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2005.10.19

科学を用いた戦争 vs “特攻”≒“自爆テロ”

 1日24時間では明らかに足りません!

 さて、昨日のLHRでは、研修旅行に向けてのビデオ学習を実施しました。
 学年で、世界史を担当する先生が見せてくれたのは、NHKのビデオ『ドキュメント太平洋戦争3 エレクトロニクスが戦いを制す』でした。
 どういった内容なのかは、まずはこちらを参考にご覧頂きたいです

 クリスチャンではありますが、物理の教員でもあるので、科学的な内容に興味を持って見ていました。
 真珠湾攻撃の痛手を受けて以降、科学技術を戦局の守備的側面で活用することに力を注いだ欧米。特にレーダー&VT信管技術の活用。「あ」号作戦を決行する日本海軍がマリアナ沖で敗れ、その後マリアナ諸島を失陥したため、日本はB29の攻撃範囲となり、大空襲&原爆と、日本は敗戦の一途をたどります。

 それに対し、「レーダーに頼るとは何事だ。訓練が足りん!精神がたるんどる」というスタンスなど、秘密主義と優越的発想の軍部が指揮をとる日本。
 ああ、日本ってそういう国だったのよね~、と思ったり。

 ゼロ戦は、少し攻撃を受けるとすぐに燃えてしまう。
 それに対し、ゼロ戦を分析して開発されたアメリカの戦闘機は、燃料タンクを防弾にし(燃料への引火を防ぐ)、コックピットにも防弾設備を整え、パイロットを守る設計にしているとか。
 人材を育てるのには、ものすごいお金と時間がかかるので、それを失わないようにすることが国益だと分かっていたと。

 知ってますよ~。今でもアメリカ軍は、そうやって莫大なお金と時間をかけて、空母への離発着訓練をしているんですよね~。岩国でタッチ&ゴーの訓練をしているんですよね~。騒音等に苦しめられても文句が言えないのは、敗戦国日本が日米安保の上に乗っているからですよね~。

 対して日本は、いたずらにパイロットを失い、あとから補充されるパイロットは満足に訓練も受けてなくて、不意の攻撃にパニックを起こし・・・そういう人的能力の差も、「あ」号作戦の失敗の一つの要因だったと、ビデオ中で証言がありました。
 ま、当時の日本ですから、お国のために命を捨てなさい、って感じで、果ては“特攻”ですよね。レーダー等により、どうせ打ち落とされるなら、相手に打撃を与えてから死んでくれ、と。
 その計画を発案した方は、玉音放送のあった8月15日に自決(自殺)していたんですね。知りませんでした。

 特攻に関しては、こちらのようなWeb記事がありました。

#8月15日は終戦記念日と言われていますが、正式な終戦の日は8月15日ではなくて、降伏文書に調印した9月2日なんですね。今年の戦後60年報道を見るまで知りませんでした。ここにも天皇バンザイ的発想があるのかな、とか思ったり。

 ビデオは最後に、民間人も大量に巻込んだサイパン玉砕について軽く触れました。
 「日本軍は、民間人を助ける行動には出なかった」というナレーションが耳に残っています。

 サイパン玉砕についてはこちらのようなWebページがありました。

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 今、2005年ですが、アメリカは、科学技術を戦争に利用するという流れを、その当時から今に至るまで継続させているんだなあ、と思った次第です。そのために、お金と人材をつぎ込む様を見て、どうして人間は、他人を殺すためにそこまで一生懸命になれるのかなあ、とか感じます。

 一方で私は今の日本で生きていますが、そんなにあの時代が良かったのかい?と思うんです。

 特攻って、かっこいいですかねえ?
 
