側立論が想定外のものだったとしても、F木&F津の「FFコンビ」が何とかしてくれるだろう(^^)、という思いは十分に合った。また、それに対応するための指導を、今年の僕は彼らにしてきたつもりだからだ。

 しかし、2に関しては、スーパーディベーターのように見えてもやはりそこは高校生、「自分達で作成したデメリットが間違いなく発生するプランの導入」は、普通に考えて不安に感じるものだ。
 それに関しては、もう少し後に、「そもそも会津高校は国の税収及び国債に関してどう考えていたの?」というところを更に詰めて、結論としてプランの変更を決定した。これに関しては後日紹介する。

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 これは試合後に耳にした話なのですが、創価高校さんの否定側立論は1つしかなかったらしいです。まぁ、実際のところが分からなくて互いに悩むのが、決勝前夜の大きな特徴かもしれません。

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すぐに取り組める論題案(【共通論題】)

 当Blogのアクセス解析すると、授業等ですぐに取り組める論題を検索している方がかなりの割合でいらっしゃって、当Blogを御覧くださっていることが分かります。

 “授業で扱いやすい”論題とは、「内容が簡単だ」「論題のことをみんなが知っている」というように思われるでしょうが、実は本当は重視すべき大きな要素があります。

  準備が少なくて済む!

 「そんな論題が、授業にふさわしいのか?」と思う人がいるかもしれません。ですが“授業でディベートをする”のでしたら、教員の側も生徒の側も、準備が少なくても、本質的なディベート的やり取り(質問や根拠のある反論などのコミュニケーション)ができれば十分です!

 どんなにくだらない内容でも「○○は~~~すべきである。是か非か。」という形の論題にすれば、議論がかみ合わずに授業が成立しない、ということはないでしょう。
 例えば「うちの学校は昼休みの後半に昼寝の時間を設けるべきである。是か非か」とか…いや、これだけでも結構本質的な議論ができるものです(^^)

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 もう一つ、内容も伴っていて、しかも準備が少なくて済むディベートを授業で導入するコツがあります。

 過去にほかの方が準備したものを使わせて頂けばいいのです!

  ディベートアゴラのページを御覧ください。
  下記の論題の立論、及び証拠資料集が掲載されています。

 そして今回、これらを北海道・東北【共通論題】案として追加提案します。

  • 地方自治体は中学生以上による住民投票制度を制定すべきである
  • 日本は積極的安楽死を法的に認めるべきである(×)
  • 日本は医師にガン告知を義務づけるべきである(×)
  • 日本は酒の自動販売機を撤廃すべきである
  • 日本は炭素税を導入すべきである(×)
  • 日本は夫婦別姓制度を導入すべきである
  • 日本は死刑制度を廃止すべきである
  • 日本はごみ収集を有料化すべきである
  • 日本はサマータイム制を導入すべきである
  • 日本は小学校に英語教育を導入すべきである
  • 日本は救急車の利用を有料化すべきである
  • 日本はすべての原子力発電を代替発電に切り替えるべきである(×)
  • 日本政府は、全ての男性の正規労働者に、その子どものために育児休業を取得することを義務付けるべきである。
  • 日本はレジ袋税を導入すべきである
  • 日本は遺伝子組み換え食品の販売を禁止すべきである(×)

 但し、(×)の論題は、今回は候補から外します。
 といいますのも、北海道側と東北側で協議して決めた、【共通論題】のガイドラインがあるのです。

>ここで良い論題を選ぶ基準は、
>・でぃべーたぶるな論題(肯否のバランスがとれている)
>・難しい科学技術関係は除く(遺伝子組み換え、着床前診断など)
>・多くの人がわかりやすい。(論題にとっつきやすい)

 ということで、中学生に科学技術系の証明が厳しいということで、科学技術系の論題を外させて頂きます。m(_ _)m

 【共通論題】が策定されましたら、その論題を授業でどう扱えばいいのか、という『教員用マニュアル』も策定する予定です。そのためのページを〔こちら〕に準備してあります。乞う御期待!

