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2006.03.19

非論理的な私達の“論理的な態度”とは

 ディベート部員たちに、論理的な考え方ができるようになってもらうには、何をどのような順番で教えたらいいのか、ということをかなり考えてきました。
 ロジカルシンキングや論理トレーニング、といったものが必要なのかな、といった方面の本を探して宮城野区図書館に行ったところ、偶然に下記の本を見かけた。

 『論理に強い子どもを育てる

 小学校教育を扱った本であり、このような形で論理的に考えた作文を書かせる指導をするんだなあ、と感心しました。

 そのなかで惹かれた記述を引用します。

P.20
「『論理的に』とは、簡単にいうなら、とりあえずすぐに書き出さず、メモをとり、それを構成し、組み合わせてから、他人にわかるように、そのまとめとして文章を書いていくことなのです。」

 これはかなり的を射ています!

 これは薄々感じていて、そして先日参加した『半日で分かる!ロジカルシンキングの基本講座』で更に確信したことが前提になっています。

 人間はそもそも、論理的ではありません。
 それは、脳の構造に由来しています。コンピューターとは違うのです。
 人間は、ある刺激に対して、とってもランダムに、様々なことを連想するのです。

 そこで例えば、小論文を書く時にはどうするのか?
 まず、問題を把握します。(ま、明記されています。何を問われているのかをきちんと捉えるということです)
 次に、問題から連想することを、とにかく下書きにメモしまくります。(ディベート等で言えばブレインストーミングですね)
 それらを見ながらまず、問題の答えを定めます。(自分の主張したいことを自己認識します)
 「なぜなら~」と考えて、どうして自分の主張したいことをそれに定めたか、を、それに至る経緯や根拠が分かるように、メモを順番に並べ替えます。(下書き用紙に書いたメモを矢印等で結べば良いのです)
 最後に、所定の解答用紙に、清書します。

 このように方針で書けば論理的な文章になることを、倉島先生の『論理的な文章が自動的に書ける!』(日本実業出版)に書いてあって、実際に今年の高3生数人に、これを踏まえた小論文指導をしたことを以前書きました

 その指導をした生徒4人のうち1人が、見事に宮城大学へ合格してくれました。宮城大学へは、他の先生が指導した生徒達も結構落ちてしまったので、「をを、よく入った!」と、とてもうれしかったです。
 そしてその生徒は、やはり、上記に書いた“論理的な小論文の書き方”の指導がとても良かった、と言ってくれました。いや~、指導の趣旨を理解してモノにしてくれた君の勝利だ!

 …逆に、論理的ではない生徒たちをたくさん見てきています。
 特に小論文のコツが分かっていない高校2年生に小論文の課題をやらせると、下書きのメモなど1字も書かないで、とにかく解答用紙のマス目を埋めるために、文章を書き始めます。彼らにとってはその小論文が、論理的だったり、分かりやすかったりすることは副次的で、とにかく課題が終わればオッケー、とう姿勢であることはミエミエです。
 ですがそれでは、いくらやっても、何度やらせても、そもそも論理的な文章にならないことは明らかです。そして最初に紹介した「論理に強い子どもを育てる」からすると、メモもとらずに文章を書くことは、そもそも“論理的な態度ではない”のです。

 ということで、小論文でもディベートでも、生徒を指導する際にはまず、“論理的な態度”でありなさい、ということを分かり易く伝えることから始めるしかない、ということに気がついてきました。
 そのためには、マンツーマンに近い形で、そもそも論理的な態度でない部分を正してあげることも大事なのかな、とも思いました。

 その次のステップとして、トールミンモデルの存在を理解することが大事です。トールミンモデルを用いれば、、他人の主張を論理構造を分析して把握できますし、自分の主張をも論理的に整えることもできます。反駁に必要なことがなにか、も分かります。相反する主張の比較の方法・ポイントも分かります
 …ここまでくれば、“そもそもディベートとはどのような議論をする競技で、そのためには何をスピーチすればよいのか”が分かります。あとは訓練を重ねて、質の高いスピーチをしてもらうこと、チームとして首尾一貫した主張ができるようになること、が大事になってくると思います。

 最終目標までの道のりは遠いのですが、そもそも“論理的な態度になろう”という出だしが肝心だ、とも思いました。

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