あれが戦争でなければ、最近流行の“自爆テロ”と一緒じゃん。

 死んでまで相手を殺したいかねえ。

 今の日本っていうのは、条件が整えば大手を振って戦争しても許される体制を整えようとしているんじゃないの?って思うわけです。理由がどうであれ、戦争は戦争じゃん。

 だから理由はどうであれ『戦争できる国づくり』なんでしょ、って。
 若い人は、わからないのかな~? 政治家の方は、「戦争しても今度は勝てる」とか思っているのかな~。年配の方は、もうあの頃の苦しさは忘れているか、実は戦時中であっても苦しい思いをせずに済んだような、高貴な家の方々だったりして。

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 なお、科学技術に関しては、レーダーの前に置いていたチョコレートが解けることに着目したことに端を発して電子レンジが開発されるなど、悲しいかな、戦争で人を殺すために一生懸命にお金と時間とエネルギーをかけて開発が進んだおかげで、身のまわりが便利になった、という事例も少なくありません。

 このインターネットも、そうですよね(爆)

 ま、そういったことを触れつつ、物理を教える立場であります。

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コメント

 戦争についてのみ述べます。長くなります
がご容赦ください。

 私は、「絶対に戦争をしてはいけない」と
言われているにもかかわらず、日本では戦争
が繰り返さえ、ずっと過去の時代の戦争に登
場する人間は英雄視さえされていることに気
づきました。

 私達は、「戦争は絶対に絶対にしてはいけ
ないのだ。平和は尊いのだ。」と教えられて
まいりました。しかし、第2次大戦中は「
お国のために死ぬ」等の考えがまかりとお
っていたことでしょう。

 「戦争をしてはいけない」とおっしゃる
方の中にも織田信長・豊臣秀吉・徳川家康
などの戦国大名、最近で言えば源義経がお
好きな方もいらっしゃるでしょう。しか
し、思い出してください。彼らは戦争で
人をたくさん殺してきました。彼らは英雄
視さえ、尊敬さえされておりますが、近
い時代に生きていれば、ヒトラーのような
大悪人と言われていたかもしれません。

 更に遡れば、日本列島では弥生時代か
ら戦争が行われていたのですから、「戦
争をしてはいけない」という考えが広ま
ったのは、第2次大戦後でしょう。日本
列島の長い歴史で言えば、本当に最近の
考えなのです。

 戦争は、たくさんの人が殺し合いをす
る、本当に残忍な行為にもかかわらず、
なぜ、長い歴史の間、戦争が繰り返さ
れてきたか、このあたりから考えてい
くことが重要かと思います。

 「戦争は絶対悪」と決め付けるこ
とは、ディベートで肯定側あるいは否
定側いずれか一方の主張に固執するよ
うなものではないでしょうか。

 といっても、東京裁判とか取り上げる
ことがやたら好きな某ディベート団体と
その主張は受け入れられません。

投稿: 転機 | 2005.10.19 10:28

 転機さん、コメントが遅くてごめんなさい。このことに関してはお返事したいと思っていたのでした。

>戦国武将が英雄だという点

 恐らく、彼らの知恵・判断力等について、みんなはすごいと思っているのですよね。

>「戦争をしてはいけない」という考えが広まったのは、第2次大戦後

 言われるとそうですね。
 更に、長い歴史を見ると、人の命は貴いと思われたのも、人には人権があると認識されるのも、歴史的には長くはないことに気付きます。

>本当に残忍な行為にもかかわらず、なぜ、長い歴史の間、戦争が繰り返されてきたか、このあたりから考えていくことが重要

 これはおっしゃる通りだと思います。
 「太平洋戦争を肯定的に考える人とも、どうしてそう考えるのかと耳を傾けることから、取り組みは始まる」とアドバイスをしてくれた方が身近にいます。

>「戦争は絶対悪」と決め付けることは、ディベートで肯定側あるいは否定側いずれか一方の主張に固執するようなものではないでしょうか。

 これは「意見を聞く際には固定概念を持たない」ということであるならばその通りですが、私自身は「戦争は絶対悪」だと思っています。これは個人的な価値観で、そう簡単には揺らがないと思います。

 「世界には宗教がたくさんあるのだから、キリスト教に固執しなくてもいいのでは?」と言われても困ります、みたいな感じです。

 こうした見解であっても、あまり歪んだ方向にはいかないだろうという認識で(^^;、これら世界の平和に関係することを“注意深く”学んでいきたいと思っております。

投稿: NAKO-P | 2005.11.24 03:41

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