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(1-1)立論の改造を“提案”

 「じゃあ、先に宿に帰って休んでいて下さい。明日は4:30からやりましょう。」
 これが、会津高校社会弁論部部長、F木君の指示だ。
 大会2日目は、「Project of Debate Lovers」が主催する選手交流会が開催された。F木君はラバーズ側の一員として、オレンジのTシャツを着て、会場に残った。一方で、連戦の疲れがあるメンバーを先に返して、明日に備えさせるのも部長の仕事。特にF津君は、その素晴らしいスピーチの影に、そのまじめさ、集中の高さから、試合後等に疲れやすいようであった(と僕は思っている)ので、休息が必要だと思ったのだろう。このあたりに、F木君のリーダーシップと優しさが感じられる。

 交流会後、同じ宿に泊まっている僕と本校中高生部員(その中にはラバーズのS藤君もいる)、F木君、そして青雲高校のS口君とA田君が、一緒の地下鉄で宿に帰った。

 大会2日目の僕の動きについて少し紹介する。
 中高とも予選全敗だった僕はまず、藤田先生との約束で、河東中学校のサポートに回る…ところだったのだが、高校決勝トーナメント1回戦の好カード、会津vs早大学院を見学した。本校OBに河東の裏の試合(トーナメントで次に対戦する相手の試合)のフローをとってもらうことを頼めたことが大きいのだが、同じくラバーズのS田君から「是非見て下さい」と言われ、やっぱり彼のスピーチを見ておきたかったのだ。ここでも会津高校は、F木&F津の「FFコンビ」が炸裂し、早大学院のスプレット攻撃をはね返す。素晴らしい。次は約束通り、河東中のサポートに入る。僕以外にも、上遠野中学校の樫村先生もサポートを手伝ってくれたのだが、残念ながら勝つための作戦を中学生に理解してもらうには時間が足りなさ過ぎた。惜しい敗戦。でも、相手は今回優勝の東海中なので、敗戦は運命だったのかもしれない。一方で東北地区の高校代表の会津高校と能代高校は準決勝で直接対決だ。これで決勝は東北地区の代表校が勝ち上がることが確定=僕はいずれにせよ、夜にどちらかの学校をサポートすることが確定した。結果として会津高校だったので、まずは同じ宿、そして徹夜ではなく明日の早朝からだということで少し気は楽だった。
 そんなことで宿に帰ったら、まず爆睡!
 その後、本校の旅費のとりまとめをして・・・計算が合わなくて(T_T)、“床で”寝たのが大会3日目の午前2時半…。

 4時半に起きてシャワーを浴び、会津高校の部屋へ。30分遅刻…というより、30分くらいは自分たちで考えて、必要だったら手伝うくらいが丁度良いだろう。朝5時に僕は会津高校と合流した。

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 全国からの帰りのバスの中で、僕は朝から会津高校に何を指導したのか、紙にまとめている。それを見直すと、非常に複合的に、濃密な指導を“結果として”している。会津高校の引率の先生が、朝食を食べて宿を出る時間を8時50分と定めたので、僕も邪魔にならないように7時20分にはその場を離れた。朝、僕が関わった時間は僅か2時間20分。しかしその中には、東北地区が論題発表“以前”から費やしてきた努力が反映されていることも間違いないのだ。

 朝の時間帯に僕がしたことが3つ

1:立論の改造を“提案”する
2:決勝での戦略(ストラテジーと呼ばれる)を“提案”する
3:肯定側質疑のK村君を指導する
  =>このことでF木君&F津君をフリーにして、作業をしてもらう。

 敢えて“提案”と表現する。なぜなら、僕はあくまで他校の顧問。彼らが納得しなければ受け入れてもらう必然性がないものを“提案”したのだ。つまり結局は、彼らは僕の指導通りの試合をしたのではなく、僕の“提案”を検討して、必要なものを取捨選択して、自分のものとして試合に臨んだのだ。

 ・・・ここが、本校の「全敗」という結果と会津の「全国優勝」という結果との差だろう。今年の本校の部員たちは、よく考えて議論の方向性を出してきた。僕は時にそれを誉めて「思いついたうちに一気に立論を書き上げなさい」と指導してきた。しかしながら、折角考えた自分たちの議論を本番では“活かせなかった”のも事実試合の場面で肝心な一言が出ない。過去何回も本校が陥った過ち。昨年の失敗を踏まえて、確かに成長したスキルもあるのだが、結局は自らを成長させることには失敗していたようだ。「木の芽が伸びるのはやわらかいから」というのは相田みつを氏の言葉。自分に固執すると、他人のアドバイスを自らの成長に活かせない。
 来年のチームには是非、今年の失敗を活かして欲しい。
 …僕が君たちに近過ぎるから勝てないのか?僕との関係にマンネリがあるのかな?

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 会津の部屋には、試合に出る4人だけがいた。
 残りのメンバーを寝かせておくところも、部長のF木君の優しさだろう。

 部屋に入って最初に言った言葉が「立論変えるんだよね?」
 …改造しないと勝てないことは、彼らも十分に分かっていた。
 何せ、大会中に使用した立論は、創価高校雄弁会及びOBOGの方々に、ことごとく分析されていることを前提に試合を進めることが、ディベート甲子園の常識だからだ。

 「全員ディベート」・・・創価高校雄弁会のモットーである。
 選手になれるのは、部内試合を勝ち上がった猛者のみ。
 ただ、選手を外れた多くの部員たちも、全国の各試合会場に出向き、恐らく全ての試合のフローをとっている…と思われる。
 それを、歴代のOBOGが…しかも、3年連続全国優勝等を含む輝かしい実績と実力を備えたOBOGが総力を結集してそれらを分析し、次の試合に活かすのだ。時に「どうしてそんな証拠資料を見つけることができるのですか?」と、正直頭を下げるしかないと思うようなこともある。マンパワーの為せる業なのかと、誰もが羨ましく思うだろう
 恐らく、夜を徹して、会津高校の立論を分析し、完璧な反駁、及び比較・総括を繰り出してくるだろう。OBOGの指導の下、選手が繰り返しスピーチ練習をしているだろうと思われるのだ。

 そのような相手に勝とうと、努力をするのである。

 立論を改造するのには、時間がかかる。事実、F木君は「変えられる証拠資料は1つしかない」と洩らしていた。
 そして、改造された立論を、立論担当者が読めるようになり、かつ質疑に答えられるようになるのにも時間がかかる

 ここで、まずは創価高校の否定側の議論を確認させてもらった。
 僕たちも時間と交通費をかけて関東の春季大会に出場&地区予選を見学しているので、当時の創価高校の否定側の議論を知ってはいるが、創価高校側も当然それら大会で判明した弱点を反省し、立論は変えてくるものだ。
 会津高校の部屋には、全国で使われた創価高校否定側の議論の“一応のあらすじ”が書かれたものがあった。会津高校も当然、詳細なフローを取るメンバーの数が足りないのだから仕方がない

 でもそれを見て確認し、関東での議論を思い起こして、提案した。
 「じゃあ、プランを1つ変えようか?」

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 確かに僕は、会津高校の立論の改造を手伝ったが、その文量はごく僅かだ。

  • プランの2の後半「国の税は法人税のみ」
  • 重要性の1「節約」

恐らく100文字前後だろう。

 しかし、この100文字前後の変更を侮らないで欲しい
 この結論に至るのには、本校が2001年の大会(前回の道州制)に参加したこと、及び、その前の週に本校で行なった東北地区高校代表校合同合宿の際に、能代高校のI藤君がとある反駁をしたことにヒントがあったのだ。

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 OBOGの協力は貴重だ。選手から外れた部員が選手のサポートをすることも大切であり、貴重だ。
 だが、誰もが羨ましいと思うそれらがなければ、全国大会での優勝は難しいのか?
 …そんなことはないことくらい、誰もが分かっている。事実、過去の全国大会で創価を破った学校も数々いるわけだ。
 …「でもやっぱり、OBOGやサポートの選手が多い方が、全国優勝の確率は高まるんじゃないですか?

 ・・・そうかもしれない(^^;。

 でも、それを認めた上で、僕は頑張って主張する。

 「地区の力が結集できるのであればいいのでは?」

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2006.08.09

(序)チーム全体の勝利&地区全体の結晶

 F津君の肯定側第二反駁のスピーチが終了した後、会場から割れんばかりの拍手が、しばらくの間鳴り止まなかった。僕の周辺で何人かがディベート甲子園の感想として「今までの高校決勝でこのような場面はあまり記憶にない」と表現されている。

 ディベートとは、相手を言い負かす競技ではない
 ジャッジを説得する競技だ。

 ところが今年の高校決勝では、ジャッジのみならず、それを聞いていた聴衆までもが説得させられたのではないだろうか。
 聞き手の誰をも説得する・・・つまり、ジャッジが誰であろうと、理解して頂けるディベート!
 「否定側に投票するジャッジは、この拍手を覆すだけの理由を提示できるのだろうか?」と僕は思った。だが、確信がなかった。理由が2点。1つはその日、僕は肯定側立論の改造を手伝ったので、既に客観的にどちらが勝ったかを判断できる心境になかった。もう1つは、ジャッジが主張をどのように受け取るのかはジャッジ次第であり、個人的(主観的)な勝敗の判断は必ずしも正しくはない、ということを十分に知っているからだ。(この点に理解がなく、11回も経ったこの大会でさえ、試合終了後に、ジャッジにクレームをつける選手がいたという。教育ディベート界もまだまだ至らぬ点があるということか…)

 だが、やはり私の予想通りの結果となった。いや、予想以上だろう。
 5-0で肯定側の勝利。
 「ああ、やはり、このような試合展開の場合、大方のジャッジは肯定側に投票するのか。」…ジャッジと聴衆との認識が一致した試合と評価したい。

 僕は、会津高校の保護者と一緒に座っていた。F木君のお母さま+お姉様、F津君の御両親とは、既に何度もお会いしていて面識がある。ほかにも保護者の方が何名か上京して下さった。河東中も含め、ディベートへの取り組みが保護者からも理解されていることが、会津勢の強みだ。
 そして試合終了後、話題は既に、あの話題に移っていた。
 「ベストディベーターはやっぱりF津君だよね」

 F木君とF津君は共に、3年前の中学決勝の舞台を踏んでいる。
 その時には、青雲中のメンバーに敗れて準優勝だった。
 F木君は後日、指導をされた藤田先生の所に行き、1時間泣いたそうだ。相当悔しかったらしい。ただ、その悔しさが、その後、ディベートを続ける原動力になったのかもしれない。「その前年に優勝したメンバーが誰一人高校でディベートを続けなかった中、F木君がディベートを続けたのは、そういった経験があったからではないか」と、今年河東中学校に練習試合にいった後の、会津若松の飲み屋で藤田先生から聞かせてもらった。
 F木君はその後、福島県でも進学校で有名な会津高校に進学する。でも、ディベーターの仲間に恵まれず、高1の時には地区予選にも参加できなかった。ただそれでも、神田外語大での全国を見学しに来た。その時、同じ東北地区の能代高校が、全国の決勝に進出した。既に「東北地区はみんなで強くなる。全国で対戦することになったら恨みっこなし」という実践を続けていた僕たちは、能代高校の控室に集まり、対戦する創価高校の対策を練っていた。学校が違っても選手の関係者だ(爆:だって能代のみんなもそう言ってくれたし…)そしてF木君も能代高校の控室にいた。「地区の代表校が結束して高め合って全国を戦うっていいですよね。『この輪に選手として加わりたい』と思ったんです」と、その次の年F木君は僕に語ってくれた。嬉しい。既に地区の取り組みの素晴らしさを感じてくれているのか、と僕は思っていた。
 その翌年、前年中3で、残念ながら地区予選で敗退したF津君は、会津高校に進学する。F木君は喜んでいた。ただ、大きな関門が2つあった。そのうち1つの壁は、思いもよらぬ形で開かれた。ディベート甲子園ルールの改正があり、2人でも大会に出場できるようになったこと。会津高校は選手が4人揃わなくても、FFコンビの2人だけで出場できることとなった。もう一つは学校の体制だ。F木君は『社会弁論部』に入部したが、そこでディベートの取り組みができるようになるまでに幾つか困難な事があった。僕、そして江間支部長も苦心したが、F木君の保護者などの力添えで、『社会弁論部』がディベートの取り組みをすることが認められた。更に付け加えると、福島県では会津若松第二中学校の活躍のおかげで、テレビや新聞等でディベートが取り上げられる機会が多く、当時からディベートの認知度が高かったことも見逃せない。

 さて、このような困難を乗り越えて今年、会津高校は更に、会津若松ニ中と河東中学校から優秀な後輩を迎えいれて、全国の決勝まで勝ち上がってきた。話を戻すと、3年前に青雲中に敗れた際のベストディベーターはF津君だったのだ。F木君は当時のことを冗談混じりに「F津君に持って行かれましたから~」と言う。
 また、あるところで行なわれたディベートセミナーの後、講師の筑田先生に対して当時中学生だったF木君は「どうしたら全国大会でベストディベーターになれますか?」と質問をしているくらいに、実は昔からこだわっていたらしい(笑)筑田先生もそれを「すごい中学生がいるもんだ」と、特に印象に残っているのだと語っている。

 奇しくも、その3年前に対戦した青雲中のメンバーは、青雲高校でもディベートを続けていた。昨年の全国では「決勝での直接対決の再現」があり得たのだが、会津高校は準決勝で優勝校に敗れた。その青雲高校のメンバーと、会津高校のメンバー、そして僕及び本校のメンバーが今年、同じ宿だったというのもなんたる奇遇(本校は会津の宿をF木君のお母さまから聞いて予約したので、同じ宿なのは当然なのだが(^^;)。
 また別の観点で言うと、その青雲高校のS口君、A田君も、会津高校のF木君も、Project of Debate Lovers」の一員として、大会2日目の選手交流会を盛り上げていた。ライバルの垣根を越えて交流している彼らに拍手を送りたい。

 再び話を戻して、今年の全国の決勝を見た人の多くが「でも、やっぱりベストディベーターはF津君でしたよね」と言うと思う。今年卒業するので来年にチャンスのないF木君には本当に申し訳なく思うが(^^;、客観的に見て仕方がないだろう。

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 ただ、僕が今回、頑張って、こちらのBlogをご覧の皆様、更にはこちらのBlogを見ていない全国の中高生ディベーター及び指導者の皆様にも、どうしても伝えなければならないことがあるのです。

 F津君のベストディベーターは、F木君の第一反駁と、そして、F木君が準備時間に見せた素晴らしい才能に支えられています。F木君あってのF津君のベストディベーター賞だったのです。
 更にはK村君の「失敗だったかも?」と思わせる“かみ合っていなかった肯定側質疑”が、、チームの勝利に貢献していたのです。(失敗になったのは、僕の助言に誤りがあったのが原因であったこともあらかじめ書いておきます)
 そして実は、試合直前に修正した上に2,600文字以上あった文量の多い立論を、読む練習が少ない中、聴衆に分かるだけの形で読みきることに成功したH田君の“立論を読みきる稀な能力”が、今回の勝利の元となっています。

 つまりは、今回の勝利は、ディベート特有の「チームの勝利」だったのです。
 このことに気付いていた方は、ジャッジの方々のほかにどれほどいたでしょうか?

 そしてディベートは、チームで一貫した主張ができた時に強いし、そしてやっていて楽しいのです!

 たまたま僕が、裏方も手伝ったので、この貴重な勝利の意味合いを更に深く理解出来ました。これを伝えられるのは、僕しかいません!

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 一番最初に話を戻そう。(表現も“である体”に戻しますm(__)m)
 高校決勝後に拍手をされた方が、どうして拍手をしたのか、考えてみてる。
 肯定側第二反駁が劣勢を覆した点が、感動を大きくしたのではないだろうか。
 ディベート的に見ると、デメリットが生じるという否定側の一理ある主張に対してもなお「プランを導入する意義=論題を肯定する理由付け」が、頭の中でイメージできたからだろうか。
 会場には「ディベートの横綱、創価高校に勝っちゃうのかも…」と、ディベート勢力図的な世代交代のようなものを感じて拍手した人もいるだろうと僕は予想する。

 そのような様々な理由からも、F津君のベストディベーター賞受賞は、誰もが納得の行くところだろう。

 だが、全国の中高生ディベーターに改めてお伝えしたい。
 「(チームで最後にスピーチをする)第二反駁が上手であれば勝てるんだ」とか「ディベートを極めるべく、2反の担当を目指す!」といった、安易な誤解&安易な目標設定は違うのだ。

 なぜ違うのかは、もう少し時間をさかのぼり、(1)僕が当日の朝5:00以降何を助言したのか、(2)彼らがどんな準備と考えをもって決勝に望んだのか、そして、(3)東北地区の中高生ディベーター&ディベートに関わる指導者&OBOGの全体が、2002年1月以降、どのような取り組みを継続させてきたことが、彼らのスピーチとどのように関わっているのか、を説明せねばなるまい。

 今回、東北ディベートネットワークの同意を得て、その取り組みを公開する。それにより、中高生ディベーターのスキルの向上は、実はどの地区のどの学校でも可能であるのだと、ご理解頂けるだろう。
 なお、会津高校に何を指導したのかを公開するという件は、会津高校の面々には了承を得ていないが(^^;、恐らく彼らはOKを出してくれるだろうし、僕が当日した指導も自分の高校に対する指導と全く同じことをしたのに過ぎず、結局は本人たちの努力の賜物であったことは揺るがない事実であるので、後日許して頂くこととしよう。

 この夏休みの時間のあるうちに、そして、この感動が薄れる前に、当Blogで連載を終えたい。
 今後皆様には、しばらく連載にお付き合い頂けると幸いである。m(__)m

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2006.08.08

【共通論題】原案募集中!

 ディベート甲子園での選手交流会でアピールさせて頂いた通り、北海道支部と東北支部は、今年度も【共通論題】を策定することといたしました。

 【共通論題】は、ディベートに取り組む皆さんから「これをやってみたい」という意見を取り入れて策定します。ただ、昨年も策定したのですが、論題を策定するって結構大変です。やはり、議論が発散しないか否かなどを、論題に使われる文言等の定義をチェックしながら丁寧に検証する(ワーディング)必要があります。

 ただ、そのワーディング作業は、岡山先生ほか北海道支部のスタッフの協力を得て行ないますのでご安心下さい。

 取り敢えず、「やってみたいなあ」という要望を、幅広く寄せて頂くことが大事です。
 まずはざっくばらんに、皆さんの声をお聞かせください(^^)/

 なお、論題案の最終取りまとめは下記のBlogにて行ないます。

   ねずみさんのほにゃほにゃ生活ver.2

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 私のほうから原案を3つ。

昨年の論題案から、現状でも取り上げるべき問題(内因性)が残っていると思われるものを2つ挙げます。

  • 日本の中学・高校では、就職体験学習を義務化すべきである。
  • 「日本は中学生以下の子供のインターネットの使用を制限すべきである」(親、教員、指導員の元で使用することを義務づける)

☆本校で作成している小論文練習用テキスト「燃える小論文」から、最近の問題として考えたいものを1つ挙げます。

  • 日本は親子間での殺人を、現状より厳罰化すべきである。

 いかがでしょうか?
 論題案としては難しいものの、「こんなことをテーマにしたい」など、いろいろと聞かせて下さい。m(_ _)m>ALL

#論題案になればいいなぁと思うものに
「平和を考えるもの」とかがあればいいなあ、と昔から思っているのですが…
#何かいい論題案はありませんか?

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ディベート以外の最大の収穫

 全国大会より帰って参りました。

 本校は中学、高校とも予選全敗という成績でした(^^ゞ

 優勝した会津高校、3位の能代高校、ベスト8の河東中学校との差がどこにあるのか、私、そして部員一同考えたいです。

 ただ、中3の2人、高1の1人はもう、会場を後にする段階で「来年は1反を~~が…」などと言い合っていました。高校に来たら部活を変えるのかな?ということを思わせる言動等があったことを考えると、これが最大の収穫です!

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 ディベート以外での最大の収穫は

  本校OBが、 こちらの ネタ を教えてくれたことです。

 今回も腹を抱えてワラかせてもらいました!いやあ、おもしろいネタはいつも、生徒から教えてもらっています。開国しましょうか?マッドニュースでお伝えしましょうか?

 ただし、もすかうは僕の方が部員より早かった(爆)

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